R.P.G. of Classical Music -Piano Hikitaro’s Memory-(フリー・RPG)紹介・感想・攻略メモ

ゲーム
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昔から、僕の実家にはクラシックのアルバム集などが多く、クラシックを耳にする機会が多くありました。
テンポが速く激しいクラシック曲を聴きながら、子供心に「この曲、戦闘の曲に使えそうだな」などと思ったりしていました。

そして大人になった今、クラシック曲をふんだんに使った本作「R.P.G. of Classical Music -Piano Hikitaro’s Memory-」を目にして「これはプレイしければ」と思い、プレイしました。
クリア時間は約5時間の、短~中編RPGです。

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第12回 WOLF RPG エディターコンテスト作品ページ
(エントリー番号は83です)

ゲーム概要


主人公である「敵皆 倒子」(てきみな とうこ)が、幼馴染である「日亜野 弾太朗」(ぴあの ひきたろう)の家を訪ねる所から物語は始まります。
弾太朗はピアノが趣味なのですが、なぜか今まで弾けていた曲が、曲として認識できずに弾けなくなる現象に悩まされていました。
弾太朗の心の中に入り、ピアノが弾けなくなってしまった原因を探す、というのがゲームの目的です。


メルヘンチックなストーリーとは裏腹に、主人公の倒子は、全てを力で解決しようとする暴力的な人物です。
本作品の面白さの一つとして、破天荒な倒子の言動が挙げられます。
なぜ他人の心の中に入ることができるのかとか、そういった細かいことは考えてはいけません。


本作は主に、街での準備と、ダンジョン攻略で構成されています。
街では、次のダンジョンの攻略のヒントを教えてもらったり、店で買い物をしたりできます。
NPCに話しかけることで、アイテムや経験値などを貰えたりするので、話しかける楽しみがあります。


戦闘は、基本的に1対1で戦います(一部例外アリ)。
素早さが高い側から行動を開始していく、オーソドックスなコマンドバトルです。

敵との戦闘の際は、クラシック曲がBGMとして流れ、そのタイトルと作者が画面上部に表示されます。
有名な曲も一部ありますが、一般的には知名度が高くない曲も多く、なかなか面白いです。


特徴的な戦闘システムとして、独特な属性の設定があります。
ゲーム序盤でしっかりと説明されますし、それほど複雑ではありません。
敵を倒していくには、有効打を与えられるような属性攻撃を行い、有利に戦闘を運んでいくことが重要となります。


そのため、本作では戦闘時に使うためのアイテムが非常に多いです。
各属性攻撃を行うための「弾丸」をはじめとして、敵を状態異常にさせるアイテム、自分自身を強化するアイテムなどがあります。
多くは店で購入することが可能で、戦闘ではガンガンアイテムを使っていくことになります。

敵ごとに偏った特徴をもっているので、色々な敵に対応できるようにアイテムを購入し、準備しておくことが重要となります。
倒子のレベルが上がることで少しずつ強くなりますが、それよりはアイテムを有効活用することの方が、勝敗に強く関わってくると言えるでしょう。


なお、一度聞いた曲の多くは「弾太朗の記憶」に登録され、音楽の再生と解説を読むことができます。
普段クラシックを聴くことが少ない人にも親切な機能と言えます。

感想(ネタバレ無し)

クラシック曲ありきの作品かと思いましたが、戦闘自体もなかなか面白く、ついつい熱中してしまいました。
最初はアイテムをガンガン使うことに抵抗がありましたが、戦闘が軌道に乗ればお金も稼げるようになるので、お金というリソースを管理するゲームに近いプレイ感もありました。

ストーリーの本筋よりも、倒子とNPCのキレのあるギャグ会話や、暴力的な解決手段が面白かったです。
テキスト文が面白いですし、NPCに話しかけることで経験値やアイテムを入手できるため、隅々まで探索したくなりました。

エンカウント率は高めですが、逃げられるアイテムや、敵が現れなくなるアイテムがあるため、その辺りのストレスは少なめでした。
手強い敵も多いですが、オートセーブ機能もあるため、だいぶ前に戻ってやり直さなければいけないということもありません。
戦闘についても、力押しや搦め手など、色々な攻略法が可能なので、考えがいがあったと思います。

