虐殺大陸 全年齢版(フリー・戦略シミュレーション)紹介・感想・攻略メモ

ゲーム
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フリーの戦略シミュレーションゲーム「虐殺大陸」についての記事です。
本作品は、「虐殺大陸 完全版」の体験版であり、全年齢版という位置づけになっています。
(完全版は成人向けの作品であり、かなりグロテスクで残酷な表現があります)
体験版といっても、本編は最後まで遊べるのでご安心ください。
僕は、過剰な残酷描写やグロテスクな表現は苦手なのですが、本作は純粋にストーリーとゲーム部分が面白く、熱中度も高くて面白かったです。
国取りシミュレーション系はやれることが多すぎて取っつきにくい作品もありますが、本作は非常にシンプルにデザインされており、遊びやすいと感じます。

完全版のダウンロードはこちら(「DLsite.com」作品ページ)

(2020年5月時点で税込1760円です)

ゲーム概要

 

ストーリー


とある事件をきっかけに、大陸全土はお互いに戦争状態へと突入します。
プレイヤーが操作する国「ライトニングフォード王国」のセリア女王は、強引に立憲君主制の議会中心政治を廃し、絶対君主制の独裁政治を採用し、大陸制覇へ乗り出します。
セリアは王道のSRPGであれば、「コイツ絶対酷い目に遭う奴だろ・・・」というような、一見ワガママな小娘に見えます。
彼女が残酷な為政者でしかないのか、はたまた国を真に愛して行動する者なのか、プレイヤーがストーリーを進めて判断するといいでしょう。

全体マップ

基本的には、オーソドックスな国取りゲームの要領で、資源を使って自国を増強しつつ、敵国の領土を奪っていきます。
マップ上では、敵部隊の移動や、その舞台の規模などが一目でわかるようになっています。
リアルタイムで時間が経過していきますが、ポーズすることによって、ゆっくりと次の戦略を練ることが出来ます。
この画面では、部隊の移動と、損害を受けた部隊の兵補充が行えます。
また時間の経過によって、占領地域に応じ3種類の資源を自動的に獲得していきます。

こういったタイプのゲームでは、このマップ画面で色々なことが出来すぎ、非常に大変な場合があります。
しかし本作は、この画面で出来ることはかなり限られているので、非常にシンプルでわかりやすいと感じます。
難易度もゲーム中に自由に変更できるので、慣れていないプレーヤーでも安心です。

内政画面


マップ右上の時計が一周すると内政画面に移ります。
色々書いてありますが、やれることはシンプルなので身構えなくても大丈夫です。

:国勢情報
他国の国力や兵力を確認できます。
全体マップ画面でも見られる情報はありますが、他国の保有資源の推定量はここだけでしか見られません。

:指揮官戦線復帰・軍事訓練
各種資源を消費して、やられてしまった指揮官を復帰させます。
また、資源の「人材」を利用して、指揮官のレベルを上げることができます。

:城情報・増強
資源の「鉄鋼」を消費して、拠点のレベルを上げます。
拠点のレベルが上がると、攻められたときの地形効果や獲得できる資源が上がります。

:指揮官任命
各種資源を消費して、指揮官を増員します。
歩兵、槍兵など様々なクラスがあり、交戦時には相性がとても重要です。
特定の拠点を占領することで、任命時の消費資源がグッと下がるイベントが起きたりします。

交戦


敵の拠点に攻め込むか敵と遭遇すると、交戦画面へ移行します。
交戦画面では、まず味方の部隊を配置することから始まります。
真ん中より右の縦5マス×横3マスに、自由に配置することができます。
配置できる部隊数は10部隊までで、それ以上配置することはできません。
大部隊で行動していれば、次のターンで傷ついた部隊と控えの部隊を交代することができるので、部隊の損傷を抑えつつ、またフルメンバーで攻撃することが出来ます。


