QualiaNext-道を照らして-(フリー・RPG)紹介・感想・攻略メモ

ゲーム
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前作「Qualia-盲唖の歌姫-」をプレイして、とても素晴らしかった思い出があります。
次回作を製作中だったということは全く知らなかったのですが、投稿情報がTwitterのタイムラインで流れてきて知り、驚きました。
慌ててダウンロードして、そのまま一気にプレイさせていただきました。

前作より、キャラクターの内面に迫った作品だと感じました。
前作と同じような内容を期待すると、少し大人しい印象かもしれませんが、前作をプレイ済みの人には、ぜひお薦めしたいです。
クリア時間は約7時間で、2周目は2~3時間くらいだったと思います。

(2020年8月2日追記)
戦闘難易度を下げたモードを選べるようになりました。
物語をメインに楽しみたい人でも、気軽にプレイできると思います。

ダウンロードはこちら(「ふりーむ!」作品ページ)
QualiaNext-道を照らして-

 

ゲーム概要


ジャンルは「サイバー・スローライフ・RPG」と銘打たれていますが、アドベンチャーとしての色が強いと思います。
基本は、マップを歩き回りながら探索をして行き、話を進めていきます。

ダンジョンでは、敵シンボルを避けたり戦ったりしながら、仕掛けを解いてクリアしていきます。
敵をガンガン倒してレベルを上げていくというゲームではありません。


あらすじは、次のような内容です。

大学生の主人公ライカは夏休み、とある施設でバイトをすることになります。
その施設「光の家」には、天才博士「ソラ」とアンドロイドたちが住んいるとのことです。
しかし到着して早々、奇妙な現象がライカを襲い、それと同時にとある能力が開花することになります。
「光の家」では過去に何があったのか、ライカは少しずつ知っていくことになります。


本作には、随所にミニゲームが挿入され、プレイすることになります。
これらのミニゲームは、絶対に良い結果を出さなければいけない類のものではありません。
しかし良い結果を出せば、みんなから褒められるので、ついついチャレンジしたくなります。


本作の戦闘は、敵との位置関係の概念がある、アクティブタイム式のコマンドバトルです。
行動には「SP」が必要で、SPが1マス溜まるごとに、行動することができます。

ただし、SPを2以上消費する技を使用する場合は「集中」コマンドで、SPを溜める必要があります。
大技は強力ですが、発動するには、それ相応のSPを溜めなければいけません。


技には有効範囲があるため、敵との位置関係に応じて、技を使い分けていく必要があります。

また、前作同様に、敵の攻撃は戦闘画面上の回路図を動く点を、タイミングよく止めることで防ぐことができるシステムです。
敵の技ごとにタイミングや速さ等が違うため、攻撃に慣れて回避することが不可欠です。

こういった、軽いアクション性が必要な操作が苦手なプレイヤー(僕もそうですが)は大変ですが、アイテムなどを駆使すれば、何とかなる・・・はずです。

もっとも、本作での通常戦闘はシンボルエンカウント式なので、不要な戦闘は避けられます。
むしろ、逃走できるのであれば、逃走した方が楽なので、無理に戦わないことが大切です。

感想(ネタバレ有り)

2種類のエンディングを両方とも見ました。
どちらが良いエンディングとも言い切れない気がするので、両方見て良かったと思います。

本作は、主人公ライカの成長物語として、楽しませていただきました。

ゲーム開始時のライカは、すでにクドリャフカが入り込んでいたと思われますので、本来のライカの性格とは違っているのでしょう。

しかし、本来のライカの印象は、フイネル教授やモニカの口から語られる回想のみなので、そこから推測することしかできません。
回想を見る限り、本編開始時のライカとはかなり違うので、クドリャフカの影響が大きいことが窺えます。


クドリャフカは、「何をどう感じ、思うのか」という主観的な意識体験(クオリア)があれば、心があるとか無いとかは大した問題ではないと言っています。
ヒトも機械もクオリアは生じ、クドリャフカがライカの心の部屋を埋められたように、そこに差はないということでしょう。

アリスとの会話の中に、「目的を持って作られるのがアンドロイド」(うろ覚え)という言葉がありました。
では目的を終えたアンドロイドは、もうアンドロイドではなく人間かと言えば、そういうわけではないと思います。
生まれてくる目的を持っていても、人間は人間でしょうし、目的が無くてもアンドロイドはアンドロイドでしょう。

ライカは「どれだけ精巧に造られようとも、ヒトと機械には越えられない境がある」とも言っています。
しかしこれはおそらくハード的な意味の境であって、ソフト的な意味(「心」やクオリアなど)での境は無い、と言っているのではないかと思います。
だからこそ、ライカやクドリャフカは、お互いの肉体を行き来できたのでしょう。

前作では、アンドロイドにもクオリアは生まれるかどうかというのが、ひとつのテーマだったと思います。
今作は、アンドロイドに生まれたクオリアは、人のクオリアと同じものなのか(交換可能なものなのか)、というのがひとつテーマだったと勝手に理解しています。

前作の主人公であるリックが好き過ぎるので、彼が登場してくれて、とても嬉しかったです。
出しゃばり過ぎず、今作の主人公の手助けをするというポジションは、「Zガンダム」におけるアムロのような役割で、安心感があります。
ここで「ガンダムSEED DESTINY」のキラのように振舞ってしまっては興ざめです。

