それまで住んでいた賃貸物件から引っ越して、中古マンションを購入しました。
買うと決めてから売買契約を結ぶまでに、その時々で何を決めて、なぜそう決めたのかを体験記として残しておこうと思います。
同じような状況の方の、何か参考になれば幸いです。
(自分:40歳会社員・ペーパー宅建士&FP、妻+子供2人・小3と小1)
この記事で分かることは、ざっくり次の3点です。
- 40歳で「今買う」と決めた理由
- 物件の条件をどう絞ったか、内見で何を見たか(危ない物件の見分け方)
- 住宅ローンを自分で手続きした流れ(どこまで借りるか・事前審査の額)
先に結論として、買った物件と決めたことをまとめておきます。
| 物件 | 築20年超・駅から徒歩数分・3LDKのマンション |
| 場所 | 子供の小学校と同じ学区内 |
| 広さ | 前の賃貸より約15%広い(ただし部屋数を優先) |
| 住宅ローン | 都市銀行で35年ローン(変動)、購入代金+諸費用まで借入(リフォーム費用は含めず現金) |
| 手続き | ローン関係は仲介に代行を頼まず自分で対応 |
| 検討開始から契約まで | 約1ヶ月 |
なお、ローンの本審査から決済・リフォーム・入居までの話は長くなるので、別の記事(後編)に分けています。
この記事は「買うと決めてから売買契約まで」の前編です。
①なぜ今買うことにしたのか
何か大きな理由があったわけではなく、中〜小程度の理由がいくつか重なって、こういう決断になりました。
正直、当時住んでいたところで不自由はしていませんでしたし、自分も妻も住む場所に合わせて対応していくタイプなので、賃貸のままでも問題はありませんでした。
それでも「今」動くことにした理由は、次の3点です。
- 子供の部屋が遅かれ早かれ必要になるとは、前から思っていた
- 子供が二人とも同じ小学校に入り、物件を探しやすくなった
- 35年ローンを組もうと思ったときに、猶予が5年未満だった
一つ目はずっと思っていたことですが、子供の転校・転園を伴う引っ越しはしづらい状況にあったので、動けずにいました。
それを変えたのが二つ目で、2026年4月に下の子が上の子と同じ小学校に上がったことです。
それまでは上の子の小学校と下の子の保育園が反対方向にあったため、引っ越すとどちらかが通いづらくなる状況だったのですが、二人が同じ学校に通うようになったことで、小学校を中心に考えやすくなりました。
三つ目は、住宅ローンの年齢の問題です。
住宅ローンは35年が一つの区切りで(35年を超えると金利が一段階上がるなどのデメリットもあります)、完済時の年齢は80歳までというのが基本なので、35年ローンを組むなら44歳までということになります。
もちろん50歳の時点で30年のローンを組むことも可能ですが、返済期間が5年分圧縮される分、月々の返済額は大きくなります。
もし家を買うのであれば44歳までの間に35年ローンを組んで買いたい、という気持ちはずっと持っていました。
購入を後押しした材料
きっかけとは別に、購入の後押しになった材料が2つあります。
一つ目は、「月々の家賃が資産になる」ということです。
これは一番よく言われることだと思いますが、やはり後押しになりました。
賃貸で毎月家賃10万円を払っている場合、その10万円は費用となり手元には残りません。
しかし同じく10万円払うとしても、それが持ち家のローン返済であるのなら、最終的に家が手元に資産として残ります。
仮に3000万円で家を購入して、途中で売却する際に1500万円で売れるとするなら、ざっくり計算すると実質は月5万円しか払っていない、と考えることもできます。
(管理費、修繕積立金、ローン金利等は考慮していないため正確な計算ではないです)
二つ目は、「団信に入れる」ということです。
団信は、住宅ローンの借主が途中で死亡や高度障害になってしまった場合、返済がチャラになるという保険です。
多くの人は、子供が大きくなるまでは生命保険に入っているかと思いますが、自分が死亡したとき保険金が家族に入るとしても、その後の家賃は発生し続けます。
持ち家であれば返済がチャラになるため、保険金から住居費を出さなくても良い、つまり結果的に家族への補償が厚くなります。
もちろん持ち家のデメリット(転勤が多いと恩恵を受けにくい、すぐには売りづらい、修繕費や固定資産税が掛かる、近隣トラブル時に簡単に逃げられない)もあります。
持ち家と賃貸のどちらが優位かは一概に言えないと思っていますが、その人の事情を諸々考慮すれば決まってくるものだとも思います。
僕の事情では、メリットの方が勝ったという判断です。
住宅ローンを組むには団体信用生命保険(団信)への加入が基本的に必須です。年齢が上がると健康状態に問題が出てきて団信に入れないということもあり得るので、これも事実上の年齢制限と言えると思います。
