キャプテンもしも Ace(フリー・コマンド式サッカー)紹介・感想

ゲーム
この記事は約11分で読めます。

「VIPRPG紅白2024」にて公開されたRPGツクール2003製ゲーム『キャプテンもしもAce』の紹介記事です。
アクション性はほとんど要求されず、戦略・戦術・運で戦っていくサッカーバトルです。
以前公開されていた『キャプテンもしも』を正当に進化させた作品です。

ある程度限られたメンバーで勝ち抜いていくシナリオモードや、ランダムで加わるメンバーをうまくやりくりしていくローグライク的なモードなど、様々な楽しみ方があります。

これをすれば終わりというエンディングがあるわけではないですが、合計で20時間ほど遊んだ状態で記事を書いています。
ストーリーモード、トーナメントモードはクリア済みです。

ダウンロードはこちら

VIPRPG紅白2024

ゲーム概要

まずサッカーゲームというと、上手なアクションを要求されるスポーツゲームと思われるかもしれません。
しかし本作ではアクション性はほぼ要求されず、11人対11人で戦う合戦のようなシミュレーションRPGのようにイメージしやすいと思います。
(※守備時の特定のタイミングのみ、リアルタイムで操作する場面があります)

相手のゴールにより多くボールを入れるために、メンバーを決め、フォーメーションを決め、最適な人員を配置していきます。
敵を防ぐDF(ディフェンダー)、守備・ボール運び・攻撃と幅広く活躍するMF(ミッドフィールダー)、敵のゴールを狙うFW(フォワード)と、役目を決めていきます。

これはまさに、戦の準備をしているのとほぼ同じです。
誰に大将を狙わせ、誰で敵を引き付け、誰で守るのか、具体的な方針を考えて準備していきます。
自分の得意の攻撃パターンを押し付ける強引な作戦でいく人もいるでしょうし、敵の動きに対応した作戦でいく人もいるでしょう。
他にも、守備重視の布陣で敵の攻撃を凌いだ後、カウンターで一気に攻める手法もあり得ます。
逆に、守備は一切考えず、大勢のメンバーでゴールを攻めるという作戦もあるでしょう。

いずれにせよ自チームが相手より1点でも多く得点すれば勝利となるシンプルなゲームです。
自分の戦術が通用するように事前準備することがとても大事なポイントです。

 

実際の試合の流れを見てみましょう。
ボールを手にした操作キャラを方向キーで動かし、ボールを運んでいきます。
このとき、何も操作しなければ時間は流れません。
こちらが一歩進むと、全体の時間が進むようになっています。
どのようにボールを運んでいくか、じっくり考えることが出来ます。

プレイヤーはフィールド状況を真上から確認できます。
ボールマークが現在のボール位置で、白い数字が味方メンバー、敵ゴールは常に右側にあります(実際のサッカーは前半・後半で入れ替わる)。

点数を取るにはゴール近くでシュートを打つ必要があるため、どのようなルートで相手ゴールに近づいていくかが考え所です。
キックオフ直後は、お互いにフォーメーションがしっかりしているのでフィールドの余白がなく、ゴールまでのルートを作りにくいです。
そのため、こちらはパスを味方で回すなどして、敵の防衛ラインのほころびを作っていきます。

 

上の画像は、敵の間をパスで繋ぎ、中央付近でキープした状態です(ボールマークの場所)。
次は7番にパスし、右側にある敵ゴールを目指してドリブルして切り込みを狙います。
ちなみにオフサイドはありません。

パスのほか、味方が近くにいるときに使えるワンツー(共に前進する)、一人で突破を狙うドリブルなど、様々な攻め方があります。
しかし、いずれも敵が近くにいるときは妨害され成功/失敗の判定があるため、敵に取りつかれる前に早め早めのボール回しをすることが重要です。

 

7番が右側に進んでいくのと同時に、味方9番もゴール前に並走していきます。
ここで敵のマークが無く、フリーになっている9番にセンタリング(フィールドの端から、中央のゴール前にパスを上げること)を行い、ゴールを狙っていきます。

 

ゴール前の9番にボールを上げると、敵キーパーがシュートを妨害してきます。
このとき、近くに他の敵がいれば、その人数だけ妨害してくるので得点しにくくなります。
そのためゴールを狙うときは、周りに敵がいない状況を作り出すことが重要となります。

ここでは敵ゴールキーパーと1対1の状況なので、「シュート」を選びゴールを狙ってみます。
状況によっては、「スルー」を選び、後方の仲間にボールを託して、がら空きとなったゴールをフリーでシュートすることも狙えます。

 

