第17回WOLF RPGエディターコンテストのエントリー作品『王国の肖像』の紹介記事です。
SRPG Studio製の作品とは一味違ったプレイ感のあるウディタ製のシミュレーションRPGです。
難易度「かんたん」にて、クリア時間は約16時間弱でした。
目次
ゲーム概要
魔術学校を首席で卒業したエルベリーは、希望していた研究所に入ることが出来ず、片田舎のいち駐在として働いていました。
そんな中、ある女性二人組が村に訪れて護衛の任務に就いたことをきっかけに、国全体を揺るがす出来事に巻き込まれていくことになります。
本作は、拠点パートと攻略パートを交互に繰り返して進めていくSRPGです。
拠点パートでは拠点内を探索し、買い物をしたり人に話しかけることで物語が進んでいきます。
なおこのパートでは、人物を動かすのではなく、カーソルの方を動かすという独特の仕様になっています。
キャラクターは、武器・アイテム・スキルの枠を持っています。
武器とアイテムは最大3種類装備でき、スキルは自由に付け換えできる枠が2つと、1つの専用スキル枠があります。
武器については、各キャラ複数の武器種が装備できるので、何を持たせるかによって使い勝手が大きく変化します。
アイテムは、攻略中に使用する回復アイテムを装備するスロットであり、ここに装備した物しか使うことはできないため注意が必要です。
ステージ攻略中にストックから自由に取り出すことは原則できません。
スキルは、ステータスを強化するものや、特殊な効果が得られるものなど様々なものが存在します。
装備によるユニットのカスタマイズ性はかなり高いシステムです。
短所を補うのか長所を伸ばすのか、はたまた何かしらのシナジー効果を狙うのか、色々なプレイスタイルがあり得ます。
戦闘マップは、お互いのターンが交互にやって来るオーソドックスなシステムです。
攻略中は、基本的に装備変更はできないため、事前の準備がとても重要です。
とはいえ、攻略中に入手したアイテムについては、その場で装備するかどうか選択肢が出たりするので、回復アイテムを使い切ってしまっても、それほど心配しなくても良いと思います。
味方のHPが0になり倒されてしまった場合は、そのマップでは使用不可となります。
攻略の続行は可能ですが、全メンバーが揃っていないと攻略は難しいため、マップ序盤で負傷者が出てしまった場合は相当厳しくなるでしょう。
その仕様もあってか、本作ではいつでもセーブ・ロードが可能です。
こまめにスロットを分けてセーブし、詰むのを防止しながら攻略するのが良いでしょう。
感想(ネタバレ無し)
(ver1.2時点での感想です)
難易度「かんたん」で、最後までクリアすることができました。
「かんたん」とはいえ、1章からすぐに味方が倒されてしまうバランスなので、標準的なSスタ製の作品に慣れていると少し面食らうかもしれません。
しかし理不尽な難易度というわけではなく、このゲームバランスなりの戦術を立てれば攻略できる難易度と感じます。
序盤は味方メンバーが少なく攻略の幅は限定されていますが、ある程度人数と装備が揃えば、むしろ攻略しやすくなってくるのではと思います。
1マップはかなり広く、敵の数が多い作りとなっています。
必然的に味方の移動距離が長くなり、敵のターンも長くなりがちなので、ステージ攻略のテンポがやや間延びしやすいというのはあると思います。
出撃準備の際に、マップの広さと敵の数の多さを見て、気持ちが折れそうになることもありました。
ただ、戦術を少し間違えると味方がやられてしまうという緊張感のあるバランスなので、実際にプレイ開始するとついつい長時間没頭してしまうことが多かったです。
敵の戦術バリエーションは豊富ではないので、自分なりの攻略パターンを確立すれば、大体それで突破できる印象でした。
