はじめに
麻雀上達のための方法の一つとして、終わった半荘の牌譜検討をするというものがあります。
自分だけで振り返ることも大事ですが、自分より実力がある人に見てもらえれば、より効果があります。
しかし、強者に自分の牌譜を見てもらって指導してもらえる機会はなかなかありませんし、あったとしても、毎試合すべての牌譜を見てもらうことは難しいでしょう。
麻雀AI「Mortal」を使えば、オンライン上で、無料で、しかも10秒程度で自分の打牌を採点してもらうことができます。
この記事は、2022年に書いたMortalの紹介記事を全面的に書き直したものです。
Mortalとは何かという話から、雀魂・天鳳それぞれでの使い方、結果画面の読み方、悪手率やレーティングの目安、モデルのバージョン(4.1と4.0の違い)、うまく使えない時の原因まで、僕が2年以上使ってきて分かったことを一通りまとめておきます。
麻雀AI「Mortal」とは?
無料で使える、オープンソースの麻雀AI
麻雀AIと言えば「NAGA」「Suphx」「爆打」などの名前をよく耳にします。
Mortalは、それらと同じように深層強化学習で作られた麻雀AIで、「Akochan」という麻雀AIの後継として開発されました。
プログラムそのものがオープンソースで公開されていて、牌譜検討ページから誰でも無料で使えるのが最大の特徴です。
NAGAは天鳳の牌譜であれば有料で検討してもらえるサービスですが、Mortalは無料なので、毎試合すべての半荘を検討に回すことができます。
僕は雀魂の玉の間で打った半荘を、納得のいかないラスを引いた時を中心に、Mortalに通しています。

Mortalの強さと「ラス回避重視」の設計
Mortalの具体的な強さについては、開発者のドキュメントに天鳳の段位のような分かりやすい表記があるわけではありません。
ただ、前身のAkochanが天鳳7〜9段くらいの強さと言われていて、Mortalはそれより強いと聞きます。
天鳳なら7段くらいまで、雀魂なら雀聖3くらいまでであれば、「大きなミスをしていないか」のチェッカーとして十分に活用できるのではないでしょうか。
もう一つ、Mortalの性格を知る上で大事なのが、評価の基準が着順ベースになっていることです。
開発者のドキュメントによると、Mortalの強さは1着から4着にそれぞれ「+90、+45、0、-135」というポイントを割り当てた指標で測られています。
3着と4着の差が、1着と2着の差の3倍もあるわけで、要するに「ラスを引かないこと」を非常に重く見る設計になっています。
点数状況が絡む局面でMortalの推奨が自分の感覚と違う時は、「これはラス回避のための選択なのでは」と考えてみると、腑に落ちることが多いです。
Mortal 4.0・4.1で何が変わったか
Mortalは2023年11月頃にバージョン4.0になり、その後4.1が公開されています。
4.0になった時点で、それまでの3.0に比べて全体的に信用度が上がったと言われていて、特に「差のある平面牌効率」の判定がしっかりしたという評価をよく見かけます。
僕の体感でも、3.0の頃に時々あった「なぜその牌?」という推奨は減ったように感じます。
現在の牌譜検討ページでは、次の5つのモデルから選べるようになっています(ページ上の表記そのままです)。
- 4.1c(トップ取りタイプ)
- 4.1b(バランスタイプ)
- 4.1a(ラス回避タイプ)
- 4.0(レガシーバージョン)
- 3.0(人間に近い、でも最も弱い)
迷ったら4.1b(バランスタイプ)で良いと思います。
僕は普段の半荘戦は4.1bで検討して、オーラス近くの押し引きが気になる半荘だけ4.1a(ラス回避タイプ)でも見てみる、という使い方をしています。
3.0は「人間に近い」とある通り、人間らしい打牌を推奨する代わりに一番弱いモデルなので、今から使う理由はあまりないと思います。
注意点として、後で説明する「レーティング」は、同じモデル同士でしか比較できません。
4.1bで出した数値と4.0で出した数値を並べても意味がないので、自分の成績を記録していくなら、モデルは一つに固定した方が良いです。

NAGAとの違い