ただし一部、ヒントが少ない隠し通路のようなものがあるため、何度か詰まりかけてしまいました。
クリアを断念しようかと思いましたが、やはり先を見たい気持ちで、根気よく怪しいところを調べて、何とか進むことができました。
ファミコン時代のような少し難しい場所もありますが、総じて熱中度が高い作品だったと思います(僕がクラシックが好きという補正もありますが)。

攻略メモ(ネタバレ注意)

戦闘について

戦闘の基本は、4つの属性の弾をしっかり揃えておき、ガンガン使っていくことです。
敵に大きいダメージを与えることは、被ダメージを減らすことにつながり、回復アイテムやお金を節約することにもなります。
ダンジョンの探索開始直後はアイテムをたくさん費やさないと倒せない敵でも、レベルが上がれば、物理攻撃中心でも倒せるようになります。

ボスや強敵との戦いでかなり役立ったのは「哀・ポイズン弾」です。
属性はさておき、敵を毒状態にして、継続ダメージを与えられるのは非常に大きいです。
数ターンで毒は切れますが、こちらから攻撃をしなくてもダメージを与えられるので、こちらはその間に色々できます。
「平静の勾玉」の「瞑想」でHPを回復していれば、回復アイテムの節約もできます。

再生する敵に対して、与えるダメージが追いつかない場合にも、毒は有効です。
さらに、与えるダメージは少なくなりますが、攻撃と回復を同時に行える「楽・ドレイン弾」も便利です。

詰まったところ

戦闘以外で、先への進み方が分からず、断念しそうになったのは以下の2ポイントです。
どちらもしっかり調べれば発見できました。

・学者がいる街

除草剤を貰うために学者のところに行きたいのに、橋は塞がっているし、回り込める道はないし、どうしようと詰まりかけていました。
しかし街の北西のツボを割って進めるということを発見し、事なきを得ました。

・動く階段を降りたあと

階段を降りたものの、先へ進む道が特になく、ここ以外の場所もだいぶ調べ直しました。
結局は、画像の壁が破壊できるということを発見し、先へ進むことができました。

さらにその上のエリアも、同じく破壊して、先に進むことができました。
レバーの操作かなと思い、何度も行ったり来たりしていました。

使われている楽曲についての語り

作品中で使用されている楽曲について、個人的に思い入れがある曲に関して、勝手に語る項目です。
ゲーム内容とは特に関係ないため、ご注意ください。

ゲーム中で使用されている音源は、こちらのサイトで無料公開されているものです(ゲーム同梱のread meより)。

PianoZone

以下、曲名のリンクから、曲を聴けるページへジャンプします。
気になった曲は一つでも覚えて、クラシックに興味を持ってもらえれば幸いです。

アラベスク第1番

アラベスクといえば、ブルグミュラーを思い浮かべる人と、ドビュッシーを思い浮かべる人で、別れるのではないでしょうか。
ブルグミュラーのアラベスクは、初級レベルで弾くパターンが多い、ハッキリした分かりやすいイ短調の曲です。

本作で使われているアラベスクは、こちらのドビュッシー作曲の方です。
ドビュッシーは近現代音楽の始祖とも言える人で、古典的なルールから逸脱した、ふわふわして、明るいのか暗いのか、はっきりしない曲調が特徴的です。
イントロ後の、右手は3連符、左手は8分音符のクロスリズムが生み出す、カクカクしているような感じが、絡み合ったアラベスク文様を表現していると言われています。
僕の場合はこの曲を聴くといつも、静かな湖面に発生した波紋の伝播をイメージします。

水の戯れ

ラヴェルは、ドビュッシーより少し後の時代の人です。
一般にも良く知られている曲と言えば、本曲「水の戯れ」と「亡き王女のためのパヴァーヌ」でしょう。
本曲はタイトルの通り、水が跳ねたりキラキラ流れている様子が、余すところなく高音で滑らかに表現されています。
中盤で繰り返される、印象に残る東洋的なフレーズは、日本人である我々の心にどこか懐かしく感じさせます。

「2声のインヴェンション」より第13番

バッハは、クラシックの世界では古典派より古いバロック音楽時代の人です。
右手がメロディで左手が伴奏というより、右手がメロディ・左手は副メロディのような感じで、流れるように続いていく旋律が特徴的です。