②物件の条件をどう絞ったか
家を買うと決めたら、次は物件探しです。
ここは人によって一番差がつく部分だと思います。
購入するきっかけによって優先する点は大きく変わると思いますが、大前提として、すべての条件を満たす物件は存在しないということです。
どこを一番大事にして、どこは妥協できるのか、内見の前に考えを深めておく必要があります。
僕が見ていたポイントは5つありますが、振り返って整理すると「絶対条件が1つ、上限が1つ、優先度の低いものが2つ、最後に必ず確認することが1つ」という形になります。
ちなみに、探すのに使ったサイトはSUUMO・ホームズの2サイトです。
載っている物件に差はない(ことになっている)ので、使いやすい方で大丈夫だと思います。
絶対条件:同じ学区内であること
子供が通っている小学校を変えない、ということは絶対条件として固定しました。
正直、ここを固定すると物件の幅はかなり狭まります。
しかし選択肢が絞られたことで、検討から決断までスピード感を持って進められたのは、かえってよかったと思っています。
※せっかく馴染んでいる学校から転校させるのは可哀想だという気持ちがありましたし、もし転校がきっかけでいじめや不登校につながった場合、僕自身が後悔しそうだという思いもありました。
上限:月の負担額が今と大きく変わらないこと
物件価格を35年ローンで計算したときに、「ローン返済額+管理費+修繕積立金+駐車場代+もろもろ」が当時の家賃から大きく離れないかどうかは重要です。
僕の場合は、「月○万円までならOK」というように上限を設定して探していました。
(結果は後編に書きますが、管理費や修繕積立金まで込み込みで、前の家賃プラス1万円くらいに収まりました)
ここで身の丈に合った返済額を設定していないと、結局ローン審査の段階ではじかれてしまうので、現実的な額に設定するようにしましょう。
月に支払える金額が決まれば、物件の場所・築年数は自ずと決まってきます。
優先度は低め:広さ・リセール
広さ
当時の賃貸より多少広くなればいいかな、くらいの感覚で、正直優先度は高くありませんでした。
子供部屋を確保するという意味では、広さよりも部屋数を重視していました。
結果としては、前の賃貸より15%広い3LDKの物件になりました。
ただ、本当は部屋はもう一つ欲しかったです。
リセールしやすいかどうか
一生住む家として購入するのか、子供が家を出て行ったあとにまたどこかを探す可能性があるか、というポイントです。
リセールしやすい物件であれば、売却代金でその時点での残債を返済すればいいということになります。
一般的に駅近くのマンションは需要が高めなので、リセールしやすく値下がりしづらい半面、郊外の一戸建てに比べれば狭くなるので、そこはトレードオフです。
今回は駅から徒歩数分の3LDKなので、リセールはしやすいと思います(できなければそれはそれで考えるだけ)。
最後に必ず確認:大きな懸念事項がないかどうか
優先度の話とは別に、大きな懸念事項が無いかどうかというポイントは重要です。
小さなマイナスは大きなプラスで妥協できることが多いと思いますが、大きなマイナスは挽回が難しいです。
例えば空室が多いマンションだと、管理組合の修繕積立金が足らず、高額な一時金が必要となることもあります。
同じマンションから物件が多く売りに出されていないか、サイト内で調べてみると良いでしょう。
他にも住民のマナーが悪い、クレーマーがいるなど、賃貸物件を探すときと同じように注意することが多くあります。
内見のときでもいいですが、事前に見に行けるのなら、周辺を歩いてみるのも良いと思います。
③内見で分かったこと
内見の申し込みは、検索サイト上から行いました。
具体的な資料が欲しかったので、資料請求という形で依頼すると、後日電話が入るという感じです。
僕の場合は第1候補で8〜9割方決め打ちでしたが、無くはないかなという第2候補も一応見るということになりました。
結果から言うと、ほぼ決め打ちだとしても、ほかに1件は見ておいた方が良いと思います。
サイトの資料と実物ではだいぶ印象が変わりますし、実際に見に行くと良い点・悪い点に気付くこともあります。
僕の場合も、2件目を見たことで1件目の評価が定まりました。
自分で候補が見つけられないのなら、不動産屋に見繕ってもらうのも手だと思います。
1件目:写真とのギャップはあったが、下調べ通りだった
第1候補を実際に見に行った最初の印象は、結構ボロボロだな、というものでした。
築20年を超えるマンションなので、当然内装は劣化しています。
しかしサイトに掲載されている写真は、壁紙の傷みや使用感がかなりマイルドに写るように撮られているので、実際に見たときは動揺してしまいました。
