漫画「ここは今から倫理です。」(雨瀬シオリ)紹介・感想

漫画「ここは今から倫理です。」は、主人公が高校の倫理の教師の作品です。
各話、それぞれ様々な問題を抱えた生徒たちに焦点を当て、オムニバス形式で展開していきます。
とても面白い作品でしたので、今回記事にしてみようと思います。
(2019年1月時点で2巻まで発売)

主人公について

主人公の高柳は、陰鬱な表情と丁寧な言葉遣いが特徴的な倫理の教師です。
(各話、生徒の視点から語られるため、高柳を主人公と言うのは、ひょっとすると語弊があるかもしれません)
淡々とした語り口調のため冷たく感じられますが、ストーリーが進むにつれて人間らしい部分が多く出てきます。
その人を見下したように見える表情から、生徒の第一印象は良くないですが、後半はほとんど誤解が解けます。

融通が効かなさそうにも見えますが、杓子定規な学校のルールよりも、高柳自身の信念を優先させる場面も多いです。
また、高柳本人も完璧な人間としては描かれておらず、生徒たち同じ未熟な人間というように描写されているところに好感を覚えます。
彼自身の悩みや苦悩を描いたエピソードもあり、単純な教師モノの枠に留まらない作品だと思います。

話の流れ

各話の話の流れとしては、非常にオーソドックスです。

起:悩みや問題を抱えている生徒が、倫理の教科を選択する
承:高柳と接触し、興味を持ったり反発したりする
転:生徒に何かトラブルなどが発生し、高柳が対応する
結:完全な解決ではなくても、生徒がいくらか前向きになる

大体はこのような王道の流れで進んでいきます。
題材は個性的ですが、話の構成が王道なので安定して面白いです。
各話のテーマとしては、誰にでも覚えがある思春期特有のものが多いので、共感出来ます。

感想

内容としては、昔からある教師モノとしてよくある系統の作品です。
ただし従来の作品の教師は、熱血や一生懸命さを武器にしているものが多かったです。
本作の高柳も、もちろん一生懸命さがあるのですが、「哲学者たちの言葉」を武器に使っている点が特徴的だと感じます。

作品の冒頭で高柳が語るように、倫理という科目は、通常の場面では役に立ちません。
役に立つ場面があるとするなら、「死が近づいた時とか」。
他には「宗教とは何か」「よりよい生き方を考える」「幸せとは何か」「ジェンダーについて」「いのちとは何か」といった内容が提示されます。
高校生と言う時期にありがちな疑問や反発心を、哲学者の言葉を借りて解きほぐす様子は、痛快でもありますし、読んでいて自分の心にも染み渡っていきます。

扱われているテーマは、日常ではあまり関係してこないかもしれません。
しかし、絶えず不安に満ちている今の世の中を生きる我々にとって、知っておきたいと感じるテーマに感じます。
僕は倫理という教科は選択しませんでしたが、学んでみたいと思うようになってきました。
逆に、あまりそういう方面に興味がない人は、読むのはお勧めしません。

そのほか、本ブログで紹介している漫画の記事をまとめたページはこちらです。
本ブログで紹介している漫画系の記事まとめ
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