真・村雨(フリー・サバイバルサスペンス)紹介・感想・攻略メモ

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RPGツクール2003で作成されたアドベンチャーゲーム「真・村雨」の紹介記事です。
同じ作者・裏束氏の作品「ヒトミサキ」をプレイして、とても面白かったため、今作もプレイすることにしました。

全てのエンディングを見て、クリア時間は合計で4時間ほどでした。
手軽にプレイできる長さの作品です。

「真・村雨」は、以下のような人にオススメです。
・推理や謎、サスペンス要素がある作品が好き
・完全な一本道よりも、多少のエンディング分岐があった方が良い
・プレイ時間が長くも短くもない作品をプレイしたい

 

ゲーム概要


「真・村雨」は、基本的には文章を読むことで進めていくゲームです。
場面によっては、キャラクターを操作して探索をしたり、敵に見つからないように隠れながら進んでいく場面もあります。

しかし、高いアクション要素を求められるわけではありませんので、プレイヤーを飽きさせないようにする味付け程度に思って構いません。

ちなみに、本作は「村雨」に新たなシナリオを付け加えたバージョンです。
ゲーム開始時に、「真・村雨ルート」を開放するかどうか選択肢が出ますが、初回プレイ時は解放しないことをお勧めします。

「真・村雨ルート」は、本編の進行と同時に、主人公たちの裏で進行している出来事が挿入されます。
本編のエンディングを見たあとにプレイすることで、新たな驚きがあると思います。


「真・村雨」のあらすじは、以下のようなものです。

主人公たちは、修学旅行中のバスでの移動中、土砂崩れにより立ち往生してしまいます。
運よく近くの村で会合所を借りることができ、クラス全員で、そこで助けが来るまで待つことになります。
しかし、生徒の一人が突然殺されてしまい、一行は村人たちから逃げ回ることになります。
なぜ村人は主人公たちを殺そうとするのか?
主人公たちは無事に生きて脱出することは出来るのでしょうか。

以上のような内容です。

プレイヤーが操作するのは、男子生徒の瀬崎と、女子生徒の月村です。
シナリオの進行に応じて、自動的に視点が切り替わります。
なお、「真・村雨ルート」を解放した場合は、さらに別の人物の視点が加わります。

感想(ネタバレ無し)

引き込まれる状況設定と場面展開で、ほぼノンストップでプレイすることができました。
事件が始まるまで早いですし、会話のテンポも良いので、「ヒトミサキ」などと同様、ストレスない設計になっています。

途中、敵から隠れて進んでいくミニゲームは、それほど難易度は高くないものの、緊張感がありました。
自由にセーブできる場面が多いので、ゲームオーバーになってもすぐにやり直せるのは嬉しいです。

最初のプレイで見たエンディングは、ベストエンディングに一つ足りないものでした。
しかし少し前のシーンに戻って、必要なフラグを立て直すことで、ベストエンディングを見ることができました。
操作可能な場面ごとにセーブしていると、セーブデータ上限の15個くらいになります。
そのため、必要な場面までロードしてやり直すのが簡単で、プレイしやすかったです。

「真・村雨ルート」をプレイすると、また新たな事実が色々と発覚し驚きました。
本編だけでも作品として成立しているのに、「真・村雨ルート」でさらに厚みが増し、あるキャラクターの印象がガラッと変わるのは凄いと思います。

「村雨」しかプレイしていない人も、「真・村雨」のプレイを強くお勧めしたいです。
イベントスキップ機能をONにしていても、「真・村雨ルート」で追加されたシーンは飛ばされないので、見逃す心配はありません。

攻略メモ(ネタバレ有り)

TRUE ENDまでの道のりのメモです。

・会合所での追いかけっこは、左上の部屋の引き出しからドライバーを取り出した後、右下の厨房の窓から逃げられます。
僕はこれが分からず、入り口の見張りに殺され続けました。

・建物の中でキャラクター操作できるようになったら、基本、棚や本棚は調べましょう。
瀬崎で調べた場所でも、月村で調べることで、新たな発見がある場合もあります(免許証関連)。

・塩崎操作時に入る洞窟の中での飯塚の死体は、調べることで制服のボタンが手に入ります。

・最後4人パーティーになった後は、村の屋敷に向かえばエンディングへ行けます。
しかし、バスのあるマップのすぐ南のマップ左手側に、新堂の死体があるので調べましょう。
さらに会合所に立ち寄って、トイレの江藤の死体、上左から2番目の遠藤の死体も調べます。
村に入ったら、左上の生徒たちの死体も調べましょう。

以上の行動で、フラグがすべて立っていれば、月村が殺されずに喋り始めます。

感想(ネタバレ有り)

「殺人鬼たちが住む村に迷い込み、生き延びるために逃げ回る」という状況で、絶えず緊張感があって面白かったです。
超常現象が相手ではなく、相手は同じ人間だという点で、リアリティもありました。
ただのサバイバルではなく、さらに別の犯人がいるというのは、とても面白かったです。

そして「真・村雨ルート」では、高島と細波に焦点が当たっていました。
高島の異常性は、本編では完全に伏せられていたので驚きました。
高島は、陰でかなり動いているのに、本編ではそう見えず、それでも矛盾なくまとまっているところに感心しました。

しいて言えば、最後の屋上で、速水の手帳を発見する場面で、高島の演技臭さが感じられて良かったです。

キャラクターの個性に関しては、割とあっさり目という印象でした。
しかし個人的には、あえてそうしているのだと解釈しています。

本作は、中編くらいのプレイ時間で、サクッとプレイできるゲームとしてデザインされていると思います。
そういう作品の中でキャラの個性を強くしようとすると、どうしても人物の描写が多くなり、ストーリーのテンポが悪くなってしまいます。
そうなると、人物以外の描写も増やさなければバランスが悪くなり、結果、中編では収まらなくなってしまうでしょう。

「ヒトミサキ」でも感じましたが、本作でも、キャラクターをある程度記号化することによって、ストーリーや雰囲気に注目させているのだと思います。
その結果、ストーリーが快適に進行していき、幅広い人が楽しめるバランスの良い作品として仕上がっていると感じました。

長々と偉そうに書きましたが、見当はずれの解釈かもしれません。
しかし、僕はとても好みなので、楽しくプレイすることができました。

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