Sky And Earth(フリー・RPG)紹介・感想・攻略メモ

ゲーム
この記事は約28分で読めます。

まむ氏による、RPGツクールMV製の長編RPG「Sky And Earth」の紹介記事です。
ボーイ・ミーツ・ガールな導入で始まるものの、爽やかさと殺伐さが同居する独特な雰囲気を感じさせられた作品でした。
システム周りや戦闘が快適で、ストレスが少ない作りになっており、ストーリーを先に進めたい欲求に応え、サクサク進められる作りとなっています。

クリア時間は約65時間でした(サブイベント全消化&本編クリア)。

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ゲーム概要

突如出現した「ゴグマ」という怪物が蔓延る世界のストーリーです。
人類は、ゴグマから逃れて空へ逃げて行った天上人と、ゴグマと戦い続けなければいけない地上人とに分かれていました。
故郷の村で孤立しながらゴグマ退治を続ける主人公・リクディオと、天空から落ちてきた少女・ソラハリアが出会う所から、壮大な物語が動き出します。

 

本作はオーソドックスなRPGです。
ただ、メニュー画面からも分かるように「あらすじ」・「用語辞典」・「エネミー図鑑」など、作品中のことを調べる方法が多く用意されています。
ゲームが進むと特に地名が増えてくるので、あの街はどこの大陸だったっけというとき、調べるのに役立ちます。

 

メニュー項目の内容については、大体は直感的に内容が分かると思います。
その中で、説明が必要なのは「メモリースキル」についてでしょうか。
これは何かというと、装備することで属性耐性やステータスを上昇させるアクセサリのようなものです。
イベントや宝箱から入手したり、敵を倒して入手できる「ゼル」を集め、お店で作ってもらったりできるものです。
一つ一つの効果はそれほど大きくありませんが、装備スロットの数が多いので、似た効果のものを重ねると大きな効果を発揮します(同一のメモリースキルは重複装備不可です)。

 

そのほか、メニュー画面にある「魔境情報」というのは、ストーリーとは関係ない寄り道ダンジョンのことです。
町などの住民にダンジョンの情報を聞くことで、フィールド上に出現します。
強力なボス等がいることもありますが、サブイベントや貴重なアイテムがあるので、出来ればこなしていきたいものです。
本編のストーリー背景に深みを与えるイベントが多いですが、後から攻略することも可能なので、とりあえず後回しにしてしまうことは自由です。

 

「サブイベント」は、現在発生可能な小イベントのリストが閲覧できます。
新たな街に訪問する際に更新され、どこに行けば発生するかがわかります。
期間限定の場合は明記されているので、コンプリートを目指している場合は注意しましょう。
貴重なアイテムがもらえたり、新たなスキルを習得できるものが多いので、出来るだけこなしていくと良いでしょう。

 

戦闘はシンボルエンカウント式です。
フィールド上を動き回る敵と接触することで戦闘に突入します。
近くを通ろうとすると戦闘は避けにくいですが、1マス空けてダッシュすれば、容易に戦闘を回避できる程度です。
こちらがナナメ移動している際は接触判定がないため、戦闘を回避するのは比較的容易です。
(ただし障害物にぶつかって止まっている場合は、ナナメ入力していても戦闘になります)

 

戦闘は、ターン制のコマンドバトルです。
敏捷が高いキャラクターから順に行動していきます。

敵の弱点を狙っていくことで大きなダメージを与えることができるのはもちろんで、そのほか、敵に弱点を付与していく技も多く存在します。
敵の弱点を突ける技を持つキャラクターが唯一の回復役で攻撃に手を割きにくい場合などは、他のキャラで弱点を突けるように弱点を付与していくという戦略が大事になってきます。

そのほかにも、TPが100まで溜まると発動できる「バウンズブレイク」というパワーアップ状態や、バウンズブレイク中に発動することでスキルが連鎖していく奥義など、色々なシステムが存在します。
ストーリーが進むことで追加されるシステムがあるため、本編の進行によって戦い方が変わっていくと思います。

戦闘そのものの難易度はそれほど高くありませんが、オプションで難易度を変更することが可能です(ノーマル・ハードのみ)。
戦闘が苦手な人でも、詰んでしまうようなことはない作りとなっています。
ただし、本編クリア後のダンジョンやボスについては、本編と比べ物にならない強敵が出現します。

感想(ネタバレはほぼ無し)