ただ逆に言えば、見た目以外の点は事前の下調べの通りだったので、特に問題はないと感じました。
内装の印象は、クロスを張り替えるだけで大きく見違えます。
お風呂・キッチンは変えると大きくコストがかかるのですが、見た感じ綺麗に手入れされていたため、そのまま使用することにしました。
(後編で書きますが、キッチンの水栓は実は壊れていました。見た目では分からないものです)
新築と違い、中古物件は「リフォーム済・リノベーション済」でなければ自分でリフォームしなければなりません。
物件価格のほかにも費用が必要になるため、資金については検討段階から余裕をもっておくのが良いと思います。
どれくらいリフォームが必要になるかは、内見時に不動産屋に意見を聞くと良いかもしれません。
2件目:サイトには書いていない危険サインが3つあった
2件目は、1件目よりも築年数が数年古く、駅からも少し離れるため、価格はやや下でした。
リノベーション済ですぐに入居可能という点が魅力的だったのと、1件目よりやや広いということもあり、選択肢には入ってくるかもと考えていました。
ですが実際は、1件目の評価をさらに上げる結果にしかなりませんでした。
気になった点は次の3つです。
- エレベーターが目的の階まで直通しておらず、最後は階段になる。その物件は上の方の階なのですが、こういう謎の設計で不便極まりないです。サイトの物件情報だけを見ると「エレベーターあり」としか書いてないので、これは怖いなと感じました
- 同じ建物内で売りに出ている戸数が異様に多い。②で書いた懸念事項そのものです
- 修繕積立金が近隣相場の約2倍。住民が少なかったり、将来の修繕費が高額になる見込みがある場合は、修繕積立金が高くなる傾向にあります。売り出し戸数の多さとも関係があるかもしれません
とりあえず危ないポイントが多かったため、ここは無いなという確認ができて良かったです。
一方で、リノベーション済ということもあり内装は新築かと思うくらい綺麗でした。
内装はリフォームでどうにでもなる、という点が勉強になった1件でした。
内見後の打ち合わせ
2件目の内見が終わったタイミングで、不動産屋の方と簡単な打ち合わせがありました。
どのような物件を探しているか、予算はどれくらいかなど、細かい点についてです。
これくらいの物件であれば月の返済額はどれくらいになるか等、簡易的ではありますが資金計画表の作成をしてもらいました。
僕がイメージしていた額と大きな差は無かったので、そのあたりのすり合わせができて良かったです。
第1希望の物件については、内見を案内してくれた不動産屋が専属専任媒介の業者(売主の窓口が1社のみ)だったので、引き合い情報はすべて不動産屋が把握している状態でした。
ほかに数人が内見を終えているものの、まだ他の物件も見ている段階なので、すぐに決まる状況ではないとのことでした。
正直なところ、この場で購入申し込みしても良かったのですが、一度持ち帰ってから改めて連絡が欲しいとのことだったので、言われたとおりにしました。
ひょっとすると、勢いで購入すると言った客に撤回されるなどして痛い目に遭っているのかもしれません。
玄関からすべての部屋を、一筆書きするように動画で撮影しておくことをお勧めします。設備や引き出しの中など一通り撮っておくと、後から見返すことができ、リフォームする箇所のイメージがしやすくなります。
④住宅ローンをどう組んだか
家に帰ってから改めて夫婦で話し合いましたが、特に問題ないということで、1件目のマンションに購入申し込みを行うことになりました。
ただし「購入申し込み」は、法的には何の権利も持たない状態です。
この後の「売買契約」に進んで、初めて法的に効力のある約束になります。
そして売買契約の前に重要な準備があります。
それは住宅ローンの事前審査です。
住宅ローンには事前審査と本審査がありますが、売買契約の段階で必要なのは事前審査です(本審査には売買契約書などが必要となるため、契約後にしかできません)。
逆に言えば、事前審査が通らなければ売買契約に進めないので、それまでは本当の意味での客ではないとも言えます。
ここで僕が決めたことは3つあります。
判断1:自分で手続きするか、仲介に代行してもらうか
結論から言うと、僕は自分で手続きを行いました。
理由は、自分が納得できる金利の銀行を使いたかったのと、いい経験になるので自分でやってみたかったからです。
銀行とのやり取りが面倒、手間だという場合は、仲介に一任することもできます。
ただしその場合は、仲介が提携している銀行を利用することになるはずなので、必ずしも買主に有利な条件とは限りません。
また、代行手数料が高額になる可能性もあります(下の補足参照)。