有料の麻雀AI「NAGA」と比べた時の違いを、僕なりにまとめると次のような感じです。
- 料金:Mortalは無料、NAGAは有料(無料枠あり)
- 対応する牌譜:Mortalは雀魂・天鳳・麻雀一番街・姫麻雀、NAGAは主に天鳳(雀魂は非公式の拡張機能経由)
- 理由の説明:どちらも「なぜその牌か」は説明してくれません。推奨度の数値から自分で考える必要があります
- 打ち筋:Mortalはラス回避重視、NAGAはタイプ(オメガ・ガンマ等)によって攻守が変わります
両方使っている人の記事を読むと、判定に迷った局面はMortalとNAGAの両方に聞いて、意見が一致した箇所だけを信用する、という使い方をしている人が多いようです。
麻雀AIの考え方を本で学びたい人は、以下の記事も参考になると思います。
麻雀戦術本『麻雀AI「NAGA」の鉄戦術』(著:多喜田翔吾)紹介・感想
雀魂公式のAI「MAKA」との使い分け
MAKAとは
2025年2月26日から、雀魂のゲーム内に公式のAI牌譜分析ツール「MAKA」(ベータ版)が実装されています。
牌譜画面の猫マークの「MAKA」ボタンを押して「分析開始」を押すと、数秒で自分の打牌とMAKAの推奨が食い違った局面へ飛べるようになります。
外部サイトに牌譜URLを貼る必要がなく、スマホのゲーム内で完結するのが最大の利点です。
分かっている仕様をまとめておきます。
- 対象:自分が参加している四人東・四人南の段位戦。実装当初は2025年2月26日以降の対局に限られていましたが、3月6日のメンテナンスでそれ以前の対局も分析できるようになりました。三麻は開発中
- 回数制限:1日10局まで(「開運御守」が有効なら30局まで)。実装時は5局/20局でしたが、3月6日のメンテナンスで「毎日5回→10回」「20回→30回」に増えています
- 結果の表示:各打牌に推奨度の数値が付き、最も推奨される牌が黄色、次点が青、それ以外は帯なしで表示されます。局ごとにE〜S+の15段階のランクと、半荘全体の評価が出ます。リーチをしたかどうかも評価対象です
- 保存期間:分析結果は7日間で見られなくなります(再分析すればまた見られます)
- 評価基準:どのAIをベースにしているか、ランクの計算方法は公開されていません

MAKAのランクはどう決まっているか
どらさんという方が、ご自身の牌譜をMAKAに通してランク別に集計した動画を出されていて、これが参考になります。
それによると、S+ランクの局は黄色(最推奨)の打牌を平均92%選べていて、非推奨(帯なし)の打牌を1回でも選ぶとS-程度まで落ちることが多かったそうです。
一方で、回線切れで全部ツモ切りになった局や九種九牌で流れた局がDランクになったり、他家へのアシストで自分の手を崩した局がEランクになったりと、ランクが実力を表さないケースもあります。
マーク2さんの動画では、オーラスのリーチ判断でMAKAがオリを推奨した例が紹介されていて、Mortalと同じく着順(ラス回避)重視の評価になっているようです。
また「放銃したから悪い打牌」という結果論のバイアスがなく、放銃しても正しい選択なら肯定してくれる、という点も高く評価されていました。
MortalとMAKA、どちらを使うか
僕の結論は「両方使う」です。使い分けはこんな感じです。
- MAKAが向いている:スマホで対局した直後にサッと確認したい時、1日数半荘しか打たない人、麻雀を始めたばかりで「自分の悪いところだけ見たい」人
- Mortalが向いている:回数制限なく全半荘を検討したい人、悪手率やレーティングを記録して推移を追いたい人、天鳳の牌譜も検討したい人、モデル(4.1a/b/c)を切り替えて比較したい人、7日以上前の対局を見返したい人
MAKAは手軽さ、Mortalは自由度と数値の細かさで勝っている、というのが僕の印象です。
どちらも「なぜその牌か」は教えてくれないので、判断に迷った局面は両方に聞いてみて、意見が一致した箇所を優先して直す、という使い方が良いと思います。
Mortalの使い方
対応している対局の範囲
先に、Mortalで検討できる対局の条件を書いておきます。