配置を終えたら、次は攻撃対象の選択に移ります。
クラスによって相性があったり、距離が離れることで攻撃力が下がってしまう場合もあります。
敵の配置と相性を考えながら、攻撃対象を選んでいきましょう。
攻撃の順番は、敏捷によって決まります。

敏捷は大変重要なパラメーターです。
極端な話、こちらが先に攻撃を仕掛けて相手の数を減らしてしまえれば、敵からの攻撃の被害も少なくなります。
敏捷の高い部隊で、まず相手のどの部隊の数を減らすかがカギとなります。


攻撃対象を決定すれば、攻撃順が画面に表示され、その順番に攻撃していきます。
指揮官には基本的に10人の兵士が随行しており、攻撃対象には全員で攻撃を仕掛けます。
したがって兵士の数が少なければ、与えられる合計のダメージも少なくなるので注意が必要です。

兵士の数が減ると、その分一人当たりが受けるダメージも多くなります。
そのため、人数が減ってしまった部隊は、早めに下がらせるか、控えと交代させることが大事です。
兵士の補充はそれほど資源を消費しませんが、指揮官の戦線復帰には、そこそこの資源が必要になってきます。
敵の総ダメージを増やしつつ、味方の総ダメージを減らすことが重要です。

感想(ネタバレあり)

まず1週目をクリアしました。
無事大陸を統一して、今後を感じさせる終わり方でした。
セリアの事件は、たぶん自らに神性を付与するために行った自作自演のパフォーマンスだろうと、個人的には解釈しています。
何にせよ、容赦ないストーリー展開で面白かったです。

最初は「通常」でプレイしていましたが、とりあえずゲームのコツを掴むためにと、中盤からだいぶ難易度を下げてプレイしました。
それでも、油断をしていると部隊が崩されてしまうことがあり、かなり良いゲームバランスだなと感じました。
自分なりの戦術パターンを確立していくまでは手探りでしたが、何となく形になってきたように思います。
2周目では、できるだけ通常難易度で攻略していこうと思っています。


過激で残虐なシーンに目を奪われてしまいがちですが、政治の手段としての戦争の描かれ方については、なかなかの見所があります。
特にセリアのアバウトな命令に対して、エマが現実的な対応に落とし込む部分は面白いです。


このやり取りが一番笑ったかもしれません。
「さすがのわたくしでも」と自覚があるあたりはさすがセリア様です。


苦戦した相手としては、イザベラの硬さです。
ほぼ戦闘のカタがついた段階での登場ですが、ほとんどの攻撃のダメージを1に抑えてきました。
全部隊の攻撃を集中させて倒せましたが、一人で集中砲火を浴びるさまは壮絶でした。

後半、交戦でお互いの部隊数が多くなると、たまにゲームが落ちてしまうことがありました。(80対50とかの大規模な交戦)
PCのスペックなどにもよると思いますが、大きな戦闘の前には一度セーブしておき、起動し直すと良いかもしれません。
激戦の末、敵のリーダーが出現した際に落ちてしまったこともあったので、そうなると悲しいので注意しましょう。
(追記:2019年8月15日)
システム設定から、「指揮官立ち絵表示」を軽量化表示にしたり、「波表現」をなしに変更することで、挙動が安定する場合もあるとのことです。

 

 

1週目のプレイ後の評価です。

プレイ時間に関しては、ゲームをつけっぱなしの時間があるため、実際はもっと短いと思います。
途中から難易度はかなり下げたため、経過週数や死傷者が少ないのは当然でしょう。
残余資源量や城レベルに関しては、後半はもう上げる必要がなかったため、それほど高い評価ではありませんでした。

 

