守備固めをするべきか否か 2018年中日ドラゴンズの戦い方から考える

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プロ野球を観戦していて、最近疑問に思ったことがあります。
それは、試合後半でリードしているときの「守備固め」についてです。
今回は、守備固めをするべきかどうかを考えてみようと思います。

守備固めとは

プロ野球における守備固めとは、主にリード時に、打撃能力が高いが守備能力が低い選手を、守備能力が高い選手に交代することを指します。
特に試合の後半、得点可能性よりも失点防止が優先される場合になされることが多いです。

タイミングとしては、本日最後の打席になるであろう交代予定選手が出塁した際に、その代走で交代し、代走した選手がそのまま守備につくというパターンが典型的です。
その選手が出塁しなかった場合は、次の守りの回で交代になる場合も多いです。
また、最後のイニングになるであろう回に、抑えの投手の登板と共に守備固めが行われることもあります。

 

守備固めのメリット・デメリット

守備固めをすることのメリットは、もちろん守備力が向上することにあります。
試合終盤のリード時は、打つことの重要性が相対的に低くなります。
そうなれば、守備があまり上手くない選手を上手い選手に交代させることで、失点の可能性を減らすことが出来ます。
また、守備固めのために交代させられれば、元々出ていた選手の疲労軽減にも繋がります。

逆にデメリットと言えば、もし同点に追いつかれて延長戦に入った際、守備固めの選手が打順に入っているという点です。
守備固めの選手は打てないからこそ、守備固め要因としてベンチに入っています。
これで打てるのであれば、普通はスタメンです。
そのような打てない選手が打順に混じってしまうことで、攻撃の切れ目になり、チームの得点能力は低下してしまいます。

 

考察

疑問に思ったきっかけは、2018年の中日ドラゴンズの試合を観戦していたときのことです。
中日は、1点差のリードという状況で、レフトのアルモンテ選手を終盤、藤井選手に交代させていました。
5番打者のアルモンテ選手はよく打つ選手ですが、足は速くなく、守備は上手いほうではありません。
守備交代した藤井選手は、俊足で守備範囲も広い選手でした。

守備固めでアルモンテと藤井を交代させましたが、その後投手が打ち込まれて同点にされ、延長戦に突入しました。
そもそも中継ぎに不安があれば、守備固めした程度では失点を防ぐことは難しいです。
その後、中日はチャンスを作り攻めますが、5番に藤井を入れていた穴を突かれ、4番に申告敬遠されるなどして、上手く逃げられてしまいました。
結果論と言えばそれまでですが、このようなシーンは2018年シーズンでよく見られます。

昔の落合監督時代のドラゴンズは、強力な投手陣と守備陣で1点を守りきる野球を実行していました。
しかし、それは強力な中継ぎ投手陣が居てこそできる戦略です。
今の中日ドラゴンズは、先発はそこそこ・打線は強力・中継ぎは崩壊という状況です。
このような状況では、1点を守り勝つ野球ではなく、打ち勝つ野球でないと勝ちきることは難しいでしょう。
(ナゴヤドームという打者不利な本拠地とは相性が悪い戦略ですが・・・)

さらに言うならば、守備固めをするといっても、せいぜい2,3ポジションだけの話です。
そのポジションに打球が飛ばなければ効果はありませんし、1イニングだけの守備固めで、どれだけ影響があるか疑問です。
 

結論

結論として、守備固めをするべきか否かという点については、「中継ぎがしっかりしているチームであればするべき」だと思います。
中継ぎに不安を抱えるチームであるのなら、僅差の終盤で、安易に守備固めをするのはやめたほうが良いでしょう。

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