密室殺人ゲーム2.0(小説・歌野晶午)感想

歌野晶午によるミステリ小説「密室殺人ゲーム2.0」を読み終えました。
同作者による「密室殺人ゲーム王手飛車取り」の続編となる作品です。
完全な続き物ではありませんが、前作を読んでいることで楽しめるトリックがあるため、本書から読み始めるのは得策ではありません。

前書き

さて、例によってまた雑談から書きます。
記事の本題とはあまり関係ないので、本の感想が早く読みたい人は、飛ばしてもらった構いません。
僕は、記事の中で作品を批判したりけなしたりすることは、あまりしたくないと思っている人間です。
特に、無料で提供されているフリーゲームであれば、ネガティブなことはほとんど書きません。
フリーゲームの作者によっては、どういうところがマイナスだったか知りたい作者もいるでしょうが、そういった役割は他の人に任せるつもりでいます。

なぜそういうスタンスをとっているかというと、その作品が無償で提供されているからです。
仮にその作品が非常につまらなかったとしても、何か金銭的に損しているわけではないのです。
時間を損したという考え方もあるとは思いますが、それは単に自分の楽しむ能力の不足と、面白い作品を察知する能力に欠けていたことに因るものです。
「面白そうだな」と感じてプレイしたゲームが面白くなかったのですから、自分の見込み違いを嘆くべきなのです。
特に僕は、面白いというレビュー記事がきっかけとなってプレイすることが多いので、予想を超えてつまらなかったということはあまりありませんが・・・。

逆に言うと、お金を支払って購入した作品については、不満点を書くことにあまり抵抗はありません。

お金を支払って購入したのですから、意見をいうことくらいはして良いだろうという考えです。
しかしそれも度を過ぎれば、自らの見る目の無さを曝していることに繋がるので、あまり良いことではないと感じています。
面白いという記事を読んで購入したにせよ、自らの直感で購入したにせよ、最終的に購入という判断をして、お金を支払ったのは自分です。
したがって、僕が作品についてネガティブな意見を書くときは、買うかどうか迷っている人に損をしてほしくないなという気持ちで書くことが多いです。

感想(ネタバレあり)

さて、本作が面白かったかどうかという感想を言うと、前作より衝撃は劣っているというのが正直なところです。
Q3の、死体を隠れ場所に使うというトリックはとても面白かったです。
前作同様に、犯人兼名探偵役が試行錯誤しながら推理を繰り広げていくのは、読んでいてとても楽しかったです。
伏線も余すところなく利用しており、ザンギャ君を見直す回でした。

そしてQ4にて、前作がその後どのような結末を迎えたかが明かされると同時に、それを利用したトリックが使われました。
しかし使われている意外な犯人というトリックは、本質的には前作と同じようなトリックで、そのあたりの衝撃の度合いは小さかったです。
前作を知っているからこそ、引っかかってしまう男女トリックです。

Q5は、物理的なギミックを利用したトリックで、あまり楽しくありませんでした。
シチュエーション自体は、これぞ密室という感じでワクワクさせられました。
しかしそのトリックが絵面的に地味で、Q3に比べるとわかりにくく、面白くはなかったです。
出題者の性格を考えると、前作のQ1同様、axeらしい問題ではありました。
Q3のように、殺人だからこそ成立するトリックというのは美しいなと思います。
ですがaxeが出題する事件は、クイズやなぞなぞのようなものに感じ、殺人である必要性があまり感じられませんでした。
問題そのものに走りすぎているように感じてしまいます。
ただ、そういう人間たちが集まっている、そういう趣旨のゲームなので、まあ仕方ないかとは思っています。

そして最後のQ6は、長編のエピソードです。
コロンボ出題の事件は前作でも感心したものですが、今回もそこそこトリックは面白かったです。
しかし自分自身が被害者になるというやり方は、アンフェアな印象を受けてしまい、してやられた感はあまり感じませんでした。
作者も、最後の動機についての補強となる論文をわざわざ添付している時点で、動機が弱いという自覚はあったのかもしれません。

続編を読むべきかどうか

本作の続編にあたる「密室殺人ゲーム マニアックス」というものが存在するようです。
しかし、1作目よりも2作目の内容が物足りなかったということもあり、購入するかどうか迷っているところです。
「ここまで読んだのだから最後まで読んでみるか」という気持ちと、「いや、やっぱりやめておいた方が良いのかも」という気持ちがせめぎ合っています。
たぶん購入して読むかとは思いますが、読み終えた際は、面白くてもつまらなくも、記事にしてみようと思います。

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