とはいえ、書類集めや諸々の調整が苦手だという人は、代行してもらうのも手だと思います。
判断2:どこまで借りるか
借りる範囲の一般的なパターンは、以下のように分けられると思います。
- A.購入代金の一部のみ借りる
- B.購入代金の全額を借りる
- C.購入代金の全額+諸費用を借りる
- D.購入代金の全額+諸費用+リフォーム費用を借りる
僕はCのパターンでしたが、基本的にはBかCをお勧めしたいかなと思います。
何故かというと、リフォーム費用は確定させるのに時間が掛かり、スケジュールがカツカツになりがちだからです。
売買契約を結んだあとに業者に立ち会ってもらい、リフォーム内容を決め、金額を確定させて、ようやく借入額が決まります。
物件の引渡日が来るまでは自分のものではないので、業者と一緒に何度も見に来ることはできません。
限られた回数の下見でリフォーム内容を確定させなければならないので、じっくり決めたい人には難しいかもしれません。
また、そもそもリフォーム代金はローンに含められない銀行も少なくありません。
判断3:事前審査はいくらで、何行に出すか
金額については、ざっくりですが購入代金の10%増しをベースに事前審査を通しておくと良いかと思います。
つまり物件価格が3000万円であれば3300万円、5000万円であれば5500万円ほどです。
事前審査の金額は仮の金額ですが、後から増やすことは難しい場合があるため、少し多めに見積もっておくのが基本となります。
銀行については、金利が安い某ネット銀行の事前審査を利用しました。
そこに加え、仲介会社のアドバイスもあり、ほかの銀行も2つほど事前審査を行いました。
結果的に複数の事前審査をあらかじめ通しておくことで、後々のスケジュールがスムーズに進み、非常に助かりました。
このあたりの顛末は後編で書きます。
なお、事前審査でも信用情報機関への照会が入ることが多く、その記録は半年ほど残ります。
短期間に何行も申し込むと審査で警戒されることがあると言われているので、手当たり次第に出すのは避けた方が無難だと思います。僕の場合は結果的に3行でした。
「購入代金」は物件価格と同義ですが、「諸費用」は購入に伴う費用のことで、具体的には不動産会社への仲介手数料、銀行への借入事務手数料、火災保険料、登記関連費用、固定資産税などの清算金です。
仲介手数料は(400万円以上の売買の場合)3%+6万円と法律で上限が決まっていますが、ローン代行の手数料はその規制の対象外なので、業者によっては利益が多く載せられている場合があります。
⑤売買契約で押さえたこと
事前審査が通れば、次は売買契約です。
売主と買主が同席して契約する形ではなく、不動産会社が間に入る形式がほとんどなので、基本的には不動産会社の事務所に行って契約を結びます。
訪問すると契約内容に関する説明と、それに伴う重要事項説明がなされます。
この説明は宅建業者に法律で義務付けられているものなので、よくわからなくてもしっかり聞くことが重要です。
僕は宅建士ですが、物件を購入した経験はありません。
そして、宅建士ということを業者に伝えてもメリットは無いので、何も知らないふりをして説明を受けました。
(自分も宅建士だと明かした場合、相手の説明が雑になる可能性がありますし、そもそも僕は実務経験と知識がないので、一般人と同様に扱ってもらった方が都合が良いのです)
売買契約で押さえておくべき点は、手付金とローン特約の2点だと思います。
手付金は売買代金の一部を先に支払うもので、これによって法的に保護される立場となります。
ローン特約は、一定の期間内にどこの銀行でも本審査が通らなかった場合、無条件に契約を解除できるという買主保護の特約です。
契約を結んだものの、どこの銀行もお金を貸してくれないとなれば家を購入することはできませんので、そういった場合に手付金も含めて返ってくる仕組みです。
つまり契約後の第一目標は、どこかの銀行で本審査の承認をもらうことです。
ここを目指して買主が動いていくことになります。
(仮に不動産会社にローン手続きの代行を依頼しているのであれば、必要書類だけしっかり集めることに専念できます)
終わりに
ここまでが、買うと決めてから売買契約を結ぶまでの話です。
振り返ってみて、やってよかったと思うことは次の3つです。
- 学区を絶対条件に固定したことで、候補が絞られて決断が早くなった
- 決め打ちでも2件目を内見したことで、1件目の評価が定まり、危ない物件の特徴も分かった
- 事前審査を複数の銀行で通しておいたことで、その後のスケジュールに余裕ができた
後編では、ローン本審査(ネット銀行に落ちて都市銀行で借りた話)、ローン契約で決めたこと、決済当日、リフォームと引っ越し、住んでみてどうかまで書いています。