2周目は、難易度を「通常」に固定して、なるべく早めの進軍を心がけてプレイしました。

「残存」の評価が悪いですが、目標にしていた難易度通常で、そこそこのスピードでクリアできたので、非常に満足です。

攻略順はガンドヴァール⇒ケイクリッジ⇒シルフィーヌ⇒(ミリタ市)⇒(黒雲の塔)⇒ユングリオ⇒ラドゴッサルです。
ケイクリッジ攻略後からシルフィーヌ攻略前後までが、非常に大変でした。
ミリタ市や黒雲の塔からガンドヴァールに定期的に敵が侵攻してくるため、そちらの防衛をしつつ、ケイクリッジ方面から北上し、シルフィーヌを狙う感じでした。
ガンドヴァールの防衛は、ゴス北のT字路に部隊を配置したり、敵の目的地が分かった時点で少数部隊で足止めしつつ、拠点に防衛戦力を集結させるなど工夫をして、少ない戦力で守りきりました。

シルフィーヌやミリタ市、黒雲の塔は、うまいこと敵同士が潰し合ったタイミングや、侵攻部隊が出撃した隙をついたりして、なんとか占領しました。
敵の城レベルが高いとダメージが全然通らないので、相性の良いクラスを連れていくのはもちろん、セリアとエマを積極的に参加させることが必要でした。
また、ライトニングフォードは人材資源が豊富なので、積極的に部隊のレベルを上げていき、高レベル部隊を侵攻軍に固めると効率が良いと感じました。
最前線以外の城レベルを上げる際は、中盤までに不足しがちな鉄鋼と人材を重視していくと良いと思います。

攻略メモ

序盤の戦略

序盤は思うように戦力を揃えられないことも多いですが、早めに領地を確保して、収入を上げていきたいところです。
槍兵や魔術師は序盤は必要マナが大きく、戦線復帰させるにもコストが大きいので、序盤は歩兵と弓兵を中心に編成するのが無難だと思います。

指揮官がやられてしまうと、復活させるのに資源が必要ですし、戦力ダウンになってしまいます。
特に槍兵や魔術師は復帰のコストも高めなので注意しましょう。
基本戦略は、「敵よりも大きな戦力で攻め込み、消耗した部隊は控えとこまめに入れ替えて壊滅を防ぐ」ということです。
ランチェスター第一法則にあるように、少数で多数に勝つのは極めて難しい作品です。
相性と地形効果を最大限に発揮できる組み合わせなら、何とかなるかもしれませんが・・・

なお、セリアやエマが負傷すると、全部隊に大きな補正効果のマイナスが掛かります。

万が一ということがあるので、なるべく戦闘には参加させないようにした方が良いです。
ただし、内政ターンが近づいているならすぐに復活させられるので、そういう場合は動員するのもアリでしょう。
セリアとエマは兵士が指揮官並みにタフなので、戦力としては確かに優秀です。

交戦のテクニック

具体的な戦術についてですが、基本的には相性の良い部隊を配置し、補正効果が高くなるように攻撃対象を決めていくことが大事です。
つまり、相手に与える総ダメージが多くなるように攻撃対象を選んでいくということです。
その交戦で勝ちに行くのであれば、壊滅状態の敵部隊にきっちりトドメを刺しに行くより、まだ損傷がない敵部隊と交戦させた方が良いです。

勝ち切れない場合に敵の損傷が少なくなるリスクはありますが、戦闘の後半に、相手が消耗した部隊を出さざるを得ないようになってくれば、勝ちが見えてきます。
敵AIはどちらかというと、こちらの部隊にトドメを刺しに来る傾向があるので、敢えて捨て駒を配置して、他の部隊の被害を抑えるのも有効です。

ただし、削ることが目的の交戦であれば、敵の指揮官の数を減らした方が相手は戦力を復帰させにくいので、1部隊ずつ壊滅させに行った方が良いです。
野戦の場合も同様で、相手に指揮官が残っていても、その場ですぐには兵を補充できないため、最大ダメージを狙っていくと良いでしょう。

・ポイント
その戦闘で決着をつけに行く場合⇒総ダメージが多くなるように攻撃する
その拠点の戦力を削ることが目的⇒その部隊を壊滅させられるように攻撃する

弓兵を活用する

序盤はなかなか都合よく、相性の良い部隊を用意できないと思います。
例えば、相手の騎兵に対して槍兵を配置したいのに、こちらに槍兵がいない場合です。
そのような場合は弓兵を利用して、苦手な相手の戦力を減らしてしまいましょう。
弓兵は敏捷が高く、他のクラスと比べて早く行動できることが多いです。

