子どもたちの国 -Magic Children-(フリー・見るゲ)紹介・感想

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前書き

「VIPRPG 2021紅白」で公開された、たんち氏による見るゲ「子どもたちの国 -Magic Children-」の感想記事です。
本作は、RPGツクール2003steamで作成された一本道の見るゲです。
プレイのきっかけは、Twitter上の感想ツイートを見て面白そうだと感じたからです。
盛り上がるクライマックスに向けて丁寧に日常を描いていき、一気に心を揺さぶってくる作品です。

全10話で構成されており、クリア時間は約5時間ほどでした。

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VIPRPG紅白2021(作品番号7)

紹介・感想(ネタバレ無し)

ゼウスパークと呼ばれる魔法具現化達の住む国が舞台の作品です。
周辺国との緊張状態により外部と隔絶されている状況の中、最強のオスを目指して旅立とうとするスパークⅠを中心に話が進行していきます。
スパークⅠが国を出ると、ちょうど古巣へと戻って来た五冠戦闘家・ブラックサンダーと出会います。
強引に弟子入りを懇願しつつブラックサンダーについていき、そのままゼウスパークに即出戻ることになります。
時を同じくして五冠戦闘家・スプレンディドもゼウスパークに戻ってきており、何か大きなことが起きそうな予感を抱かせます。

夏の終わりから初冬までの約4か月を描いた、子供たちの国・ゼウスパークでの物語です。
一枚絵を上手くゲーム画面にはめ込んでおり、プレイヤーをノスタルジックな気持ちにさせます。

序盤~中盤はゼウスパークでの子供たち向けの行事を通して、この国の在り方や登場人物を掘り下げていきます。
登場キャラクターは多いですが、VIPRPGを多くプレイしている人にとっては見知った顔ばかりなので、おそらく支障はあまりないでしょう。
僕はVIPRPGを数作しかプレイしていないですが、特別説明が不足していると感じることはなく、「このキャラはこういう性格なんだな」と受け入れながら楽しんでいくことができました。
VIPRPGを知っていることを前提とした作りではなく、知らない人でも楽しめるように映画のような作りになっていると感じます。
ただし、一から十までをすべて懇切丁寧に説明しているわけではないので、プレイヤー側にもある程度行間を読むことが求められます。

クリア後にもう一度最初からプレイすることで気付く伏線が多くあり、作品の構成力の高さを感じさせられることでしょう。

「見るゲ」の特徴である人形劇(殺陣)の数は序盤こそ少なめですが、後半では怒涛の勢いで展開されていきます。
どのような攻防が繰り広げられているか一目では分かりにくいシーンであっても、テンポを損なわないように解説が差し挟まれます。

終盤は涙腺を刺激する場面が多く、僕自身、涙が出てくることが多かったです。
序盤~中盤の日常シーンが丁寧に描かれていた結果と言えるでしょう。
笑いあり、涙あり、恋あり、バトルありの、全方位で楽しめる作品でした。

感想(ネタバレ有り)

この項目では、ネタバレ有りの感想を書いています。
プレイ前の人が読むと楽しさを損ねる危険があるためご注意ください。

「子供たちの国」は、全部で10のエピソードから構成されています。
第1話では、ゼウスパークが置かれた状況が描写されつつ、ブラックサンダーが帰ってきたことに焦点が当てられています。
起承転結で言うところの「起」と言えるでしょう。

そして第2話~第6話では、寺での掃除、キャンプ、ハロウィンなどのイベントを通して、子供たちの日常を描いています。
起承転結で言えば「承」でしょう。
ただしその合間合間に洗脳的な教育を施しているのが垣間見られ、穏やかながらもどこか不安を覚えるような場面が描かれます。
子供たち同士で交流している場面では穏やかな気持ちで見られるのですが、座主サイドの信仰の教えが絡んでくると漠然と違和感を覚えました。
しかし僕自身、子供たちの掛け合いシーンが面白いために、その違和感を深堀りせずにプレイしていました。
作中のブラックサンダーやスプレンディドと同じように、疑念を抱きつつも確信が持てないという心持ちだったと思います。

そして第7話では楽しい雰囲気から一転し、ブリーチのお葬式です。
起承転結での「承」と「転」を繋ぐ役割を果たしているのではないでしょうか。
楽しい子供たちの時間が終わりを告げ、大人たちの論理に支配される時間が近づいているような気持でした。
自分の思い通りにやっていこうとしていたスパークⅠが、「死」という思い通りにならないことに直面して成長した場面だと思います。

絵にかいたような悪ガキという印象のスパークⅠでしたが、自分なりに親友の死を受け入れて前向きに振舞おうとしている様子が印象的でした。
魔法具現化という存在である彼らは、見た目が子供であっても、死というものをもとから本能的に理解しているのかもしれません。

そして第9話は、起承転結で言う「転」です。
すべては座主によって破滅的な戦争が起きるように仕組まれていたことが明らかになり、プレイヤーに大きな衝撃を与えます。
なぜこんなことをしたのかはっきりとは語りませんでしたが、戦闘家が強さを追い求めるのと同じように、座主一人で世界に影響を与えられることを楽しんでいるようなことを言っていた気がします(うろ覚え)。
作中最強クラスのブラックサンダーとスプレンディドを手玉に取る戦闘描写は、座主の規格外の強さを印象付けていました。

座主は二人に絆を作らせて弱みを作ろうとしましたが、結局はその絆が二人を勝利へと導きました。
単独で最強たりえる座主にとっては、そう考えるのも無理のないことでしょう。
序盤から丁寧に描写されてきた日常パートが、9話目に大きく生きてきていると感じました。

9話では、それまで子供たちの遊び場として描写されてきた秘密基地や鉄塔などが戦いの場となりました。
子供たちの国という(ある意味では危うい)ユートピアが、戦争により一気に崩壊していくのが印象的でした。

9話では多くのキャラクターの戦闘シーンや死が遠慮なく描かれ、とても見ごたえがありました。
1~8話をプレイしている際は、日常描写が中心なので少し中だるみのように感じてしまうこともありました。
しかしクリア後に思い起こしてみると、9話のインパクトを大きくするために、日常を丁寧に描くことは必要なことだったのだと思いました。
もし序盤で物足りないと感じたとしても9話で大興奮するはずなので、最後までプレイして欲しいなと祈っています。

印象的なシーンとしては、スパークⅠがライトⅢを倒すシーンです。
最強を目指すスパイチではありますが、やはり実力はそれほど伴っておりません。
主人公ポジションと言えども強さ補正はあまりなく、たくさんの仲間の力を借りてようやくギリギリ倒せる程度でした。
主人公だからといって、戦闘で優遇しないところがリアルで良かったと感じます。
そのほか、偽ムシャ&ザンニンニンの戦いや、寺社で保護している者の助命を乞うシーン、金の玉がどんどん受け渡されていくシーンなどが強く印象に残っています。

お気に入りのキャラはリリア公です。
かなりの実力を感じさせる戦闘描写のうえに、六冠戦闘家という称号までついています。
五冠であるブラックサンダーとスプレンディドより格上というオーラが漂っており、カッコよかったです。
9話では、ほとんどのキャラに見せ場があってカッコいいため、これ以上「〇〇がカッコよかった」と書き連ねていくのは野暮でしょう。
とにかく喜怒哀楽の色々な感情を揺さぶられる、とても面白い作品でした。

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