スクウェア・エニックスによるアドベンチャーゲーム『パラノマサイト FILE38 伊勢人魚物語』の紹介記事です。
食べれば不老不死になれると言われる人魚を巡って、三重県伊勢市を舞台に物語が展開されていきます。
前作『本所七不思議』のホラーテイスト溢れる雰囲気から「青春群像伝奇ミステリー」へと大きく転換しつつも、シリーズ特有の「らしさ」が十分に感じられる作品です。
クリア時間は約12時間でした。
ゲーム概要

実家がある伊勢湾の亀島に帰ってきた水口勇佐(みなくち・ゆうざ)は、とある目的のため海に潜ろうとします。
親友の雲居アザミ(くもい・あざみ)の協力を得て、素潜り漁にチャレンジするのですが、そこで不思議な体験をすることになります。

ゲームを始めると、いきなり素潜り漁のミニゲームが始まります。
アドベンチャーゲームをイメージしていたプレイヤーは虚を突かれたかもしれませんが、とりあえず色々回ってみましょう。
ミニゲームの難易度は高くないのでご安心を。

基本的には文章を進めていくことで進行していく本作ですが、シーンによっては画面内の気になる所をクリックして進めていくこともあります。
画面内の色々なところをチェックしましょう。

そのほか、マップ画面で別の場所に移動することもあります。
行ってみて何も起きない場合でも、他の場所のイベントを起こした後に何か発生する場合があります。

本作は群像劇ということで、シナリオは複数人の主人公に分かれています。
本編を読み進めたり条件を満たしていくことで、新たなチャプターが開放されていきます。
各チャプターは時系列に沿って並んでいるので、いつの出来事なのか一目瞭然です。
開放されていくチャプターは、必ずしも時系列通りではないので、後から過去の内容が出現するということも多いです。

作品中で登場した一部用語は、メニュー内の資料から参照できます。
ゲーム中の謎解きに必要な情報が多く隠されているので、一定のタイミングで目を通しておくといいでしょう。
感想(ネタバレ無し)
無事最後までクリアできました。
途中、攻略で詰まったところは1か所あり、そこはネットで調べて解決しました。
前作をプレイしていない人にとっては、第四の壁を越えるような盲点となる謎解きが多く出現し、難しく感じることがあったかもしれません。
その分、自分で謎が解けたときの喜びは大きかったように感じます。
トゥルーエンドまでのプレイ時間は約12時間でした。
短すぎず長すぎずといった印象で、一気にプレイしてしまえるボリューム感でした。
複数の主人公の視点からゲームを進めていきますが、伏線の張り方が巧妙で面白かったです。
後から出現した過去のシナリオを読むと、同じシーンでも受ける印象がだいぶ変わります。
探偵物のアドベンチャーのようにだんだん核心に迫っていくという面白さと、どんでん返しで認識がひっくり返る面白さの両方が楽しめました。


Googleのストリートビューより
前作と違い、本作は海沿いの開けた場所が多いので、グラフィックの美しさに目が惹かれました。
実在する場所が多く、360度パノラマビューで視点をぐりぐり動かしていると、ゲーム内の世界がリアルに感じられ没入感が深まりました。
登場人物については、深く語るとネタバレになってしまうので、ここではあまり話せません。
しかし、各主人公たちは基本的に相棒が一人おり、バディものの形式になっています。
ほとんどのシーンで誰かと一緒に行動しているので、心細くなることは少なく、前作のようなホラーテイストはかなり薄まっていると思います。
公式のジャンル名からホラーという文言が取れているので、ここは意識的に変えているのでしょう。
さて、ネタバレ無しの感想では、表面的なことしか語れないので、うまく魅力を伝えられなかったかもしれません。
しかし前作をプレイした人であれば、間違いなくお勧めできる面白さだと思います。
前作をプレイしていない人であっても、十分お勧めできる内容です。
価格的にもお手ごろなので、ぜひプレイしてみてはいかがでしょうか。
感想 スクショを添えて(ネタバレ有り)
この項目は、ネタバレが盛りだくさんです。
プレイする前に閲覧すると、本作の面白さを大きく損ねる可能性があるためご注意ください。