本編を約65時間でクリアしました(ノーマル)。
非常に長い作品でありながら、最後までストーリーを追うのが楽しかったRPGでした。

そもそも長編RPGは、何か工夫がないとだんだんダレてくるのが普通だと思います。
本作が最後まで楽しくプレイできたのは、戦闘システム要素の追加や程よい戦闘バランスが保たれ、ストーリーが面白かったからだと思います。

RPGではパーティメンバーのレベルが上がっても、物語の進行に伴って出現する敵の強さも同時に上がっていきます。
つまり、レベルが上がって強くなっているように見えても、実際は同程度の戦闘難易度になるように調整されているわけです。
このように戦闘バランスを調整していながら、それでもパーティーが確実に強くなっているという実感を持てるような演出・描写になっているのが巧妙だと思います。

こうした成長を感じさせる描写の代表としては、習得する技名の設定にあると思います。
術名にフア級・デイ級・アム級などレベルを表す接頭語を付け、作中でもたびたびその強さについて説明しています。
これにより、高位の術を習得したときは、ちゃんとキャラが強くなっているという印象が得られます。
ストーリー上のセリフでも、こういった部分を丁寧に描いているため、不自然さや唐突さを感じずに受け入れられます。

また、レベルが上がるごとに、コンスタントに様々な技を習得していきます。
正直、性能が被っている技もあるような気がしますが、新たな技の習得はレベルアップの楽しさの一つです。
技のラインナップが増えることによって、キャラクターが成長している実感が感じられるのではないでしょうか。

物語については、長編であることを存分に活かした、広がりのある内容でした。
独自の用語は多めですが、一気に出していくことはせず、プレイヤーが理解しやすいタイミングで新しいワードを出していくように配慮されている気がします。
ストーリーの導入はオーソドックスですが、作品を進めれば進めるほど興味を惹く要素が増えていくので、面白さとしては右肩上がりになっていくと感じます。
形式としてはボーイ・ミーツ・ガールではあるのですが、特に恋愛要素をほぼ感じさせない主人公・リクディオの無愛想な雰囲気は、RPGとして珍しいかもしれません。

 

繰り返しになりますが、ゲームの尺の長さを十分に使って、非常に丁寧に物語を描いていると感じます。
タイトルに象徴されるような地上と天空という2つの世界、ゴグマという敵、旧文明の謎、敵対する謎の組織の目的、戦争の気配など、ワクワクさせる要素が絶えません。
爽やかそうな世界観と思いきや、割と殺伐とした雰囲気もあり、熱い展開や泣ける展開もあります。
それに加え、張り巡らされた伏線が回収されるカタルシスもありますし、物語を牽引する新たな謎についても絶妙なタイミングで投入されます。

僕の好きなフリーゲームのRPGで『Seraphic Blue』という作品があります。
材料単位では『Seraphic Blue』と同種の素材を使いながらも、味付けと料理の仕方で作品全体の印象がこんなにも変わるんだなと驚きました。
(どの要素が似ているかということについては、ネタバレが絡むため具体的には挙げるのは差し控えさせていただきます)

 

長編RPGとして、60時間以上継続して楽しませていただいた本作ですが、プレイしていく中で、いくつか気になった点を書かせていただきます。

・敵から取得したアイテムの種類が、一部分かりにくいものがある
敵を撃破した際に得られるアイテムは、種類を表すアイコンが表示されません。
「回復薬」のような名称であれば消耗アイテムだとすぐわかるのですが、「リヴァイアサン」のような名称だと、武器なのかアクセサリーなのか分かりにくい場合があります。
ゲーム後半になるとアイテム欄自体多くなるので、入手したアイテムを探すのが少し大変でした。

・スキルが多くなってくると技を選択するのが大変
ゲーム後半になるとスキル数が多くなるため、カーソル位置が最上部に戻ると選択し直すのが大変でした。
スキルの並び順は習得順に固定されているため、色々と並び替え出来たり、カーソルが選択欄上下でループできると便利でした。
もしくは、スキル効果・種類ごとにページ分けされていたりされていても良かったかもしれません。

・街中での移動が煩わしい場合がある
広い町だと、目的の場所に移動したり、フィールドに出るのが大変です。
街中の主要な目的地やフィールドへショートカットできるコマンドや方法があると快適でした。
イベント関係の進行上、設定が難しい部分があるのかもしれません。

 

