老後の資金2000万を貯めるには(iDeCoとつみたてNISAの利用を勧める話)

麻生大臣のコメントでも話題になったように、退職後の生活において2000万が不足する例もあるという金融庁の報告書が公表されました。
国が年金の運用を失敗してきたからだとか、年金詐欺ではないかなどという批判の声も聞こえますが、ただ怒っていてもお金が貯まるわけではありません。
このニュースと金融庁の資料を見て、個々でどのように対策していくか、前向きに考えることが大事だと思います。

以下のリンク先の金融庁のページのpdfで、とても分かりやすくまとめられています。

少し長い資料かもしれませんが、要は以下のようなことが読み取れました。
・近年の日本では、90~100歳近くまで生きることが珍しくない
・寿命が長い分、生活費や医療費、介護費など、従来の試算よりも負担が大きくなる可能性が大きい
・そういったことも考えると、現在の年金制度では2000万近く不足する例もある
・したがって年金とは別に、個人で資産運用を行っていく必要がある

年金があるからといって、老後の資金を一切準備していない人は、もはや少数だと思います。
しかし、どれくらい用意しておかなければいけないかという最新の基準が政府によって提示されたにことによって、目標額が定めやすくなりました。
国が資産運用のために利用を推奨している「iDeCo」や「つみたてNISA」など、僕のような庶民でも老後の資金を貯めやすい制度が増えています。
今回は自分の学びを目的としつつ、この2つの制度についてあまり聞いたことのない人向けに、これらの制度を利用して2000万を貯める方法について書いてみようと思います。
この二つをすでに利用している人は、読む必要がない記事になると思います。

結論

まず結論から書いておきます。
老後の資金を貯める目的で銀行に貯金をしている人は、全員が利用した方が良い仕組みだと思います。

60歳までの年齢があと20年なのか30年なのか、人によって差はあると思います。
しかし僕のような資がないサラリーマンにとっては、この数十年という年月は、資産運用を行う上で唯一といっても良いくらいの武器となります。
今回紹介する仕組みとは少しずれますが、100万円という元本を年利3%で30年間複利運用するだけでも、約2.5倍になります。
複利での運用は、未来の自分へお金を増やして送りたいという場合に効果を発揮します。

銀行に、普段使わないお金が眠っているだけという状態は損だという意識を持つことが大事だと感じます。
投資信託を行っている会社が倒産してしまったとしても、投資者の資産は保護されます(分別管理の義務)。
仮に運用会社が分別を徹底していなかった場合でも、銀行のペイオフと同じように、1000万円を上限として補填されます。
したがって、投資信託を行っている会社の倒産を怖がる必要はありません。

ただ一つ、許容しなければいけないリスクは、元本割れだけです。
100万円を30年間運用したからと言って、必ず増えるかと言われれば、答えはNOです。
値動きするものである以上、絶対に増えるとは言い切れませんが、長期運用であれば減る可能性は限りなく0%と言えるでしょう。
このリスクを絶対に許容できないという人であれば、iDeCoもつみたてNISAもお勧めすることはできません。

iDeCo(個人型確定拠出年金)

iDeCoとは、毎月自分でお金を出して、そのお金を投資信託などで運用していける仕組みです。
普通の投資と違う点は、税制上の優遇があるという点と、60歳以降になるまでお金を引き出せないという点です。

国民年金や厚生年金とは別に、自分自身で行える退職金のようなものと捉えればよいのではないでしょうか。

税制上の優遇

普通の株取引や投資信託では、得られた報酬については20%ほどの税金がかかります。
しかしiDeCoの運用で得られた利益については非課税となるため、そこが大きなメリットとなります。

また、毎月拠出する金額についても、年末調整や確定申告により所得控除することができます。
つまり、自分自身で同額を毎月貯金する場合と比べただけでも、税金上のメリットがあります。

会社員の場合
例:年収400万、月1万円の拠出の場合、1年間で1万8千円の節税
例:年収500万、月2万円の拠出の場合、1年間で4万8千円の節税

iDeCoは、利用者の職種や状況によって、月々に拠出できる金額の限度額があります。
ちなみに僕は、企業年金のない会社の会社員であるため、月に2万3千円の拠出が限度額となります。
最低5000円から1000円単位で上乗せできるため、自分に合った額でシミュレーションしてみることをお勧めします。
また、60歳以降に受け取る際も「退職所得控除」や「公的年金等控除」を利用できるため、その際の節税効果もあります。

楽天証券ホームページ内「節税シミュレーション」より算出

60歳以降まで引き出せない

iDeCoは原則、60歳以上にならないとお金を引き出すことはできません。
そのため、人生の各イベント(マイホーム購入、子供の学費など)で使うための目的であるのなら、任意のタイミングで引き出せる「つみたてNISA」の方が向いています。

もともと退職後の生活資金を個人で備えることを目的としている制度なので、これは仕方ありません。
それでも最低金額の5千円ずつでも拠出した方が、お得であると考えられます。
しかし今すぐもらえる100万円と30年後に貰える250万円を比べたときに、現在すぐに使える100万円の方に価値がある、という考え方もあると思います。
そういう人にとっては、無理にお勧めはできません。