牌譜検討ページには「四麻の牌譜のみレビューできます。段位戦ルールのみレビューできます。使用するAIのうち、Mortalでは半荘(東南)のみサポートしています」と書かれています。
つまり、三麻・東風戦・友人戦の特殊ルールは対象外です。
雀魂の東風戦を検討したい場合は、もう一つのAI「akochan」を選べば処理できますが、10分から60分かかるので、あまり現実的ではありません。
雀魂の牌譜URLを取る
雀魂の場合は、まず対局履歴から検討したい半荘の牌譜を開き、「シェア」を押して表示される牌譜URLをコピーします。
雀魂牌譜屋の対戦履歴からその対局の牌譜を開く方法もあります。

天鳳の牌譜URLを取る
天鳳の場合は、牌譜ビューアーで開いた時のURL(tenhou.net/0/?log=… の形式)をそのままコピーすればOKです。
天鳳の「牌譜」ページの一覧からもリンクを右クリックでコピーできます。
牌譜検討ページに貼り付けて送信する
Mortalの牌譜検討ページを開いて、「牌譜URL(天鳳、雀魂)」の欄にコピーしたURLを貼り付けます。
「対象プレイヤー」は、雀魂・天鳳のURLなら自動で自分の席を判別してくれるので、基本はそのままで大丈夫です。
自分以外のプレイヤーを検討したい場合は、東1局の東家を0として、0〜3で席を指定します。
エンジンは「Mortal」を選び、モデルは前述の通り4.1bがおすすめです。
「高度なオプション」を開いて「レーティングを表示する」にチェックを入れておくと、結果画面にレーティングが出るようになります。
「温度」の項目は機械学習のパラメータで、基本は触らなくて良いです。
「局フィルター」は特定の局だけ検討したい時に使います。
送信の前に「私は人間です」のチェック(ボット対策の確認)があるので、チェックを入れて、画像の選択などが出た場合はそれに答えます。
最後に「送信」を押すと、通常10秒以内に結果が表示されます。
結果ページはサーバー上に15日間保存されるので、URLを控えておけば後から見返せます。

スマホでもできる?
スマホのブラウザからでも同じページで検討できます。
ただ、結果画面は情報量が多くて横幅を使うので、じっくり見るならパソコンの方が快適だと思います。
僕はスマホで対局した後、その場でURLだけ送信して、結果は後でパソコンで見返すことが多いです。
検討結果の読み方
KillerDucky版UIの見方(おすすめ)
結果画面のUIは「KillerDucky(beta)」と「Classic」の2種類があります。
NAGAに似た見た目のKillerDucky版が見やすいので、僕はこちらを使っています。
推奨度が緑色のバーの高さで表示され、黄色いバーが自分が実際に選んだ牌です。
自分の打牌とMortalの第一候補が違う箇所には、ちょっとした間違いだと「うーん…」、大きな間違いだと「アカン!」とコメントが付きます。
右上のメニューの「Next Error」を押すと、次の非一致箇所に飛べるので、まずは「アカン!」だけを順番に消していくという検討の仕方が使いやすいと思います。
また、放銃する可能性がある牌には、牌の下側に赤いバーが付きます。
この放銃率はMortalが出しているものではなく、経験則による簡易的な計算とのことなので精度は高くなさそうですが、自分の感覚と大きく違う時は、なぜそうなのか考えるきっかけになります。

Classic版UIの見方
Classic版は、局の開始時点で「最終的に何位になるか」の確率が表示され、その下に1巡ごとに自分が切った牌とMortalが選んだ牌が並びます。
最初はMortalと自分の打牌が異なる巡目だけが展開されているので、「詳細」を開くと打牌候補が推奨度の高い順に表示されます。
レイアウトを「Horizontal」にしてReplay Viewerを起動すると、天鳳のビューアーで河や他家の状況を見ながら検討できます(雀魂の牌譜でも天鳳の画面になりますが、中身は同じです)。
ちなみに、ツモる局面で天鳳ビューアーの手牌をクリックすると、受け入れ枚数のシミュレーターが起動します。
何を切るか考える時のベースになる受け入れ枚数を確認できるので、活用していきましょう。
ビューアーの設定で他家の手牌を「伏せ牌」にしておくと、実戦と同じ情報量で考え直せるのでおすすめです。