状態異常、バフ・デバフの手段も多く用意されており、僕はあまり活用しませんでしたが、うまく使えばグッと攻略が楽になりそうだなと感じます。
攻略は結構大変な作品ですが、それでも先へ進めたいという原動力となったのは物語の面白さです。
可愛らしい顔グラフィックとは裏腹に、リアリティのあるシリアスな戦争物として読み応えがあります(少人数であれだけ多数の敵を撃破するのは現実的ではないかもしれませんが)。
SRPGながら味方サイドの人数は多くないので、その分だけ一人一人の掘り下げが深かったと思います。
印象に残るキャラクターも多かったです。
プレイ時間の半分以上がステージ攻略時間というように、かなりじっくりプレイが必要な作品です。
じっくり攻略するSRPGを求めている人にとってはお勧めできる作品です。
攻略メモ(ネタバレ注意)難易度:かんたん ver1.2時
3つある難易度の中で、真ん中の「かんたん」を選びましたが、劇的にかんたんになっているわけではないかなと思います。
全体的な攻略のコツとしては「薬草と魔力の水をしっかり用意する」、「狭い通路を壁役が塞いで戦う」ということです。
敵の攻撃が一人に集中しないよう、程よく後衛キャラも囮にして被害を分散させましょう。
1章 のどかな春の出会い
複数の敵と同時に交戦するのは非常に厳しいため、なるべく多くの敵と同時に戦うことがないように調整したいところです。
まずは、後方にいる敵を3人で倒しに行きます。
エルベリーが相手の攻撃範囲に入る形で接近し、敵ターンの反撃でしっかり削れるように調整します。
削った敵は、次のターンにシアンの間接攻撃とエルベリーの攻撃で確実に倒せるようにします。
失ったHPは速やかにミアで回復させましょう。
にわとりと鴉に関しては、シアンの攻撃1発で倒せるので、優先してシアンに攻撃させましょう。
接近している敵を倒し切れば、あとはこちらから進軍していくだけです。
くれぐれも大勢を一度に相手にしないよう注意して進めて行きましょう。
ボス付近の敵は、階段の下のところで相手をすると良いでしょう。
この位置であれば、ミアでエルベリーを回復させつつ、シアンで援護攻撃することができます。
2章 庭園の攻防
序盤ながらかなりの高難度マップだと思います。
敵将撃破と書いてありますが、右上のフード3人衆を全員倒して初めてクリアとなったので、基本的には全員倒すつもりで攻略するのが吉でしょう。
エルベリーにはSPを回復させる魔力の水、各メンバーには薬草、シアンには仲間の防御力を上げる青の絵の具を持たせておくと有用だと思います。
30ターンの制限がありますが、炎を全て消した時点で、その制限はなくなります。
宝箱には有用なアイテムがあるので、ゆっくり回収するためにも、まずは炎を消すことを優先させていきましょう。
なるべく各個撃破していきたいですが、序盤はどうしても複数の敵が同時に襲ってきます。
目つぶしを使われると非常に厳しくなるので、エルベリーには防塵めがねを装備させておくと良いでしょう。
また、火除けのお守りは魔防が低めのシアンに装備させておくと安心です。
エルベリーに青い絵の具を使って守備力を上げ、敵ターンの反撃ではフレイムフラワーを使い、なるべく多く削れるように心掛けましょう。
回復アイテムの出し惜しみはしないようにします。
フレイムフラワーを使わなくてもトドメを刺せる場合は、肉切り包丁で攻撃すると良いかと思います。
途中、ドラゴンが右上より増援で出てきますが、シアンで2回攻撃すれば倒せます。
スリングショット持ちは攻撃力が高いため、複数の敵と一緒におびき寄せる際は、青い絵の具を使わないと危険です。
僕の場合は、何だかんだで30ターンギリギリで炎を全て消すことが出来ました。
館の前に陣取る敵は多いですが、きちんと倒してからでないと火を消すことは難しいです。
3章 貴公子の受難
12ターンの経過でクリアとなるマップです。
