漫画「金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿」(船津紳平)紹介・感想

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「これは、偶然居合わせた名探偵の孫にトリックを暴かれてしまった犯人たちの、綿密な計画と実行の記録である」・・・
という冒頭の一文から始まる、漫画「金田一少年の事件簿」の外伝作品です。
トリックを仕掛ける側の苦労や、本編の突っ込みなど、思わず笑ってしまうこと間違いなしです。
当然、犯人が誰なのかというネタバレありきの作品なので、ネタバレが嫌な人は注意しましょう。

作品紹介

殺人事件を計画し、トリックの準備や実行をしようとする犯人の、苦労や不幸を描いたギャグ漫画です。
本編の作風に似せて描かれているため、登場人物は本編そっくりです。
シリアスな本編とは打って変わり、犯人が自分自身に突っ込む点が、非常に面白い作品です。
本編を読んだことがない人でも、十分楽しめるように描かれています。

毎回毎回、苦労してトリックの下準備を終えた犯人が、「このトリックならバレる訳がない。名探偵でも現れない限り・・・な」と、フラグを立てるシーンがお約束です。

推理漫画における探偵役が、どれだけ厄介で面倒な存在なのか、とても実感できます。

感想

犯人たちのツッコミに、思わず笑ってしまう作品でした。
金田一少年によって推理されたトリックではありますが、実際にそれを実行している場面を描写すると、コミカルになるのは面白いです。
使われたトリックを科学的に検証しているわけではありませんが、一昔前に流行った「空想科学読本」的な面白さがあります。
さらっと推理されたトリックでも、実際に実行しようとすると、こんなに苦労するんだな、という犯人への同情が芽生えます。

特に「金田一少年の事件簿」では、各エピソードの犯人には「オペラ座の怪人」や「放課後の魔術師」などといった犯人名が与えられます。
シリアスな本編ではサマになっているように見えましたが、ノリノリで演じるのが恥ずかしい犯人側の気持ちにも共感しました。
本編の不気味でシリアスな雰囲気が大好きな人、そしてそれを茶化すような作品が嫌いな方は、読まない方が良いでしょう。

気になる点としては、ツッコミどころが段々と似たり寄ったりになってくるので、新鮮さを感じるのは1,2巻だけでした。
犯人が自分自身のトリックや犯行にツッコミを入れるパターンはそれほどバリエーションがないので、これは仕方ない点かなと思います。

本編を読んだことがない人でも、本作品を読むと、ついつい読みたくなってしまうかもしれません。

犯人を知ってしまっても読みたくなってしまうというのは、面白い現象だと思います。
旬を過ぎてしまったミステリ漫画も、同じような外伝を作れば、また売れ始めるかもしれないなと思いました。

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