ですげぇむはお好きデスか!?(フリー・アドベンチャー)紹介・感想

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冬紀さまによるRPGツクールMV製のフリーアドベンチャーゲーム『ですげぇむはお好きデスか!?』の紹介記事です。
以前の作品『ですげぇむのお時間デス!』が楽しかったので、今回もプレイさせていただきました。
流血表現などショッキングな演出があるので、苦手な方はご注意ください。

プレイ時間は約2時間でした(最後のおまけ部屋解放まで)。

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フリーゲーム夢現

ゲーム概要(ネタバレ無し)

親友を事故で失った少年・叶多(カナタ)は、怪しい占い師から怪しげな人形を買わされたことで、願いをかなえる悪魔のデスゲームに強制参加させられます。
その空間では、同じような経緯で集められた少年たちが他に3人いました。
願いを叶えられるのは1人だけですが、ゲームへの参加が本意でない叶多は、全員生存を目指して奮闘します。
果たして4人は無事に脱出できるのでしょうか、それとも…

 

ゲームは、基本的には一本道のアドベンチャーです。
途中、探索や謎解き、ちょっとしたアクションパートがあります。
難易度は高くありませんが、失敗が即ゲームオーバーに繋がることが多いため緊張感があります。
ゲーム冒頭でも説明があるように、こまめにセーブをして進めていくのが安全でしょう。

 


カイジリスペクト(かどうかはわかりませんが)の鉄骨渡り

ミニゲームの前には説明がなされるので、ちゃんと読みましょう。
謎解きについても同様で、すべてヒントが用意されているため、大きく迷うことは少ないと思います。
多くのオブジェクトは調べることで何らかの情報が得られるので、調べられるものはできるだけ調べましょう。

感想(ネタバレ無し)

Happy End、True End共に辿り着いてクリアました。
難易度は高くないので、スムーズに見られると思います。
ストーリー内容に触れると、どれもネタバレになってしまいそうで怖いので、この項目では当たり障りのない感想に終始してしまうと思います。

可愛いらしい少年たちが酷い目に遭うのは心が痛みますが、そんなことは分かってプレイしているので問題はありません。
キャラクター一人一人の掘り下げも多すぎず少なすぎず、ちょうど良い塩梅だと感じました。

UIやグラフィックは凝られていて、特に印象的な場面では、イベント絵やボイスが挿入されています。
子供のキャラにボイスを付けるのは難しいと思うのですが、声優の方々がみんな上手なので、違和感を感じさせず凄いなと感じました。
全体的にデザイン周りがリッチな印象を受けたので、かなり費用と手間がかかっているだろうなと思います(野暮な推測ですが)。

2時間ほどでサクッとクリアできる良質なアドベンチャーゲームなので、興味を持った人はプレイしてみてはどうでしょうか。

感想・スクショを添えて(ネタバレ注意)

さて、ここからはネタバレを考慮せず、スクショなども添えて書いていこうと思います。
プレイ前に読まないことを推奨します。

最初にプレイした際は、道路が通れないのは単にイベント設定の都合かなと思っていました。
しかし後から見返すと、親友があんな事故に遭った後だからこそなのかなと思います。
叶多が普段から品行方正という描写でもあるのかなと思います。

 

本編と全然関係ないですが、背景素材で気になるパロディ名が多くて、ついつい注目してしまいました。
松屋→梅屋とか、BOOK OFF→BOOK ONなど、サイゼリヤ→サイゼリアンなど、ついつい笑ってしまいます。

 

このお面は…と戦慄しましたが、前作との直接的なつながりはなさそうなので、本シリーズのゲームマスターの象徴のようなものなのでしょう。
一見すると可愛らしいお面ですが、そこはことない不気味さを感じてしまいます。

 

細かい点ですが、十夜がいることによる負担が、プレイヤーにとっても感じられる演出です。
ストーリー上での設定とゲームの設定をちゃんとリンクさせることは、プレイヤーに違和感を感じさせにくくする工夫だと思います。

 

他のキャラは簡単に回答できる謎掛けでしたが、美智にとっては巧妙な罠でした。
自らの願いと密接にかかわる謎掛けなので、正しく回答することが難しいというのがアキの嫌らしいところです。

 

自分が得意なバスケだからこそ、一番遠い距離を買って出たのでしょうか。
もちろん、叶多たちへの借りを返すという意味合いもあるのでしょう。
しかし心の中の動揺をアキに揺さぶられ、結果が出る前の段階で失敗となってしまいました。
どこかスッキリした表情に見えるのは、またやり直しても失敗するかもしれないという自分の弱さを認めたからなのかもしれません。
自分は頑張れなかったけど、お前たちは頑張れよ、というニュアンスに感じられました。

 

4人のうち誰が願いを叶えたとしても、最終的には後味の悪い結果になっただろうと思います。
良心の呵責に耐えかねて、幸せとは程遠い結果になることは、アキも見通していたことでしょう。

 

個人的には、Happy Endの終わり方は、起きた現象としてはハッピーなのかもしれません。
事故で死んだ親友が生き返ったのですから、客観的にはめでたしめでたしでしょう。
実際はアキが昴に成り代わっていたのだとしても、それを叶多が知り得ないのであれば、本物であるかどうかは特に問題ではありません。
ただ、他の3人の命を引き換えにした事実が叶多を苛むと思うので、あまりハッピーとは思いませんでした。

 

色々なことが得意な叶多ですが、音痴というのは可愛いですね。
音痴さが文字のフォントで表現されていて良かったです。

 

これが結論だと思います。
自己犠牲によって誰かを助けても、助られた側はずっと引っかかりを感じるでしょう。
救った側の自己満足に過ぎないのかもしれません。
そして他人を犠牲にして自分が生き残ったとしても、普通の精神性であれば、罪悪感を感じ苦しむことになるのではと思います。

 

ずっと4人をおちょくっていたアキですが、このシーンだけは唯一ムッとした感情が出ていたように感じられました。
半分少年で半分少女のようなデザインが、悪魔の二面性が感じられます。

 

失ったものと得たものを比較するなら、全く見合わないものなのかもしれません。
ただ、心に深い傷を負っている彼らにしてみれば、15年を手放したとしても、共に戦った仲間を失いたくないという気持ちが強かったのでしょう。
これをエンドと捉えるならハッピーではないかもしれませんが、まだ続いていく彼らの人生を考えれば、早めに前を向くことができて良かったのかなと思います。
彼らがとりあえず納得しているのなら、ハッピーエンドということにしましょう。

 

今回、叶多は昴の復活を強く望んだわけでもないのにデスゲームに巻き込まれて、とても災難だなと感じました。
契約を重視するのが悪魔であるのなら、同意していない契約であることを最初に強く主張すれば逃れられたのかもしれません。
ただ、みんな心の底で「本当に願いが叶うのなら…」という思いがあったはずなので、なし崩し的にゲームに乗ってしまったのかなと思います。
もちろん、アキもそのあたりのことを見越した上で標的にしているのでしょう。

 

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