Q値と推奨度(方策確率)の意味
詳細を開くと、各候補牌に数値が2つ付いています。
一つは評価値(Q値)で、その牌を切った場合の期待される良さです。
もう一つは推奨度(詳細の一番右「πτ(a|s)×100」)で、Mortalがその牌をどのくらいの確率で選ぶかを0〜100で表したものです。
「Mortalが100人いたら、そのうち何人がこの牌を切るか」とイメージすると分かりやすいと思います。
候補全体を足すとほぼ100になるので、第一候補が78で自分の牌が19なら大差、44対42なら「どっちでもいい」という具合です。
僕が見る時の目安はこうです。
- 自分の打牌の推奨度が30以上:Mortalも十分あり得ると考えている選択なので、誤差の範囲。深追いしない
- 推奨度が5〜30:少し損な選択。第一候補と何が違うのか一度考える価値あり
- 推奨度が5未満:いわゆる「悪手」。ここは必ず理由を考える
匿名の方から以前コメントで教えてもらったのですが、Mortalが提示する第一候補は信用できても、第二候補以下は参考にならないことがあるそうです。
自分の打牌とMortalの第一候補だけを比べる、という使い方が良さそうです。
実例:僕の一局で仕分けてみる
参考までに、僕の半荘から非一致箇所を仕分けた例です。
半荘1回で非一致は15〜25箇所くらい出るのが普通で、その大半は推奨度30以上の「誤差の範囲」です。
残った「アカン!」を、僕は次の3つに分けて考えるようにしています。
- 気づけたはず:受け入れ枚数の数え間違い、現物の見落としなど。単純ミスなので、次から気を付ければ減らせる
- やや高度な判断:押し引きの境界、点数状況を踏まえた選択など。戦術本で考え方を補う
- 納得できない:Mortalの評価基準では正解でも、自分の打ち方とは合わない選択。無理に直さない
気づけたはずの例

正直アガリは厳しいのでオリ気味ではあったのでスルーしました。
しかしチーした上で、直近で切れた8sを2個落としてまだチャレンジできるので、そこは怠らずに頑張りなさい、という感じかなと思います。
やや高度な判断の例

2者のリーチにオリている場面で、どちらを切るかの話です。
どちらも両方への現物というわけではないですが、スジではある7sを切りましたが、3mが推奨でした。
3sが2枚あるので、2回安全を変えるという意味でこちらが推奨なのか、それはよくわかりません。
こういった理由について、自分なりに考えていくことが大事なのだと思います。
「納得できない」に当てはまる分かりやすい実例のスクショは特にありませんでした。
いずれも大事なのは、結果が悪かったので正解・不正解なのではなく、結果の良し悪しではなく正しい判断だったのかどうかを見るのが大事です。
押し引きや点数状況判断の考え方は、以下の記事や本が参考になります。
悪手率・レーティング・一致率の目安
3つの指標の意味
結果画面の「メタデータ」欄には、半荘全体の成績として次の数値が出ます。
- 一致率(matches/total):自分の打牌がMortalの第一候補と一致した割合です。序盤の字牌処理などが一致しないだけでも下がるので、大きいミスも小さいミスも同じに数えてしまう指標です。
- レーティング(rating):一致しなかった箇所のミスの大きさを加味して算出される数値です。「しっかり打てたか」を見るならこちらの方が向いています。
- 悪手率:推奨度5.0未満の打牌の割合です(NAGAの基準に倣ったもの)。Mortalには自動計算の機能がないので、詳細を開いて自分で数えるか、後述の拡張機能を使います。

段位別の目安
どのくらいの数値なら良いのか、という目安については、REDさんが雀魂牌譜屋から集めたプレイヤーの牌譜を3,000局近くMortalに通して集計したnote記事が大変参考になります。
細かい数値はそちらを見ていただくとして、ざっくりした傾向を書くと、段位が上がるほどレーティングと一致率は上がり、悪手率は下がるという順当な結果で、雀魂の雀豪クラスで悪手率5〜6%台、雀聖クラスで3〜5%程度、天鳳七段クラスで3%台、という目安になっています。