本曲はバッハの曲集「2声のインヴェンション」の中の一曲です。
この曲集は、中級者が上級へ向けて練習する際によく使うもので、僕も昔練習しました。
バッハ・インヴェンションの難しいところは、今まで伴奏的な使い方が多かった左手を、右手と同じくらいのレベルでメロディを弾かなければいけないという点です。
確かに上級者レベルの曲は、右手も左手も同じくらい指が動かなければいけないものが多いので、この曲集で鍛えておく必要があるのでしょう。
この曲は、インヴェンションの中では、調号がやさしく、僕が好きなイ短調の曲でしたので、強く印象に残っている曲でした。

ピアノソナタ第14番「月光」第3楽章

ベートーヴェンの「月光」と言えば、名前くらいは聞いたことがある人も多いでしょう。
初代「バイオハザード」でも、ジルがゲーム中で第1楽章を演奏していたのを覚えています。
ただ、どんな曲なのかはあまり知らない人が多いのではないでしょうか。
確かに、代表的な第1楽章は、静かな和音のアルペジオに終始して、印象には残りにくい曲かもしれません。

しかし第3楽章は一転して激しく、狂おしい曲となります。
RPGで極限の状況での戦闘曲に使えるくらいの緊迫感を持った曲だと思います。
最近だと「℃-ute」の楽曲「夢幻クライマックス」にも部分的に引用されており、格好良く使われています。

クシコス・ポスト

誰でも一度は必ず聞いたことがある、いわゆる「運動会で流れるやつ」です。
速いテンポの曲なので、内容以上に難易度は高く感じられます。
作曲者のネッケは、この曲だけの一発屋というわけではないようですが、この曲以外はほとんど知られていないのが悲しいところです。
郵便馬車が慌ただしく駆けている様子がよく表現されています。

余談ですが、リストの「ハンガリー狂詩曲 第2番」にも、クシコス・ポストと同じメロディーが出てきます。
ネッケの方が時代的には後なので、大変人気があったハンガリー狂詩曲から引用したのかもしれません。
このメロディー自体、ハンガリーのジプシー民謡からの引用と言われているので、パクリかそうでないかは、それほど気にする必要はないでしょう。

山の魔王の宮殿にて

作曲者のグリーグは、ドビュッシーとほぼ同じ時代の人です。
成熟したロマン派の音楽から、新しいタイプの曲を模索しているように感じられます。
本曲はイプセンの戯曲「ペール・ギュント」のために作られた組曲の一つで、おどろおどろしい雰囲気がどんどん後半に向けて加速し、抑えきれなくなっていく様子が表現されています。

色々な楽曲に引用されることが多い不穏なフレーズが印象的です。
アニソンなどもよく作っている「ALI PROJECT」の楽曲「地獄の季節」でも、サビに思いっきり使われています。

8つのユーモレスク 第7曲

「新世界より」などで有名な作曲家、ドヴォルザークの曲です。
おそらく聞けば、多くの人が聞いたことがある、優美で穏やかな曲です。
ただし中盤の情熱的で激しい部分までは、聞いたことがある人は少ないかと思いますので、是非とも優美さの中にある熱情を味わって欲しいと思います。
原曲はピアノ曲ですが、ヴァイオリンとピアノによる協奏曲も素晴らしく、興味がある人はぜひ、動画などで聞いていただきたいです。

「超絶技巧練習曲集」より 第5曲「鬼火」

超絶技巧と呼ばれるレベルの技量が必要な曲を量産してきた作曲家フランツ・リストによるピアノ曲です。
リストと言えば「ラ・カンパネラ」が超有名ですが、超絶技巧練習曲の本曲「鬼火」や、「マゼッパ」なども有名です。
昔は子供心に、外国にも「鬼火」ってあるんだ、と思ったことを覚えています。
鬼火のゆらゆら揺れている様子が細かいメロディで表現されています。
楽譜を見ただけで、難易度のヤバさが伝わってくる曲です。

ジムノペディ 第1番

変わり者のエピソードも多いエリック・サティによる、有名な曲の一つです。
この曲は、色々なところで聞いたことがある人も多いと思います。
ゆったりとした物憂げなメロディーは、昼寝する際のヒーリングミュージックとしても使えます。
テンポが遅く、弾くのはそれほど難しくないので、何となく上手そうに見られたい初心者にもお勧めです。

そのほか、本ブログで紹介しているゲームをまとめた記事はこちらです。
本ブログで紹介しているゲーム系の記事まとめ

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