システム的な部分について、いくつか気になった点を挙げさせていただきました。
ただ、これらの点は些細な部分なので、本作のプレイを躊躇する理由にはならないレベルだと思います。
長編作品はプレイ時間を多く費やすため、果たして面白いかどうか不安になり、プレイを躊躇う人もいるかと思います。
しかし本作は、僕がプレイした最近の長編フリーRPGの中では、トップクラスに面白い作品だと思うので、是非とも腰を据えてプレイしてもらえればと思います。

攻略メモ(ネタバレ注意)

本作は、戦闘難易度をオプションで選択できます。
僕は終始ノーマルでプレイしましたが、それほど難易度は高くありません。
一応、攻略のコツと思われ点について、いくつかメモしておこうと思います。

・序盤は防御でMPを回復させる
ゲーム序盤は、回復薬を購入しているとお金が足りなくなります。
通常戦闘で防御をするとMPが回復するので、MPが枯渇したら活用していきましょう。
通常戦闘はMPを節約せずガンガン消費して戦い、MPが減ってきたら敵を1体だけ残して防御を続けると良いかと思います。

・強敵との戦いは開幕バウンズブレイク+奥義推奨
強敵との戦いは、事前にTPを溜めておき、戦闘開始時に全員でバウンズブレイク+奥義を叩き込みましょう。
ゲーム後半では、通常戦闘以外はTPがリセットされるケースがあるので、その場合は地道に戦いましょう。

・ボス戦の定石について
ボスには割と状態異常が効くので、術封印や暗闇等を積極的に活用していきましょう。
また、敵を鈍足にしたり敏捷を下げるなどして、ピンチになった味方は速やかに回復できるように整えましょう。
攻撃力・防御力低下などのデバフは効きやすいので、常時付与させるイメージで積極的に使っていきましょう。
メインアタッカーが主力とする技の属性を弱点にするウィーク系も、余裕があれば積極的に使っていくことで、ダメージを底上げできます。

後半での戦闘で僕がよく使ったコンボは以下の通りです。
・まずソラハリアが「”自由”瞬翔」をセナに使用し、同ターンにセナレーノ「第十一章・向上」(術威力50%アップ)を使用、ファンクスは同ターンか事前に「オールソウルエキサイト」を使用、そしてセナレーノが火力を出せる属性のウィークをあらかじめ付けておきます。
・次のターンに、ファンクスが「瞬間統治領域」を使用し、その後セナレーノが敵の弱点を突ける術攻撃を2回放つと結構な大ダメージを与えられます。

終盤は根源醒顕の発動を狙って動いていくことで楽になると思います。
・各キャラの残留闘技を多く習得したら、序盤は術メインで攻撃し、残留闘技の発動を狙ってOPを溜めて戦います。
場に属性が残るのは3つまでのため、同一ターンで術を使用するのは3人まででOKです。
このとき使用する術は、属性が残るものであれば威力は弱くて構いません(リクディオのフア・ロックでも可)。
セナレーノは「慈愛」を使用し、全員のTPをチャージすることを念頭に置くと良いでしょう。
そしてOPが100になったらバウンズブレイク攻防を使用し、各々が根源醒顕を発動させていけば楽に倒せるはずです。

スクリーンショットと感想(ネタバレ多し・注意!)

ストーリーの進行順にコメントしていますが、その場面より後のネタバレを含むものもあるため、本編をクリアしてから閲覧することをオススメします。

第1章

空と陸の出会い

リクディオは人間不信に陥っていますが、全員を拒絶しているわけではありません。
自分を迫害する相手にはハッキリと対峙し、そうでない相手には、単にぶっきらぼうなだけに見えます。
コミュニケーションを一切遮断しているわけではないので、意外と相手を見ているのだということが窺えます。
リクディオは決して人間全員に興味がないわけではないというのが窺えます。

 

こういったゲストキャラが戦闘中補助してくれるシステムは、個人的に大好きです。
ストーリー上で同行しているキャラの存在感が感じられますし、共闘している感が良いですよね。
2人パーティーだと、グノームの魔法攻撃は戦力的にもありがたいです。

 

リクディオは乱暴な言い方が目立ちますが、筋を通す人間ですし、変な八つ当たりはしないので好きです。
感情的に見えて、意外と感情的ではない感じのところが良いなと思います。
(口調が粗野なので怒っているように見えてしまうのかも)

 

第2章

闇砕きの軌跡

冗談を言わないリクディオが怖がるという珍しい場面です。
ああ言えばこう言うキャラが二人とも共通しています。

 

一目見て只者ではないと分かるキャラとの顔合わせです。
このように、割と序盤で会っていたキャラが実は〇〇だった、みたいな展開は好物です。

 