相性が悪い敵部隊に対してこちらの弓部隊で集中攻撃を行い、相手の行動前に人数を削っておくと少し楽です。
とはいえ、相手の兵士の人数を削るためには弓で2~3部隊ほど攻撃を集中させなければいけないので、苦手な相手が多いと手が回りません。
やはり事前に指揮官情報を確認し、相性の良い部隊を連れていけるようにしっかりと戦力の準備をすることが大事です。


例えば画像のように、騎兵が1部隊だけポツンといる場合は、こちらの弓兵2~3部隊分の攻撃を集中させれば、最前線の歩兵の被害を抑えられます。
ただ、弓兵は相手の最後列にいる魔術師2部隊分も攻撃したいので、騎兵が複数いると手が回らずキツイです。


極端な場合ですが、相手のほとんどが騎兵なので、こちらの最前列は槍兵で固めます。
こちらの槍兵が苦手とする敵の歩兵などに対して、弓兵で攻撃を集中させて排除してやれば、こちらの槍兵を守ることができます。

最終的には、最前線に魔神兵5部隊、最後列に弓兵を5部隊並べるのが一番楽だと思います。
弓兵で相手の部隊の魔術師(魔神兵の弱点)を叩き、魔神兵は目の前の敵を攻撃していれば、そうそう負けません。
サンシオン城を手に入れられれば魔神兵のコストがグッと下がるので、ここを手に入れるのを最優先するのも面白いと思います。
こういう部隊編成ができるようになるまで、序盤~中盤をどのように凌いでいくかが考えどころであり、やりくりの面白いところです。

レベル差について

戦いは数が重要ですが、兵の質も大事です。
なかなか攻め落とせない拠点がある場合は、レベルの高い部隊を集めて編成しましょう。
鍛えた弓兵の部隊であれば、1回の攻撃で低レベルな敵の弓兵・魔術師部隊であれば、ほぼ壊滅できます。
先制攻撃で敵の後衛を壊滅させられれば、それだけでこちらの被害は抜群に減ります。
高レベルの弓兵は固めて運用することで、グッと強力になります。

相手国は、終盤でも部隊のレベルがそれほど高くないので、時間が経てばこちらの方が相対的に有利になります。
レベルの低い部隊は防衛用に拠点に残しておき、自動戦闘で鍛えましょう。

防衛について

占領した拠点は今後、敵に狙われることになります。
籠城してもそれなりに強いのですが、お勧めは騎兵と弓兵を中心にした部隊を、街道の交差点に配置しておくことです。

複数の経路の交差点となるポイントは多いので、その位置を押さえれば、防衛力の集中をさせやすいです。
さらに街道では騎兵と弓兵に地形効果のポイントが付くので、相性が同程度なら有利に戦えます。
街道で防ぎきれずに、後方の拠点に撤退することになっても、こちらは拠点で再度兵の補充が出来ます(指揮官さえやられていなければ)。
街道での戦いは足止めにもなりますし、メリットが多いので、こうした二段階防衛は積極的に活用していくと良いと思います。
二段階防衛を使えば、よほどクラスに偏りがない限り、こちらの1.5倍くらいの数までなら抑えられるかなという印象です。

あと、他の拠点から守りたい拠点に増援が到着するまでの時間稼ぎをしたい場合は、1部隊でいいので、敵部隊にぶつけてやると進軍スピードを遅らせることが出来ます。

交戦開始から即撤退でも遅らせられるので、足止め用に、拠点には2部隊駐留させておきたいところです。
どうしようもない場合は、一度拠点を放棄するのも手です。
敵がこちらのどの拠点を狙っているか分からない場合は、2拠点の間に戦力を駐留させておき、向かってきた方向を確認してから拠点に入場するのも便利です。

そのほか、本ブログで紹介しているゲームをまとめた記事はこちらです。
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