キャラによっては、特定の状況下で必殺技が使えます。
攻撃であれば、ゴール前のセンタリングで高いボールのパスを受けたとき、低いボールを受けたとき等で、守備であればドリブルしてきた敵を止めようとするとき等です。
必殺技は強力ですが、ガッツ(体力のようなもの)を大きく使用するので、ここぞというときに使うと良いでしょう。

このあと、シュートに対して敵キーパーがボールを防ごうと飛びついたり、ゴールを守る必殺技を使用したりします。
それらの防御を潜り抜けていくと、ようやく得点できます。
敵の守備を掻い潜って、がら空きとなったゴールにボールを叩きこむのは非常に快感です。

 

得点までの流れは、ざっくりこんな感じです。
次に、守りについて紹介します。

敵がボールを持っている際は、こちらは自由に動いて守備を行えます。
黄色いキャラが操作キャラなので、方向キーで適切な動きを取り、敵の攻撃を妨害します。
このときだけはリアルタイムであり、何も操作せずにいても他のキャラはどんどん動いていくので注意しましょう。
操作キャラはボタン操作により切り替えられますが、大抵は最適なキャラに自動で割り当てられるのでそれほど問題はないでしょう。

 

ボールを持っている敵と接触すると、守備に関するコマンドが入力できます。
パスやシュートに有効なカットや、ドリブルに有効なタックル・デュエルなどがあります。
敵の行動を予測して、どの守備行動をとるべきなのか判断しましょう。

複数の味方で接触できれば、1人はドリブルに備えてタックル、もう1人はパスに備えてカットということも可能です。
守備をする際は、複数で当たるとボールを奪いやすくなります。

 

カットを選んだところ、読み通り敵はパスを行いました。
しかし予測が正しくても、必ずボールを奪えるわけではありません。
相手のパス能力やこちらのカット能力などにより成功率は変動します。
上記の場合、パスの勢いが弱まったので、もう一人くらいカットに入れたのならボールを奪えるでしょう。

パスのコース上や、パス相手付近に味方がいる場合、全員がボールをカットしようと試みるため、パスコースを塞ぐような位置取りをすることで奪いやすくなります。

ざっくりですが、守備はこのような形で進んでいきます。

 

敵からボールを奪えば、今度はこちらが攻める番です。
自陣に守備のため戻っていた味方を、チームコマンド「みんなあがれ」で敵ゴールの方向へ走らせ、カウンター狙いで攻める道筋を作っていきます。
慎重に攻めていきたい場合は、こういったチームコマンドを使わず、確実に繋がるパス回しで、フォーメーションを整えていくのが良いでしょう。
この辺りはプレイヤーの好みを反映させられます。

このようにシームレスな攻守を繰り返していき、時間内により多くの点を取ることが目的です。
負けた場合でも経験値が入り、レベルアップすればメンバーの能力が上昇します。
ゲームモードにもよりますが、何度もチャレンジすればいつかは勝利できると思います。

 

次はゲームモードについての簡単な紹介です。

まずはストーリーモードです。
段階的にゲームに慣れていけるような内容となっています。
物語の進行によってメンバーはほぼ固定ですが、終盤に向かうにつれて倒した相手チームのメンバーを組み入れられるようになるなど、自由度が増していきます。
とりあえず最初はこれをプレーするとよいでしょう。

レガシーモードは、前作のストーリーモードが収録されています。
ストーリーモードの前日譚となりますが、プレイしなくても問題はないとのことです。
気になる人は、ストーリーモードの1つとしてプレイしてみるのも良いでしょう。

 

おまけモードは3つのモードが選択できます。

トーナメントモードは初期メンバーを3人選び、ランダムな対戦相手と戦って勝ち抜いていくモードです。
勝利時にはお金が獲得でき、そのお金を使って新メンバーを雇い入れたり、アイテムを買ってチームを強くしていきます。
負けても経験値を得て再挑戦可能です。
相手やショップの品揃えがランダムなので、ゆるいローグライク的なプレイ感で楽しめます。

ファクトリーモードは、こちらの初期メンバーも相手もランダムなモードです。
勝利後相手チームと3人メンバーを入れ替えることができますが、加えられるメンバーはランダムなので運の要素が大きいです。
試合後のガッツ回復もないため、よりシビアなトーナメントモードと言えるでしょう。

 

アドベンチャーモードは、試合パートとアドベンチャーパートを交互に繰り返してチームを強化していくモードです。
アドベンチャーパートは通常のRPGのような感じですが、一度倒されたメンバーは二度と生き返らないなど、緊張感があります。
イベントが豊富でやり込み要素は多いモードです。

 