常識やら偏見やら差別意識といったものを、この一言で済ませるソラハリアは気持ちが良いです。
「自分は君たちに何もしていない」というのは単純ながらも、凄く本質を突いているように感じます。

我々自身現実世界において、所属しているグループやら組織やらで相手を判断し、先入観からくる悪感情を持って接してしまうことがあるだけに、思うところのあるシーンでした。

 

急に毛色の違う問題が出て思わず突っ込むリクディオ。
ソラハリアのボケに突っ込むことに慣れてきたせいか、ツッコミとしても板についてきました。

 

ソラハリアは美人だと思うのですが、悪者っぽい笑い方が似合うのが独特で面白いです。
本人の素の部分なのかもしれませんが、後から思い返すと、あえて感情豊かに見えるような言動をしているのかもしれません。

 

喋り方が子供みたいでついつい可愛く感じてしまうイノセートです。
リクディオにしてみれば自分の右腕を奪った相手なので憎くて当然なのですが、何度捨てても付いてきてしまうペットのように思えてしまいました。
イノセートの名前の由来は、無邪気(innocent)なのでしょうか。

 

敵サイドの何だか凄そうな集団の幹部キャラは、ハッタリが効いていてワクワクします。
腹の立つ特徴的な喋り方で、若干の小物っぽさがありつつも、深魔クラスであるため、今の時点では敵わない強敵だというところが憎たらしくて良い感じです。

 

リクディオは素直でなくても、貸し借りなどの恩義関係にはしっかりしているので、人間不信といっても好感が持てました。
ちゃんと筋を通してお礼を言うキャラは好感が持てます。

 

以前に続きまして、ソラハリアの三下セリフです。
見た目とギャップのある美人は独特な雰囲気があって良いですね。

 

「フハハー!」に続き、新しいタイプの笑い声「アッハァ!」の登場です。
ソラハリアは敵に対して、最後まで割と野蛮な部分が見受けられます。

 

強者をプレイアブルキャラとして使える展開はワクワクしますよね。
格が違う相手同士の戦いということが強く印象付けられます。

 

他人頼らないリクディオが、恩人を助けるために他人に頼むシーン。
こういったところで変に意地を張らずに助けを乞うことができるのは大人な感じがします。
すでに精神的には成熟しているという意味で、本作はリクディオの「成長」を描いているわけではなく「変化」を描いているというように感じます。
人間不信になった青年の心を、心を欠損した少女が呼び覚ますといった様相です。

 

グラートによって弱らせられた強敵に罠を張り、その上で全員で戦うことでようやく戦えるという描写が丁寧で、格上相手でも戦えるということに説得力があります。
実際に、戦闘中にみんなが助けてくれる展開は、総力戦の雰囲気が出ていて熱いです。

名前がないセトラも、再生薬で戦闘中援護してくれるのが非常に助かります。
名前がないキャラクターでも、有象無象ではなく、きちんと一人のキャラであることが感じられて良いです。
序盤のクライマックスとも呼べる名シーンであると思いました。

 

特殊なボス戦の前にだけ出てくる演出は、独特の緊張感があって良いです。
うっすらと見える複数の影が、まだ見ぬ強敵たちを想像させます。

 

第3章

人形は人間を夢見る

クールなセナの貴重な恥ずかしがり顔です。
今後、しばらくこのネタをこすられ続けることになるとは知る由もありません。
ストーリーが進むとこの表情も珍しくなくなり、セナレーノがパーティーに馴染んできたということを示しているようにも思えます。

 

ソラハリアもルミネスも、意識して顔に似合わない言葉遣いをしているように感じます。
思うに、これは両者ともキャラクターを「演じている」からこそ、オーバーな物言いになるのかもしれません。
ただし両者ともその理由は異なり、ルミネスは真面目に話すのが照れくさくて、おちゃらけてしまうのかもしれません。

 

同郷の別パーティでしかなかったミヤが、何やら物語のキーパーソンとなる予感を感じさせます。
リクディオの幼少期についてはまだ謎が多い部分なので、その辺りに今後関わってくるのかもしれません。

 

過去のこの質問から、ハザマは人類の価値を見定める上位の存在なのだろうな、と感じました。
最終的に、人類に存続する価値が無いと判断すれば、リクディオ達との敵対は避けられなさそうです。
とはいえ、ナルザス達ともまた違う勢力だと思うので、その辺りの関係性がどうなっているのか今後明かされるのでしょうか。