自分が住んでいるところと近いと、感情移入しやすくなりますよね。
実在する場所が舞台だと、プチ旅行している気分になります。

いきなり始まった素潜り漁ですが、多くの人がとりあえず能力値をMAXまで育てたのではないでしょうか(そんなことはないか?)。
素潜り自体ちょっと面白かったので、結構没頭してしまいました。

実際獲得した数に応じてテキスト差分が多く用意されているのは嬉しいですね。
僕は125個でしたが、やり込み勢とかは「え……65535個だけど」とか表示されるのでしょうか。
カンストまで検証するやり込み勢が出現しそう。

双奴くんは基本キリっとしてカッコいいですが、色々な表情があって可愛いですよね。
怒った顔は結構迫力がありますし、微笑んでる顔のキツネ目も味があって好きです。

カッコいいだけではなく、ちゃんと有能で強いのも良いですよね。

ツユさんのとぼけた感じ、勇佐のお祖母ちゃんらしくて良い味出してます。

これも先ほどと同じような差分ポイント。
ポイントが高いと、ドヤっている顔に見えてきて笑ってしまいそうになります。

本作のキャラクターの口元はかなり特徴的に動くのでついつい注目してしまいます。
どことなく、漫画『ろくでなしBLUES』等でおなじみの森田まさのり先生の描く人物の口元と共通するこだわりを感じました。
※森田先生の場合は、セリフの最後の音を発した唇の形で書いているらしいです。

登場時はクールな感じに見えましたが、中身は日本大好き女の子でほっこりしました。
アヴィが保護者というよりも、アヴィの保護者のような印象です。

一周目のこの辺りの急展開はびっくりしましたね。
亀島の惨劇のエンディングに到達するまでが、前作の序章のようなものなのかなと感じてます。

今作でも登場するとは思っていなかった呪詛球が登場して驚きました。
条件はチートというほどではありませんが、自分で相手を突き落としさえすれば満たせるので、やはり強い。

染河ですら呆れさせるアヴィの壊れたラジオっぷりが良かったです。
根っからのコミックリリーフという感じで、彼が死んでしまうバッドエンドでも何故かギャグに見えてしまいました(申し訳ない)。

こんな選択肢あったら選びますよね。
気持ちいいです。

最初は何とも思っていなかったですが、斬撃の条件が判明した後に改めて読んでるとゾッとします。
個人的にですが、本作で一番狂気じみていると思うのは菊子です。

全然ピンと来ていませんでしたが、5回死んで蘇るところを目撃していると言われたら、もうこの人しかいないか、ということで無事指名できました。
開発者のインタビューでも言っていましたが、今作は答えが外れてもけなさず、当てたらしっかり褒めるという点を意識したそうです。

前作のような呪詛バトルはちょっと面白かったです。
何となくというだけで、鏡だけでなく名刺も捨てられ、条件が満たせなくなった菊子が可哀想。
何となくという理由でライターを捨てられた前作のあの人を思い出します。

キルケの「気付いてないんだ…」みたいな表情がじわじわきます。

ここの選択肢を出す方法がなかなか分からなかったため、結構な時間を費やしました。
本作で唯一、攻略サイトのお世話になった箇所です。

最初に海女レベルを稼いでいる人であれば、多くの人が何となく解き放っていそう。
変なものの封印を解いてしまうかもしれないと、ちょっと嫌な予感がしたのですが、結果的には手間が省けて良かったです。

ずっと過去のことにこだわり続けていた知重と、現代の文化に馴染んで新たな人生を生きようとしている里とが対照的でした。
里は記憶が薄れていたということもあるでしょうが、たとえ過去の記憶があったとしても、やはりこのような結末になったような気がします。

プレイヤーはいつだって褒められると嬉しいのです。
単純かもしれませんが、ちゃんと褒めてくれるゲームは好きになっちゃいます。
(現実世界で承認欲求が満たされていないのかもしれない)

異常者みたいな扱いをされているアヴィに笑いました。

人魚と会える場所はそこそこ考え込んでしまいました。
ここかもしれないと思いながら半信半疑でクリックしていたら、くるりとこちらを向いて話しかけてくるのはギョっとしました。人魚だけに。

アヴィ好きなので、これがベストエンドのような気がしました。
さすがロマン齎し綴り主

アザミは良いヤツ過ぎて逆に疑っていた時期がありましたが、本当にただの良いヤツでした。
長生きしてほしいですね。
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