最後は、エディットモードです。
オリジナル選手や必殺技をエディットできるほか、ストーリーモードまで作成できてしまいます。
創作欲を刺激されたプレイヤーの方は、ぜひ作ってデータを配布してみてはいかがでしょうか。

以下、公開されているエディットストーリーを貼っていきます。
普段使わないメンバーを使いこなす必要があるのが、エディットストーリーの楽しいところです。

 

エディットストーリー ※見つけたら随時更新

アイスさんがサッカー把握祭り 【作者:89(追憶)】様
ダウンロードはこちら

作者様のnote記事

 

序盤からメンバーが充実し、ある程度余裕をもって戦えます。
しかし最後の1戦は難易度が高く、これまでの試合が前座に過ぎないことを分からせられます。

最終戦は、ガッツが尽きたスタメンを控えとチェンジしつつ、総力戦で勝利しました。
1点リードの後半戦終わり間際に、ネオアレックスから放たれた同点シュートを、デュラハンが奇跡のカウンターシュートで跳ね返して加点し、勝利を決定づけました。

 

フォース・フォース! 【作者:あそはや】様

プレイ中

ダウンロードはこちら

uploader.jp

 

スーパーもしもシスターズ 【作者:あそはや】様
ダウンロードはこちら

uploader.jp

初期フォーメーションから色々いじって、個人的に好きなVフォーメーションで最後まで戦いました。
左右のサイドどちらとも関わる重要なセンターに強いメンバーを配置しました。

ちくわ大明神は、ゴール前に2人以上置き、1人目にパスしてスルーしてからのシュートをすれば結構決まります。
最終戦手前の塩沢妹は強力なので、MF3人でマークして、徹底的にボールを回さないよう心掛けました。

 

ドラドラドラRPG 番外編 【作者:あまてん海老】様
ダウンロードはこちら

Googleドライブ

名前のあるメンバーが少なめなので、編成に悩むことはありませんでした。
ホッカイ以外は必殺技のシュートを持っているので、ドラゴナス・スカドラ・なすーん・ドラゴンをFWにして得点を狙っていくと良いでしょう。
相手もネームドメンバーは少なめなので、強いポイントは限定的です。
相手は気にせず、こちらの強みである攻撃に力を入れて攻めていくと良いでしょう。

 

感想

熱中度が高く、とても楽しく遊べました。
元ネタとなったとされるキャプテン翼のゲームは知らないのですが、FF10でのブリッツボールが結構好きだったので、それがこんなにガッツリ遊べるのが嬉しかったです。

サッカーゲームは全然プレイしたことが無かったのですが、本作ではアクション的な操作を強く求められるわけではないので、すんなり入り込むことができました。
キックオフ時、敵の布陣に対してどのように攻めていこうかと考えるのは、SRPGと重なる部分があるように思います。

 

敵に取りつかれると行動が妨害されるので、早め早めのパスや、空いたスペースを狙ってドリブルしていく重要性がよく理解できました。
この辺りは現実のサッカーの試合でも通じる部分があると思うので、今後は興味をもって観戦できる気がします(ワールドカップ時だけ観戦するにわかファンです)。

自陣のゴールを何とか守ったあと、ロングパスで前方にボールを送り、がら空きとなった敵ゴールに必殺技で叩き込むと、千載一遇のチャンスをなんとかモノにできた感じがして、大きな興奮と達成感が得られました。

ある程度、こちら側の得点パターンが固まってくると、いかにそのパターンに持ち込むかの戦いとなり、攻撃がワンパターン化していく傾向はあります。
しかし本当に強いチームというのは、どんな相手であってもこちらの得点パターンを押し付けることができるチームだと思います。
そのため、ワンパターンの戦法でずっと勝ち続けられるチームを作り上げられたのなら、それは一種の完成形であると考えられます。

トーナメントモードなどのランダム要素が大きめのモードで、戦力をやりくりして勝ち上がっていくというのも、また違った面白さがあって楽しいです。
汎用メンバー(スライムなど)を、名前有りのメンバーに入れ替えていき、最初の人材難から配置を考慮できるレベルにまで人員が増えてくると、編成が面白くなってきます。

アドベンチャーモードはRPGパートがややシビアで、倒されるとロストしてしまう点が大変なので、あまりプレイはしませんでした。

色々と書きましたが、サッカーに特別興味がない人でも楽しめる作品だと思います。
闇雲にゴリ押しすることは難しいですが、自分なりの戦術を少しずつ固めていくのが好きな人はハマる作品だと思います。

そのほか、本ブログで紹介しているゲームをまとめた記事はこちらです。
本ブログで紹介しているゲーム系の記事まとめ
ゲーム

コメント