 

珍しくカルテマが悪乗りしてくるのが面白かったのでスクショしました。

 

何も言わず、一人で死地に赴くシーンです。
その後の山神様の「生きて自分で伝えろ」というセリフはお約束ですが、二つ合わせたセットで感慨深いシーンです。

 

「セフィナの弟」という値札付きで見られていたリクディオですが、意外にもリクディオ本人に注目していたのは大ボスのナルザスでした。
もっとも、リクディオ自身は「セフィナの弟」と見られることに対して、特に劣等感を感じている風でもないので、あまり響いてないのかもしれません。
ミヤといいナルザスといい、リクディオの過去にはどんな謎が秘められているのか気になるところです。

あと、ナルザスの一人称が「私」や「余」ではなく「オレ様」というのが逆に新鮮で気持ち良いです。

 

ついに堪忍袋の緒が切れたセナゲーロです。
本人も好きで吐いたわけではないのでしょうから、あまりしつこく言うのは良くないですね。
さすがの冷静なセナでもここは感情的にまくし立てます。

 

リクディオもソラハリアも変な所で野蛮なのが共通しています。
リクディオの「殴った方が気持ち良いだろ」発言で、普段冷静に見えますが、やはり根っこの部分では脳筋なのか? と思わせてきます。

 

リクディオの天然っぽい謎のパン推しのあと、同郷パーティのクール枠シルヴィアもパンを注文していくというシーンで、お前らどんだけパン好きなんだよと笑ってしまいました。

 

ゲストキャラのベイルを加えてのボス戦で、格上のプレイアブルキャラを操作できるのでワクワクします。
深魔クラスとは正面からまともに戦えないという演出もあるのでしょう。
この戦闘はこれまでの中で、一番苦戦したかもしれません。

 

第4章

蒼天の影

自分の役割を理解して、何でも一人でやろうとはしないリクディオ。
ソラハリアやカルテマを頼りにするようになった、という描写でもあるのでしょう。

 

いけ好かないヴィンセントに対して、冷静さを失わずに、真正面から辛辣に正論を浴びせるシーンです。
正直、かなり胸がすくシーンであり、よく言ったリクディオと感じました。

 

別パーティのキャラたちも段々と成長しているというのが感じられて良いです。
実際、この後のノトエラ戦でラウルの囮効果にはかなり助けられます。
本作はこういった細かい描写が、実際の戦闘に反映されて実感できる点が巧妙だと感じます。

 

力負けはしているものの、今までやたらエバンヘリオとの戦いを経験してきたので、強敵との戦いに慣れ始めたということでしょう。
強大な敵との戦闘力の差を、少しずつ詰めていく理由の描写と説得力が噛み合って、丁寧だと感じます。
ここまでのストーリーの流れで、唐突さや不自然さをほぼ感じないので、作者様のその辺りのバランス感覚が優れているのだと思います。

 

第5章

赦門は開かれる

リクディオなりの励ましです。
嘘やごまかしが嫌いな性格なので、取って付けた内容ではなく、本当にそう思っている内容なのだと感じます。
やはり正直でまっすぐな性根なのだと再認識します。

 

RPGにおいて、主人公が戦う理由付けというのは大きな腕の見せ所だと思いますが、本作では破綻なく成功しているように感じます。
恩人であるグラートの描写とその死の丁寧な描写により、リクディオがその遺志を継ぐことが至極自然に描かれています。
個々のキャラクターの存在感がある本作のような作品においては、「何となく世界を救うために」という理由では納得しづらいですが、こういった個人的な理由であれば腑に落ちます。
特にプレイヤーもグラートの死をリクディオと共に体験しているだけに、共感できると感じます。

 

色々と凄そうな二つ名を持った英雄たちが存在する設定は格好良いですね。
実際にゲーム中に出てこないとしても、こういった設定の語りは歴史の厚みが感じられます。

 

いつも誰かのフォローをして慰めている気がするリクディオです。
しかし、話しながらも照れくささを感じないですし、嘘が得意なタイプではないので、思っていることを正直に言っているんだなと感じます。

 

ついに謎のキーワード「鍵の担い手」の意味が分かってきました。
旧文明の災いを再び起こさないようにすることが、リクディオ達の目的となっていくのでしょうか。

 

割とチョロい炎の大象霊様です。
炎っぽい性格で、人間臭くて良いなと思います。
関係無いですが、ゴルグダイトの見た目も相まって、ドラクエ5の隠しダンジョンにいるエスタークのようです。