リュカに防御力が上がる装備を集中させて、壁役にすると楽に戦えると思います。
その際、なげやりを装備させればより効率良く敵のHPを削れると思います。
初期位置南側の狭い通路をうまく使えば、リュカで敵の進行を食い止めつつ、他の二人も援護攻撃できると思います。
宝箱を回収したいのであれば、リュカに任せて他二人は別行動というのも良いかもしれません。
なお、回復アイテムは敵が多く落とすため、回復手段が無くなる心配はいらないと思います。
4章 命がけの逃亡
一目見ただけで敵が多く、うんざりするマップです。
まずは闇雲に動くのではなく初期位置付近に留まり、こちらに向かってくる敵を迎撃することに専念しましょう。
物理攻撃系の敵はリュカで反撃し、魔法攻撃系はエルベリー、もしくは火除けのお守りを持たせたシアンで反撃し、味方ターンできっちりトドメを刺せるよう準備しておきましょう。
重要なのは味方ターンに、近くにいる敵を全て倒し切ることです。
討ち漏らした敵が複数いるとすぐに味方が戦闘不能にされてしまうので注意しましょう。
緋色の剣を装備した魔法使いは攻撃力が非常に高いので、特に注意して迎撃しましょう。
移動力が5ある騎士よりも動きが遅いので、必要ならば後ろに退いて、他の敵多数と同時に相手にしないようにするとよいでしょう。
ボスのローレルは攻撃・守備共に高く、ターンごとにHPを回復するため、1ターンのうちに一気に倒さなければ撃破は難しいでしょう。
僕は倒せる火力が無かったため、ジョットのグラビティ・グラビティで移動力を低下させ、その隙にミアを脱出させてクリアしました。
5章 平原、雨天
敵ターンも味方ターンもBGMが好みで耳に残るマップです。
相変わらず敵の数は多いですが、戦う場所さえこちらで決めてしまえばとても楽に戦えます。
まずは向かってくる敵を初期位置の井戸周辺で迎撃します。
防御力が高いリュカを壁にして、他のメンバーは後ろから援護します。
崖越しに間接攻撃をされることはあるので注意しましょう。
向かってくる敵がいなくなったら、今度は次の一団をおびき出します。
上の画像の辺りまで移動すると、敵騎馬隊が一斉に近づいてきます。
敵の移動を確認したら、初期位置の井戸周辺に全員で逃げ込みます。
おびき出すのは移動力の高いシアンに任せたいところですが、必ず追いつかれるため、防御力の高いリュカが適任でしょう。
途中で追いつかれてもダメージは少ないはずです。
毎ターンHPが自動回復するしなやかな靴ひもを装備させていれば盤石でしょう。
無事初期位置まで逃げ込んだら、最初と同じように迎撃を続けます。
店での買い物や、左上の宝箱を回収したら、最後はボス周辺の敵をおびき寄せます。
こちらは下の階段を降りたところで迎撃すれば楽に戦えます。
ボスのさざなみは連続攻撃もあって非常に攻撃力が高いですが、全員で一気に攻撃すれば問題なく倒せると思います。
6章 武門の血
基本的には狭い通路を利用して、リュカで壁を作って迎撃していけば余裕をもって戦えました。
2マス分の壁が必要な場合はモニヤが一歩下がって壁を作ります。
こちらに向かってくる敵を全員倒したら次のエリアに進むという繰り返しで、特に問題支障なく進めていけると思います。
途中にいるアデルはリュカで話しかけるとレイピアを強化してもらえます。
確率で防御無視の効果が付与されるので、ぜひ話しかけておきましょう。
黒騎士については、魔法も物理も効きにくいので、ブレスオブドラゴンで倒しましょう。
消費MPが高いので、エルベリーには自然回復MPだけでなく魔力の水も必ず持たせておきましょう。
後半の屋内にて、火竜と黒騎士が一斉に向かってくる場所では、移動力が大きい黒騎士をまずは片付けましょう。
火竜は、風神の刃やウィンドスピア等の飛行特攻武器で楽に倒せました。
ゴーレムに魔法を使ってもミスばかりになってしまうので、仕方なくリュカの物理攻撃でゴリ押ししました。