つみたてNISAとは

つみたてNISAとは、税制上の優遇が得られる投資信託用の口座です。
(一般NISAの説明に関しては今回は省きます)
毎月お金を積み立てていくというものではなく、その口座を利用して投資信託商品を購入すれば、運用益が非課税になるというものです。
ただしiDeCoのように、所得控除まではできませんので注意が必要です。

年間40万円の非課税枠が付与されますので、毎年40万円ずつ投資信託していくのが最大限活用する方法となります。
しかし年間40万円の枠の中で30万円分購入し(残り枠は10万円)、その後同じ年に15万円売却しても、限度額が10万円から25万円に増えるわけではありません。
つみたてNISAは、何度も購入と売却を繰り返して利益を得るような目的の口座ではありません。
一度購入したものを、ある程度長期間持ち続け、資産を増やしていくことを目的としています。
売買を繰り返して利益を上げたいのであれば、一般の口座で株の売買を行うのが良いでしょう。

つみたてNISAはiDeCoと違い、お金が入用になった際は、運用商品をいつでも売却することができます。
もちろん、その段階で基準価格がかなり下落しているのであれば、売却することで損が出てしまうかもしれません。
ある程度年数が経っていればそういったことは少ないですが、リスクはゼロというわけではないので、注意が必要です。

iDeCoとつみたてNISAの使い分け

どちらも資産運用に有用な制度であることは間違いありません。
ただ、誰でもやっておいた方が良いのはiDeCoでしょう。
金融庁の言う通り、老後資金2000万円を貯めるのに、非常に有用な制度であることは間違いありません。
どうせ自分自身でコツコツ銀行に貯金するくらいなら、iDeCoを利用した方がずっとお得です。

つみたてNISAは、誰にでも勧めるわけではありません。
投資に積極的な層の人たちであれば、すでに利用している制度でしょう。
ただ、銀行の預金で動いていないお金があるのなら、試しに利用してみてはどうでしょうか。
税制上のメリットもありますし利用のハードルも低いため、自分のお金にさらにお金を生んでもらう、という快感を得られるかもしれません。

2000万円を貯める具体的なシミュレーション

2000万円を貯めるための、具体的なイメージを持つためにシミュレーションしてみました。

仮に33歳の会社員である自分が、月々限度額いっぱいの2万3千円を27年間運用したとします。
投資信託の平均的な利回りを示すデータは色々ありますが、4%~8%くらいでしょうか。
サイトでは1%・3%・5%しか選択できないので、仮に5%として計算してみます。
すると以下のような計算になります。

積立元金:7,452,000円
運用益:8,261,352円
合計金額(積立元金+運用益):15,713,352円

運用益の中に、27年間の節税額も含まれていますが、約1500万円という結果が出ました。
(節税の計算については、年収500万円として計算)
ざっくり考えると、27年間月収を2万3千円削る覚悟があれば、60歳のときに1500万は貯められるという話です。

では次に、つみたてNISAでのシミュレーションを行います。
これには金融庁の資産運用シミュレーションを使ってみます。

つみたてNISAは年に40万円を限度額として、最大20年まで利用できます。
「月に3万3千円・年利4%・積み立て期間20年」で試算します。

最終積立金額:12,103,563円

約1200万円貯まるという結果になりました。
ちなみに、月の積み立て金額を1.4万円にすると、最終積立金額5,134,845円となります。

これらの試算を踏まえ、iDeCoを限界まで利用し、つみたてNISAで補完するという方法で2千万円を貯める場合を考えると、iDeCoで月に2万3千円、つみたてNISAで月に1万4千円(年に16万8千円)積み立てる必要があります。

ただしこれだけ積み立てても、あくまでこれは老後の資金です。
子供がいる人は学費などにお金がかかりますし、車、家の購入など、お金が出ていくイベントは数多いです。
ただ、この制度を利用しておけば、とりあえず老後の資金については、いったん頭の外に置いておけるのではないかと思います。

自分の周囲での利用状況

どういった業界で働いているか、どういった友人との付き合いが多いかで、これらの制度に対しての理解度、利用状況は大きく変わってくると思います。
僕は以前勤めていた会社が「企業型確定拠出年金」をやっていたのですが、ほとんど会社任せで、自分自身ではしっかり理解していませんでした。
転職後の会社はそういったことをしていない会社だったので、iDeCo(個人型確定拠出年金)をやる必要があると思い、改めて色々と調べて学びました。

自分の周囲では、これらの制度自体知らないか、名前を聞いたことがある程度という人が多かったです。
僕自身もまだ勉強しなければいけない部分が多いですが、おせっかいにならない程度に周知できればと思い、記事を書いてみました。

自分の人生の面倒は、基本的には自分で見ていかなければなりません。
知らないことで損をしないように、出来ることから始めていこうと思います。

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