 

各キャラのスタイルについては、これまであまり言及されることはありませんでしたが、ソラハリアは”でかい”と、公式に描写されたことになります。
イラストからするとスタイルは良さそうに見えるのですが、服の上からでもわかるレベルではあるようです。

 

旧時代の敵役が、歴史的な偉人を見知った知り合いのように語っているのがいいですね。
かなり昔から生きていたスケールの大きい敵ということが意識されます。

 

今までチラッと出てきた謎のワードである「人類滅亡因子」とか「赦門」が、はっきりと出てきました。
段々と謎が明かされてきていますが、新たな謎が追加で出てくるので興味が尽きません。

 

倒した後で、取り返しのつかないことをしてしまった感を出してくるのが不穏です。
とはいえ、この状況では倒さないわけにもいかないので仕方ないのですが。
本当に倒されたくないのなら、マネハールも戦う前にどういうことが起きるか教えて欲しいものです。
おそらく、本当に自分が倒されるとは考えていなかったので、そのような方法で身を守ろうとも思わなかったのではないでしょうか。

 

第6章

この閉ざされた世界で

久しぶりの二人旅です。
ゲーム開始時にカラノールを出発した頃が遠い昔のようです。

 

仲間に対しては結構気を許していたので忘れそうになりますが、自分たちに害をなす相手に対して割と容赦ない点は嫌いではないです。

 

このような状況になり自虐が多くなっていくソラハリアに対して、似合わないセリフを頑張って言うリクディオです。
平然とした顔ではありますが、内心はかなり照れてそうな気がします。

 

ところで、ルクシード第17基地ですが、なんとなくドラクエ3の「いざないの洞窟」の構造に似ている気がします。
奥まで行くと転送陣によって遠くへワープするという点も、アリアハン→ロマリアを彷彿とさせます。

 

先ほども言いましたが、そういう重要な情報はもう少し早く教えてくれよ、もうマネハール倒しちゃったよ!

ただ、過去の人類と違う道筋を歩み始めたという点で、同じ繰り返しにはならないのではないかという予感を感じさせます。

 

プレイヤーの気持ちを代弁してくれるファンクスです。
思ったことをストレートに言うキャラクターがあまりいないので新鮮ですね。

 

いけ好かないキャラが成長して男を見せる展開は熱いですね。
過去にしたことがこれで帳消しになるわけではないのですが、リクディオがあまり気にしていないのなら良いのでしょう。

 

その「あれ」を教えろってんだよォーッ!!

 

特になんて事の無いセリフなのですが、あらゆる人間が敵として襲い掛かってきた状況だったので、こういった普通のセリフに凄く安堵します。

 

まさかのイノセートがプレイアブルキャラに。
因縁の敵キャラ(といっても、それほど悪意があるわけではないですが)が仲間になる展開は熱いですね。
マネハールを倒したことによって状況が大きく動き、敵味方の関係図が微妙に変わってくる点が、長編作品において良い刺激になっていると思います。

 

今まで取り繕ったように冷静に励ます言葉が多かったですが、ここにきてストレートに感情を出すリクディオは熱いですね。

 

その熱さは象霊たちにも伝わったようです。

 

何となく村から送り出されて一行に付いてきたファンクスでしたが、ここで初めて明確に自分の意志で旅立っているという印象を受けます。
送り出すアルベルクのセリフがカッコ良いですね。

 

ゴグマ達に関する重要な真実が明かされるシーンです。
今までの伏線の一部が開示され、物語が大きく動き出した感があります。

 

この研究者は趣味に走ってブレないところが印象的です。
本作は、名前が無い脇役にもかなり個性のあるキャラが多くて面白いです。

 

一段落して、リクディオも精神的に落ち着いたということでしょうか。
ところで、リクディオはセフィナ、ティナと二人の姉がいるので、女性に対して恋愛感情が絡みにくく、家族のような感情を先に持ってしまうのかなと推測します。

 

強大なラスボスポジションのキャラが驚いているだけで、何だか凄いことが起きているのだという印象になりますね。
全てを見通して詰まらなさそうにしていたナルザスが驚いているのは痛快です。

 

この展開、このタイミングでカットインは熱いですね。
ストーリー上も大きな転機となる重要なシーンであるだけに、凄く印象的なシーンです。

 