リュカであれば2回攻撃を受けても致命傷とはならないと思います。
ウージェニーをジョットで倒すと、安らぎの闇のスキルが手に入ります。
強敵ですが、物理攻撃が通りやすいので、頑張って倒しましょう。
なめろうは事実上、魔法でしかダメージを与えられません。
物理攻撃は諦めて魔法で一気にケリをつけましょう。
終章 王冠のゆくえ
かなり長丁場となる最終マップです。
まずは城門の外で、突撃してくる騎馬兵を迎撃しましょう。
この序盤の攻防が一番大変かもしれません。
同時に別小隊から攻撃を受けると危険なので、まずは一番近い左側の2体に向かうと良いでしょう。
その後は流れで、近づいてくる敵に対処します。
城門から侵入すると、後方から敵増援がどんどん出現してきます。
手早く侵入し、狭い通路を利用して安全を確保して迎撃します。
こちらが1ターンに倒せる数以上の敵と戦うときは、細い通路を活用する、もしくはその場所まで後退することを考えましょう。
その後、増援がわんさか湧いてくる場所でも同様です。
強力な魔法攻撃を使ってくる敵や、防御無視の武器を持っている敵が混じっているので注意しましょう。
隣接している敵の危険度が高くないのなら、あえてその敵は倒さずに安全な壁として利用するのもアリだと思います。
盾役については、防御力を強化したリュカと、回避重視のスキルを付けたエルベリーが適任だと思います。
この増援を乗り切れば、後はそれほど苦戦する場面はないかと思います。
強敵相手は防御無視のブレスオブドラゴンを切り札にして突破していきましょう。
クリア後
クリア後はおまけ部屋に行けるのと、HPだけ引き継いで最初からプレイすることができます。
HPがあるだけでもだいぶ楽になるので、違ったプレイ感覚で遊べるかもしれません。
スクショを添えた感想(ネタバレ注意)
プレイ中にスクショした中から、一部を貼りながらコメントしていきます。
クリア前の人はネタバレにご注意ください。
「弑する(しいする)」という言葉を正しく使うジョット君、師匠の本棚で難しい本を読み漁っていたのでしょうか。
ぱっと見ると「殺す」と読みスルーしそうですが、フォントが大きめなので気付く人も多そう。
リュカは初登場時、貴族のボンボンでいけ好かないイメージでしたが、良くも悪くもしっかり貴族という感じでどんどん好きになっていきました。
ウインクして可愛いモニヤ。
リンゴを素手で潰すには、約80キロの握力が必要とされるそうです。
男性の平均握力が45キロ、女性が29キロということを考えると凄まじい怪力と言えそうです。
良いキャラしてそうなリュカのおねーちゃん。
回避力がかなり高く、まともに戦っても勝つことは難しそうです。
かわいい顔をしてますが、なかなかいい性格をしてそうな叔父上。
当主となるのは難しい立場ですから、何でも使えるものは使ってのし上がっていかなければならない立場ということを想像します。
叔父ではありますが、ひょっとするとエルベリーとそんなに歳が離れていないのかもしれません。
単に童顔なだけの可能性もあります。
何も知らないアニーの言葉が刺さります。
久々に戻った目的が里帰りではなく、当主の座ということになれば、大人しく譲る父親ではないでしょう。
どちらかが死ぬことになるのは当然想像できるため、暗い顔になるのも無理はありません。
ジョットで戦闘させてみたら、何かしら反応はありました。
が、繋がりは分からなかったので、何かしら自分の見逃しがあるのかもしれません。
詳しい背景はわかりませんが、ウルリカは、もともとはモニカのひとりだったのかもしれません。
モニヤと戦わせるとちょっとした会話がありました。
最後の最後で分かる正体。
修道院の本棚にあった生物図鑑が思い出されます。
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