ゲーム前半の、のんびりとしたスローライフ+ホラーなテイストも良いのですが、個人的には前作の雰囲気、すなわち今作で言うなら後半の展開が燃えます。
しかし、前作と今作ではコンセプトや試みが違うと思うので、どちらが良いのかを単純に比較することはできません。

「事件の解決」がメインだった前作は、映画的に楽しめる作品だったと思います。
今作は、映画というよりも小説や文学に近い方向性で、主人公の内面を描くことに比重を置いている作品だと思います。
この二つの作品を、同じ楽しみ方で楽しもうとすると、上手くいかないのではと思います。

戦闘は前作同様に、やや難しいと感じました。
前作は、ステータスを上げて回復アイテムをマックスまで揃えるという強化方法がありましたが、今作はステータスに伸びしろはありません。
稼いでやれることは、せいぜいアイテムを限界まで貯めることくらいです。
そのため、敵の攻撃を真面目に見切りながら、正攻法で戦う必要があったので大変でした。

しかしその分、強敵を倒せた時の達成感は素晴らしかったです。
物語を先に進めたいという原動力でモチベーションが保たれ、クリアすることができたのだと思います。

お気付きのプレイヤーも多いと思いますが、過去の写真の5人は、みんな宇宙に関係する名前です。

クドリャフカ=ソ連の宇宙犬として有名な名前、ライカという名前でも知られる(wiki調べ)
カムパネルラ=宮沢賢治「銀河鉄道の夜」より、主人公の親友
テグジュペリ=「星の王子さま」の作者サン・テグジュペリが有名
ディアナ=月の女神
ソラ=宇宙


見覚えがあるバイクだと思ったら、やはり!
ルートDで、何度もやり直した記憶が蘇りました。


文字だけですがレオンも。


収穫を手伝ったお礼を持たされてる公安部隊が、どこか可愛らしいです。
こういうサイバーとアナログのコラボは良いですね。

攻略メモ(ネタバレ有り)

戦闘全般

まず、通常戦闘を行うメリットはあまりないので、敵シンボルに接触しないようにしましょう。
ボスがどうしても倒せない場合のみ、アイテムを稼ぐために通常戦闘を行いましょう。
基本は逃走でOKです。

もし戦闘になったら、符を有効活用しましょう。
とはいえ、符の使用でもSPは消費するため、効果的な使用が求められます。

距離を取るなら、相手を2マス吹き飛ばして少し行動を遅らせる「拒絶の符」が有用です。

「治癒の符」は最重要アイテムなので、なるべくボス戦に温存しておきたいところです。

「偏向の符」は、敵の攻撃を防ぐのが苦手な人にとっては、かなり有用なアイテムです。
これもなるべく強敵にとっておきましょう。

「停滞の符」は、効果があまり実感できませんでした。

技は、流れ星・ストロボ流星・銀河コイルス系列の、ダメージ重視系を使用するのが基本になってくると思います。

リトル星団は敵の攻撃を1回防げますが、結局長期戦になってしまうのなら、流れ星系で早く倒そうとした方が、敵の攻撃回数を減らせる気がします。

イオンテイルやロッシュ限界は、あまり使いどころは無いと思います。

謎解き

本作では、謎解きはほとんどなく、序盤で出てくるABCの数字くらいです。

2周目をプレイする人のために、解答を記載しておきます。
「A+B+C=191」

エンディング分岐

本作では、エンディングAとBの2種類があります。
普通にプレイしていれば、たぶんBになるのではと感じます。
初回でAになる人は、RPGで、イベントが進むたびに村人全員に話しかけて会話差分を回収する習性をもった人なのではと感じます。

本編クリア後にヒントは貰えますが、初回のプレイでAに進みたい人のために、条件を記載しておきます。

エンディングAルートに入るには、ディアナとの会話が重要になってきます。
メメさんの家に行く前から、灯台が光るまでに、なるべく色々なタイミングでディアナと会話する必要があります。

・メメさんの家に行く前に一度引き返す
・朝食前に博士の部屋の入口に行く
・研究所の地下でテグジュペリの影を追う際、内部から洞窟側へ向かう(これは普通にプレイしてたら見つけられない・・・)
・訪問者が来た際、地下へのエレベーター近くで話す

この辺りをこなしていくと、無事フラグを立てることができました。
フラグに関しては、狗島から戻った後、ライカの部屋の人形を調べることで確認ができます。

エンディングAでは、ストーリーの大筋は変わりませんが、ラスボスやエンディングが変化します。

クリア後の特典

いずれかのエンディングを見ることにより、お得な情報が提示されます。
ゲームスタート時、ライカの名前を「クドリャフカ」と入力することで、快適戦闘モードを有効化させられます。
このモードをONにすると、イベント戦闘以外の戦闘で、攻撃力とSPの溜まる速度が2倍となります。

また、光の家の入り口前の小屋のダイヤルナンバーが表示されます。
その4桁の数字を入れることで、サウンドが再生できたりするスタッフルームに入ることができます。
ゲームをクリアした人は、ぜひ訪問してみてください。

そのほか、本ブログで紹介しているゲームをまとめた記事はこちらです。
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