第7章

受け継いだ拳に誓って

物語が一段落して、ゲーム冒頭と同じように、今までの旅路を辿っていく流れは良い演出だと思いました。
ゲーム開始時からの時間経過や、強くなった実感、そしてリクディオ達(プレイヤー)が成してきた実績を実感することができます。

 

自分を卑下する傾向にあるリクディオですが、先輩セトラに対して敬意を払っているのは謙虚に見えて好感が持てます。

 

寄り道要素の魔境で、本編のバックボーンに迫る雑談があるのは面白いと思います。
この辺りは本編では(まだ)しっかりと語られていない部分なので、寄り道であっても攻略したいというモチベーションが上がります。

 

ガルドモアは強者が好きな敵キャラですが、意外にもリクディオ達とはまだほとんど直接の関りはありません。
ジアスとユミカとの因縁についても、ひょっとすると単純なものではないのかもしれません。

ところで、ジアスの名前の由来がThe earth(地球)から来ているのだとすると、なかなか重要なネーミングです。
ジアスとユミカは王道的なバックボーンを持ったキャラクターですし、ひょっとすると元々は本作の主人公くらいの役回りだったのかもしれません。

 

この回想を見ていると、ナルザスの行動原理も何となく窺えます。
ゴグマ化している今でも、根本においては変わっていないのだと推測します。

 

ゴグマの階級のネーミングは何だか不思議なネーミングでしたが、ここまで進めてようやく元ネタがあるのだと明かされます。
しかし今まで階級名の由来について、誰も気にしなかったのでしょうか。
みんながそう呼んでいるから使っているだけ、程度だったりするのかもしれませんね。

 

鈍い自分でも、ようやくこの辺りからクラウディアの正体について確信が持てました。

 

サリシアは、最初ヤンデレ系の人だったりするのかと警戒しましたが、意外と素直な、普通にカルテマが好きな人で安心しました。

 

戦闘曲に緊迫感があるのと、ゴグマとも違う存在で不気味でした。
黒世大陸で遭遇した敵などと同種の存在なのでしょうか。

ソラハリアのこのコメントは、魔境の屋敷をクリアしたときにしか出ないセリフなのかもしれません(必須ルートかどうか覚えていない)。

 

割と色々な面で順調に進み始めていた状況でしたが、ソラハリアの依存と、リクディオに対する聖人の意識の侵食(?)という不安要素が勃発し、プレイヤーに不安を与えてきます。

 

第8章

幽遠の歴史

パーティメンバーは一時的に少なくなりましたが、人類最強のバギラド様がゲストに居るので戦闘は楽です。

 

ゴグマ堕ちしたソラハリアとの一騎打ちです。
こうした戦いを経ても、全く恋愛絡みの話にならない辺りが個人的には好きです。

 

少し抜けているところがあるのが可愛いです。
一応、コンデナシオンがポンコツというわけではなく、アディア時代の思い出がソラハリアに対して気を緩めさせたと説明はなされています。

 

第9章

根源断つ欠片

おそらく全てのプレイヤーが「コイツに言われたくないだろうに…」と思っているでしょう。

 

思えば、ラウルたちカラノール組との付き合いも長くなりました。
リクディオ達ではないにせよ、彼らもかなり強くなったと実感します。

 

エリンケが親と決別するシーンです。
既にリクディオは気にしていない様子ですが、エリンケにとっては大きな出来事であると感じます。
過去の自分と同じようなことをしている両親に対して、「恥」を感じるということは、自らを客観視出来るくらいに成長しつつあるのだと思われます。

 

いくら同情すべき過去があったとしても、同じような不幸に遭っても腐らず生きていた人は大勢います。
安易に、ソロックを助けようという展開にならないのは好感が持てます。

 

素っ気なくクールに見えたスフィアでしたが、熱いセリフを言う展開に燃えました。

 

本作は、飛びぬけて強い装備品というのはそれほどないと思うのですが、この槍については消費MP半減という破格の性能を持つので、目を疑いました。
カルテマの継戦能力が高くなるため、非常に役立ちます。

 

今さらですが、最初はエトヴァムを総力戦でギリギリ倒せていたのを考えると、成長したものだという気になります。

 

意外とちゃんと断るネスティに好感を覚えました。

 

レントンは凄い賢王であるという印象ですし、実際そうなのですが、ソラハリアに頬を掴まれて不意にこんなセリフが出ると、とても可愛らしく感じてしまいました。

 

この一連の、守り人探しの旅は、推理ゲームのアドベンチャーパートのようで新鮮でした。
意外性がありながらも、今まで関わったことのあるキャラクターという点が良かったです。

