単回使用の軟性尿管鏡でコストメリットが出る病院とは

(この記事に出てくる定価、診療報酬などの情報は、全て2018年8月時点でのものです)

TUL(経尿道的尿管結石破砕術)などの症例を行う際、必ず使用しなければいけないのが、軟性尿管鏡です。
尿道や膀胱の結石であれば、硬性鏡でも処置が可能な距離ではありますが、尿管結石となるとファイバースコープでないと治療は難しいです。

従来、この軟性尿管鏡は定価で300万ほどしますが、当然、使ってもなくなるものではありません。
ただし商品の特性上、ハードな症例では壊れることもあり、修理費用も40万近くかかることが多いです。

そんな中2017年、単回使用の軟性尿管鏡「LithoVue」(リソビュー)という商品が日本で発売されました。
本体のモニタに、消耗品部分であるスコープを接続して使うというシンプルなものです。
ただしその消耗品は、定価で1個およそ20万円という価格でした。
そして本体などのモニタ部分は、定価250万という金額です。

高い初期費用を投入しても、1回使うごとに毎回20万円ものコストがかかるのがLithoVueです。
いったいどんな病院にメリットがあるのか、考えてみようと思います。

LithoVueのメリット

LithoVueのメリットはいくつかあります。
従来のものに比べて重さが軽く疲れない、使用後に手間とコストが掛かる慎重な洗浄・滅菌が必要ない、常に新品の視野でクリア、ワーキングチャンネルの他にレーザーファイバーのチャンネルがついている、などです。
しかし一番大きい部分は、修理費を恐れずにハードな使い方ができるということでしょう。

例えば、下腎杯と呼ばれる部位にある結石をレーザーで砕こうとする際、奥深く挿入した軟性尿管鏡に強いアングルを掛け続けて照射し続けなければいけません。
さらにその角度を維持したまま結石回収を行う操作が必要で、軟性尿管鏡に少なくないダメージを与えます。
こういった損傷のリスクがある症例の際、従来の軟性尿管鏡を使うと、40万近い修理費を恐れながら使わなくてはなりません。
LithoVueは、こういったリスクのある症例時にこそ、メリットがあり得ると考えられます。

LithoVueのデメリット

一番のデメリットは、毎回消耗品のコストがかかるということでしょう。
平成30年時点、レーザーによるTULの診療報酬は22,270点です。
それが毎回、20万円近いコストが掛かっていては、病院の収益が2万円少しということになってしまいます。

二つ目のデメリットとしては、モニターの画質がいまひとつと言うことです。
従来の軟性尿管鏡は、オリンパスなどの高画質なモニターと接続し、クリアな映像を映し出せます。
ただしこのLithoVueは、専用のモニターにしか接続できません。
製造元のメーカーは、決してモニターの技術が高いわけではないため、従来のものと比べると少し劣るという、現場の声を聞きます。
このLithiVueが、従来のモニターと接続できるようになるなら、かなり使い勝手の良い選択肢となり得ますが、それはメーカーがやらないでしょう。

LithoVueでコストメリットが出る病院とは

さて、以上のメリット・デメリットを考慮したときに、LithoVueを使ってコストメリットが出る病院を考えてみます。

結論から言うと、しょっちゅう軟性尿管鏡の修理費用が発生している病院は、LithoVueの導入を検討すべきでしょう。
破損のリスクが高い症例を多くこなしているのであれば、そういった症例に限定してLithoVueを使用することで、通常の軟性尿管鏡を守ることが出来ます。

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