別の目安として、はじけない源内さんは「まず85を目指す。85が安定して出せれば中級者、90が出せるようになれば雀聖から魂天クラス」と話されていました(こちらも4.0以前の感覚です)。
ただし、この集計は3.x系のモデルで行われたものです。
前述の通りレーティングはモデルが変わると数値が変わるので、4.1系で出した自分の数値と直接比べることはできません。
「同じモデルで自分の数値を追いかけて、傾向を見る」という使い方が一番堅実だと思います。
悪手率を数えるのが面倒な人へ:Chrome拡張機能
悪手率を毎回手で数えるのは正直面倒です。
有志の方がChromeの拡張機能をいくつも公開してくれているので、パソコンのChromeで使う人はそちらを入れると楽になります。
はじけない源内さんの動画で紹介されていたものを中心に、名前を挙げておきます(いずれも非公式なので、導入は自己責任でお願いします。Chromeウェブストアで名前を検索すると出てきます)。
- じゃんたま牌譜検討サポーター:雀魂の牌譜画面にボタンが出て、自分の名前をクリックするだけでMortal(またはNAGA)の検討ページに牌譜URLと自分の席を自動入力してくれます。URLをコピーする手間がなくなります
- Mortal悪手率解析 / Mortal Reviewer Enhancer:結果ページに悪手率と悪手の一覧を表示し、自分が放銃した箇所に印を付けてくれます。片方は「推奨度5%以下」、もう片方は「5%未満」を悪手として数えるので、両方入れると数値がわずかにずれます
- mortal conveniencer:「レーティングを表示する」をデフォルトでオンにできます。成績をスプレッドシートに書き出す機能もありますが、うまく動かない環境があるようです
- AI雀力スカウター&シン悪手率:結果ページから雀力の目安と悪手率を計算してくれます
僕はレーティングと悪手数を手でエクセルに記録する方法をずっと続けていますが、数えるのが億劫で検討自体をやめてしまうくらいなら、拡張機能で自動化した方が良いと思います。
(非公式ツールの使用は自己責任でお願いいたします)
1局だけの数値で一喜一憂しない
悪手率もレーティングも、半荘1回分ではかなりブレます。
配牌やツモが悪くて選択肢のない局が続けば一致率は上がりますし、難しい局面が多い半荘なら悪手率は上がります。
僕は対戦ごとにレーティングと悪手数をエクセルに記録していますが、判断するのは20〜30半荘くらい溜まってからにしています。
余談ですが、この「悪手を数える」作業には、メンタルを落ち着かせる効果もあります。
4着になった半荘でも、悪手を数えていくうちに「今回は仕方なかった」「ここだけは直せる」と冷静に振り返ることができますし、非一致箇所には全部目を通すことになるので、嫌でも復習になります。
段位ポイントの上下だけでなく「悪手率を下げる」ことが目的になると、ラスを引いた時の落ち込み方がだいぶ変わりました。
Mortalが「使えない」時の対処
「牌譜URLを貼っても使えない」という話をよく聞きます。
僕が経験した範囲で、考えられる原因をまとめておきます。
三麻・東風戦・特殊ルールの牌譜
一番多いのがこれです。
Mortalは四麻の半荘戦(段位戦ルール)しか対応していないので、三麻の牌譜や東風戦の牌譜はエラーになります。
友人戦でも、ルールが段位戦と同じ設定ならレビューできることが多いですが、特殊ルールにしていると弾かれます。
URLの形式が違う
雀魂の場合、牌譜画面の「シェア」から出るURLを使ってください。
ブラウザ版雀魂のアドレスバーのURLをそのまま貼ってもうまくいかないことがあります。
天鳳は牌譜ビューアーのURL(?log=…)を使います。
古い牌譜・他人の牌譜
雀魂の牌譜は一定期間で見られなくなるので、古すぎる対局は取得できません。
また、他人の牌譜を検討する場合は「対象プレイヤー」の席を自分で指定する必要があります。
混雑・タイムアウト
Mortalは通常10秒以内で終わりますが、混雑している時間帯は待たされることがあります。
akochanを選ぶと10〜60分かかるので、急いでいる時はMortalを使いましょう。
また、雀魂側のアップデート直後は、牌譜の形式が変わって一時的に読み込めなくなることがあります。この場合は数日待つと直っていることが多いです。