 

つまり、序盤のエトヴァム戦でも、本当はゼグ級で援護できたということなのでしょうか。
助けてくれれば非常に楽だったのですが、守り人であることが禁則事項であるなら仕方ありません。

 

「姉貴」呼びだったのが、少し前から姉ちゃんになっている点、わだかまりが無くなりつつあることが感じられて良いですね。

 

第10章

最果てのディストピア

アダマンドの宿屋といったらいつもここ。
何度も繰り返すことによって、いち宿屋でしかない宿屋が「いつもの宿屋」という言い方ができるレベルになっていくのが感慨深いです。

 

最後の「美味しかった」で不覚にも笑ってしまいました。
リクディオの「最後の感想がいらねぇ」というツッコミはもっともです。

 

「愚妹が気持ち悪くて申し訳ありません」という謝罪が面白くて笑いました。
特に間違っていないところがさらに面白いです。

 

見たことのない無天クラスがいきなり大勢出てくるところは、急に格上の新たな四天王が出てきたようでワクワクしました。

 

カットインが格好良く、「唯一無二が為の飛翔VS抗えぬ災罰神雷」と出てくるメッセージも含めて非常に熱いです。

 

最後に聖人に至るというあたり、プレイヤーの頭に人類最強という印象を強く刻み込んでいきます。
このことが、後からソラハリアが聖人に至るための伏線にもなるので巧妙です。

 

もともと野蛮なヒーロー&ヒロインなので、ナルザスがこう言うのもむべなるかな、というところです。
こういう脳筋展開はナルザスだけではなくクジャルも歓喜しそうではあります。

 

責任感が強すぎるガラルドによって、一行は命拾いすることになります。

 

マールドの世界の論理を否定するハザマです。
ルミネスの「まず、元の世界の記憶を残さないのはせこいです」という批判も、感情的な表現ではありますが、もっともな指摘です。

 

どこか薄気味悪いディストピアですが、違和感が決定的になるホラーなシーンです。

 

一蓮托生であると決意表明してくれるハザマです。
さすがタイトル画面に登場しているだけあって、リクディオ達との絆は深いようです。

 

最終章

この閉ざされた空の向こうへ

ダリオンの一枚絵は初めてだと思いますが、かなり格好良いですね。
ディストピア自体、かなりの広さの大陸ではありますが、仲間たちと共に攻略していくという設定が心強くて好きです。

 

ティサニアはツンツンでいつもプンスカしていますが、見えない時はデレているようで、なかなか良いですね。
一人称は「僕」ですが、声を聞く限り女性という設定なのでしょうか。

 

チナ・ザザに産み直されるとどうなるか検証したところ、即ゲームオーバーになりました。
実際はこうなる前に防ぐことは容易でした。
チナ・ザザの居る魔境の名前といい、ヘキロセントの無天クラスの中では異質な感じがして不気味です。

 

最初はロマサガ2のボクオーンのような、卑怯な小物のように思っていましたが、かなり印象が変わりました。

 

討魔陣相当が6人いれば、無天クラス相手でも優位に戦える事実は、プレイヤーに成長を感じさせてくれます。

 

最終決戦で、全員と一緒に戦っている演出は非常にエモいです。
援護しているのは毎ターン2人までと限られていますが、6人だけで戦っているのではないというのが実感できるので、とても好きな演出です。

RPGではよく、「全員で力を合わせて戦えばいいのに」と思ってしまう状況が良くあります。
ゲームの都合と言えばそれまでなのですが、本作はこうした部分について、できるだけ誠実に状況を戦闘に反映させているように思えます。
そのため、最後まで納得感を持ってプレイすることが出来ました。

 

一目見たとき、『機動武闘伝Gガンダム』の石破ラブラブ天驚拳を連想しました。
この後の戦闘カットインも含めて、最高に熱い演出です。

 

ラウル&シルヴィア組と、ジアス&ユミカ組が一緒に旅をしているのは、ちょうど良いように感じます。
回復役がシルヴィアだけのような気がするので、ややパーティバランスは悪い気がしますが、ラウルが優秀なタンク役であれば心配ないでしょう。
思えばこの4人とは、最序盤から長い付き合いでした。

 

「なりません」という、直後のゼレスの非情な返答に思わず笑ってしまいました。

 

なかなか辛辣かつ的確なリーエの指摘です。
こういう子が悪気無く言う言葉が、いちばん人(象霊)を傷付けそうな気がします。

 

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