シロナガス島への帰還(ミステリーアドベンチャー)紹介・感想

いくつかのレビューサイトで話題になっていた同人ゲーム「シロナガス島への帰還」を購入し、プレイしました。
サークル「旅の道」制作で、作者は鬼虫兵庫(おにむしひょうご)氏です。
ダウンロード販売はされていなかったので、通販でゲーム本体を注文しました(500円)。
購入するきっかけになったのは、「もぐらゲームス」様の紹介記事と、本作品の公式サイトのPVを見て、僕の好みにピンときたことが大きいです。



ダウンロード販売以外で同人のアドベンチャーゲームを購入したのは、15年以上前、友人に「ひぐらしのなく頃に」(鬼隠し編)を熱く勧められ、購入したとき以来です。
あの時も、購入してよかったなと感じましたが、今回もまた強くそう感じました。
今回は、本作品について紹介や感想を書いてみようと思います。

ゲーム概要


ゲーム内容としては、文章を読み進めていき、選択肢を選んでいくというオーソドックスなアドベンチャーゲームです。
クリア時間は、正確には測っていませんが4時間~5時間でした。

絶海の孤島の屋敷に集められた招待客が集合し、そこで殺人事件が起こります。
犯人は誰なのかを探りつつ、集められた招待客の目的や謎、そして「シロナガス島」の大きな謎を解き明かすことが目的です。

ときおり探索モードとして、画面をクリックして調査を進めていくシーンもあります。
複数回色々なところを調べることによって、ゲームが進行していきます。

また時には、時間制限がある選択肢や謎解き場面があります。
それほど難易度が高いものではないので、親切な作りです。
しかし間違えるとバッドエンドに繋がることもありますので、こまめにセーブしていくと良いでしょう。

シロナガス島の不気味な雰囲気や、いかにも何か起きそうな不穏な演出など、かなりの緊張感を味わえます。
R15と年齢制限があることからわかるように、死体の描写もあるので、グロテスクなシーンや、ホラーなシーンがあるため、そこは念頭に置いておきましょう。

しかし謎あり・ホラーあり・感動ありと、長編の映画に参加しているかのように没頭できる作品です。

感想(ネタバレなし)

アドベンチャーゲームとして、とても面白い作品でした。
地の文章が、すべてキャラクターの独白になっており、小説よりも軽快に読み進められます。
ストーリーの展開も、非常にテンポがよく、ほとんどストレスはありませんでした。
単なるミステリーに留まらない、ハードボイルドなテイストも感じさせるのは好きでした。
ニューヨークで私立探偵を営んでいる人間を主人公だからこそ、違和感はありません。

僕はミステリーを読んでいると、主人公たちの行動に不満を持ってしまうことがしばしばあります。
しかし本作の主人公である池田戦は、冷静かつ慎重な行動をするので、そのあたりの「なんでこんな行動をとってしまうんだ!?」というようなストレスは、特にありませんでした。
伏線の張り方や犯行のトリックなども、独特で面白かったです。

ほか、個人的に良いなと思ったのが、バッドエンドになる理由がちゃんと納得できる部分です。
運任せの理不尽な選択肢ではなく、不正解の選択肢と正解の選択肢、それぞれを選んだ先を読むと、そうなってしまった理由が説明されています。
バッドエンドに直結する選択肢の場合、ちゃんと推理できる材料を事前に与えてくれている点に、フェアプレイ精神を感じました。

500円という価格でこのような作品がプレイできるのなら、とてもお買い得だと思います。

感想(ネタバレあり)

本項では、キャラクターについての感想を中心に、ネタバレも含む内容を書いていきます。

本作をクリアしていない人が読むと、プレイ時の感動や楽しさを損なう可能性がありますので、注意してください。

:池田
頼りになる主人公という印象でした。
プレイヤーである僕自身、彼なら何とかしてくれるという安心感がありました。
ハリウッド映画の主人公が似合いそうなキャラクターです。
何だかんだ言ってねね子との信頼関係が厚く、このコンビが活躍する作品が出るなら、また読みたいなと感じました。

:ねね子
不気味なシロナガス島において、その空気を緩ませてくれる、ほっとするキャラクターでした。
それと同時に、切り札として頼りになる便利なキャラクターでもありました。
実際ねね子がいなければ、誰も生きては帰れなかったでしょう。
本作は臆病な彼女の成長物語としても、感動しました。

:アキラ
ツンデレ系のお嬢様です。
序盤に命を狙われてからは容疑者候補としては外せるので、安心して接することができるキャラクターでした。

:ジゼル
影の主人公といってもおかしくないキャラクターでした。
最後の推理では、ほとんど消去法のような形になるため、指名すること自体は難しくありません。

:リール
頭脳面での相棒がねね子なら、行動面での相棒といったキャラクターでした。
本性を表してからの方が、個人的には好みです。
それだけに生き残れなかったのは非常に残念です。
しかし彼女のお陰で、最終的にはヘリでの救出に繋がったわけですから、貢献度はねね子の次に高いです。
爆弾解除についても、かなり神がかった観察力でした。

:アウロラ
前半、まるで自分だけ未来が分かっているかのような言動をしていたので、この子だけループしているのかな?と推測していました。
当たらずとも遠からずというところでしたが、序盤の展開の不安を煽ってくれて、いい役どころでした。
みんながアウロラという人物を知らないというところは、ぞわっとしました。
後半は登場シーンが少なく寂しいですが、ジゼルとの関係性が好きです。

レイモンド卿の部屋にエレベーターで上がっていく途中、彼女を見たときには心臓が止まりそうになりました。

:ジェイコブ
意外と嫌いではないタイプのキャラクターでした。
こういうキャラクターが後半、頼れる仲間になる展開が好きなのですが、そんなことはありませんでした。

:トマス
見た目からして、何か悪いことをしてそうだという雰囲気でした。
インパクトのある殺害方法で、ストーリとしてはここから盛り上がり、面白くなってきました。

:アレックス
結構怪しい感じがしていましたが、結局は敵ではありませんでした。
変装不要の胸呼ばわりは怒っていいと思います。

:アビー
あまり出番はありませんでしたが、最後はちょっとだけしんみりしてしまいました。
池田、リールと共闘する展開があればもう少し感情移入できたかもしれません。

:ヴィンセント
分かりやすい敵ではありましたが、アビーと同じく、後半まで出番はあまりありませんでした。
敵側キャラクターのバックボーンについてはあまり語られないため、最後は意外とあっさりしていました。
「敵にも悲しい事情がある」みたいなストーリーだと読後感があまり良くないので、これくらいの方がスッキリして良かったです。

:ストーリーについて
プレイ前に自分がタイトルやPVをみて、そこから推測した内容とは結構違っていて、ホッとしました。
PV中、ねね子が「みんなあいつに殺された」と泣きながら話す場面があるので、ねね子以外が全員殺される・・・という展開を予想していました(もちろん池田も)。
そしてその後、ねね子がすべての謎を解くために、再びシロナガス島へ帰還する・・・そんなストーリーを妄想していました。
こんな展開だとみんな死んでしまうので、妄想が外れて良かったです。

タイトルのメインの意味は、アウロラの心臓が島に帰還した(すぐに脱出してしまうけれども)という意味なのだと思います。
ひょっとすると、池田が仮想世界から島に帰還したということや、ねね子がジゼルの精神から島に帰還したという意味合いも含んでいるかもしれません。

そのほか、本ブログで紹介しているゲームをまとめた記事はこちらです。
本ブログで紹介しているゲーム系の記事まとめ
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