PRECIOUS -なぜショウは神に挑んだのか-(フリー・見るゲ)紹介・感想

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「VIPRPG 2021夏の陣」に投稿された「見るゲ」です。
プレイしたきっかけは、Twitter上で投稿されていた感想を見かけたことです。
特に「なぜショウは神に挑んだのか」というタイトルが、邦訳した外国映画のようで格好良く感じて興味を持ちました。
クリア時間は約3時間でした。

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ゲーム概要(ネタバレ無し)

「PRECIOUS -なぜショウは神に挑んだのか-」は、「VIPRPG 2007 夏祭り」で公開された「PRECIOUS~護るべきモノ~」をリメイクした作品とのことです。

破壊神アレスに殺された青年が異世界に転生するところから、物語は始まります。
今までの経緯や記憶は思い出せず、転生する際に名付けられた「ショウ」(見世物)という名だけが、うっすらと頭の中に残っています。
 
目覚めた先の森で、ショウは魔物の少女ハーナスと、彼女を襲うザンニンニンと遭遇します。
邪悪な存在を許せないショウは、そこでザンニンニンと交戦してハーナスを助けます。
辛くも撃退に成功するショウでしたが、なんやかんやで意識を失い、魔王城へ運ばれることになります。
魔王城に住む者たちは文字通りバカばかりでしたが、「正義という存在」であろうとするショウよりも、自分に正直に生きている者達ばかりでした。
ショウは彼らと交流し、時には刃を重ね合わせながら段々と影響を受けていきます。
そんな中、かつてショウを殺した破壊神アレスも同じ世界に来ていることが判明します。
アレスに協力する謎の組織と、魔王城の面との戦いは見ごたえがあります。
本作の戦闘シーンはスピーディさを重視しており、目が離せない殺陣が続きます。
転生後のショウは、魔王城での生活で何を得られたのでしょうか。
そして、かつて自分が負けた相手・アレスにショウは勝つことができるのでしょうか。
本作は、死人だったショウが自らのしょうを獲得するためのshowショウだと言えるでしょう。

感想(ネタバレ有り)

最後まで楽しくPIAIさせていただきました。
(リメイク前の「PRECIOUS~護るべきモノ~」は遊んでいません)
異世界転生ものではありますが、巷に溢れているように主人公が無双する作品ではありません。
転生しても最強ではありませんし、記憶が失われていても過去の因縁から逃れることはできませんでした。
本作は、主人公のショウが苦しみながらも、自分の新たな生を見つけるまでが描かれている作品だったと思います。
 
破壊神アレスを倒す役割として育てられていたショウは、転生して記憶を失いながらもその役割を果たそうとします。
しかしその役割は自分自身が望んだことではなく、育てられる過程で与えられた役割です。
自分自身のものではない与えられた目的というのをドラゴナスにも見透かされ「戦う姿が生きてない。」と言われてしまいます。
 
そんなショウが魔王城で、好き勝手に生きている者達を見て、少しずつ影響を受けていきます。
魔王城のメンバーたちはバカばかりに見えますが、正直にやりたいことをやっている結果、そのように見えるのでしょう。
何も考えずにバカをやっているわけではなく、バカを貫き通す覚悟を持ってやっているように見えました。
ショウが段々変わっていったのは、スプレンディドやブラックサンダーとの戦いを通して、負けて悔しい気持ちを味わったからだと思います。
序盤では正義執行マシーンとして「戦い=悪い奴を殺すこと」という行動原理で戦っていたことを考えると大きな変化だと思います。
想像するに、ショウは元々戦い自体は好きだったのだと思います。
育ての親から目的のために戦闘技術を仕込まれたのだとしても、ボールに魔法を楽しそうに込めていたり、機転の利いた攻撃を行うさまは、とても楽しそうに見えました。
 
ショウが神に挑んだ理由は、オープニングとラストでは変わっています。
オープニングでは単なる与えられた役割だから挑んでいるのに対し、ラストでは自分自身に芽生えた正直な気持ち(おそらく負けて悔しいというシンプルな気持ち)が理由になっています。
この辺りの展開は熱く、アレックスとの戦いが一番盛り上がる場面だと感じました。
主人公より強いキャラがゴロゴロいる作品は好きです。
 
ラスト付近で、ハーナスから神に挑んだ理由を聞かれたショウが答えるシーンは、少し唐突な感じがしました。
ハーナスは初登場時、確かにヒロインになるのかなと思わせるポジションでした。
しかしその後ハーナスとショウが関わる機会は少なく、反対に他のキャラの存在感はますます増していきました。
ハーナスとの関係がそれほど強くなっていない中で、ショウがハーナスに答えた理由は、少し格好をつけた軽いものに感じられてしまいました。
 
さて、ストーリーについての感想はこれくらいにしておき、戦闘アニメについて感想を書いていきます。
本作の戦闘シーンは、かなりテンポが速いスピーディーなものです。
どのような攻防が行われているのか、初見では分かりにくい箇所はあります。
しかし、いちいち説明するセリフを差し挟んではテンポが悪くなってしまうので、これは良かったと思います。
キャラの個性を反映した戦闘アニメは見ているだけで楽しく、想像を掻き立てられる内容でした。
特にムシャと偽ムシャの戦いは、「動」が多い他の戦闘と違い、「静」の戦いを描写しており、見ていて面白かったです。
 
ギャグに関しては、キャラごとにお約束の持ちネタがある感じで、安心して楽しめました。
序盤でショウが魔王城を案内してもらう際、ミノタウロスがずっと付きまといながら色々なバリエーションの被害妄想をまくしたてていたのは吹き出してしまいました。
スプレンディドがスプペイで支払っている話もおそらく嘘だと思うのですが、本人の知らないところで既成事実と化していく様子が笑えてしまいます。
 
3時間ほどの作品なので、一気にプレイするには少しボリュームがあります。
しかしそれでものめり込んでしまうほどの面白さを持った作品だったと感じました。
 
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