結果が英語で表示される
結果ページの言語は、検討ページで日本語を選んでから送信すると日本語になります。
英語で表示されても、項目の意味はこの記事で書いた通りなので、そのまま読んでも困らないと思います。
Mortalの限界と、上手な付き合い方
理由は教えてくれない
Mortalは「この牌が良い」とは教えてくれますが、「なぜ良いのか」は教えてくれません。
推奨度の差が大きい箇所について、受け入れ枚数・安全度・点数状況のどれが理由なのかは自分で考える必要があります。
面倒ではありますが、これこそが上達するために必要な思考だと思います。
Mortalが苦手だと言われている領域
麻雀AI全般に言えることですが、点数状況が絡む判断や、序盤の字牌の切り順は、AIによって意見が分かれやすい領域です。
Mortalを長く使っている人たちの間で「ここは苦手そうだ」とよく言われているのは、次のようなところです。
- 平面の牌効率は非常に強いが、山読み・相手の手牌読みは反映されない:捨て牌から「この色は山にいなさそう」と考えて待ちを選ぶような判断は、Mortalの推奨とズレることがあります
- 鳴き・染め手・アシストの評価:人間がよくやる遠い仕掛けや、他家に鳴かせて親を流すアシストは、Mortalの評価では損と見なされがちです
- 真ん中寄りの待ちをダマにしがち:3-6や4-7の両面待ちでもダマを推奨してくることがあり、ここは意見が分かれるところです
- 第二候補以下の評価が低くなりやすい:前述の通り、第一候補は信用できても「こういう選択もあり」という幅は見えにくいです
Mortalの推奨が自分の感覚と大きく違う時は、前述のラス回避重視の設計を思い出しつつ、それでも納得できなければ無理に合わせなくて良いと思います。
どうしても気になる局面は、同じページで選べるもう一つのAI「akochan」にも聞いてみる手があります。
処理に10分以上かかりますが、各牌の放銃率と、通った場合・放銃した場合の期待値を出してくれるので、押し引きの検証には向いています。
なぜこの2つの打牌でこんなに差が付くのか分からない、ということも時々あります。全部が全部正しいというわけではありません。
AI検討の「使いどころ」を間違えない
平澤元気プロの牌譜検討の動画で、僕が一番腑に落ちた考え方を紹介しておきます。
牌譜検討の目的は2つあって、一つは「知っている正解を実戦で100%出せるようにする」こと、もう一つは「正解を知らない場面で、自分なりの正解を作る」ことだ、という話です。
Mortalは特に前者に向いていると感じます。
「時間切れで安全牌を選び損ねた」「受け入れ枚数を数え間違えた」のような、知っていればできたはずのミスは、Mortalの非一致箇所を見れば一目で分かります。
一方で後者、つまり「押すか引くか本当に難しい局面」は、MortalとNAGAで意見が割れることもあれば、AIと強者の意見が割れることもあります。
そういう場面は、AIの答えを鵜呑みにするのではなく、戦術本や強い人の意見も合わせて「自分にとっての正解」を作るしかありません。
牌譜検討を始める目安については「雀豪2くらいから。それより前は、まずセオリー通りに打てるようになる方が先」とのことで、これも納得です。
どの半荘・どの局を見るか、見つけたことをどう打ち方に変えるか、といった牌譜検討の手順は、別の記事にまとめました。
牌譜検討の考え方や、AI検討の始めどきについては、以下の動画・記事が参考になります。
検討→打ち方を変える→成績で確認する
Mortalで見つけた自分の癖(例えば「リーチに対して押しすぎ」)を直したら、その前後で成績がどう変わったかを雀魂牌譜屋の期間指定で確認する、というサイクルを回すと、上達が数字で見えるようになります。
僕自身、Mortalで「先制リーチに悪形で追いかけて放銃」のパターンが多いことに気付いて、追っかけ判断を厳しくした時期があります。
その結果、放銃率は下がり、和了率は少し下がったものの、平均順位は改善しました。
成績で確認する方法と、実際に打ち方を変えた話は以下の記事に書いています。
おわりに
以上、麻雀AI「Mortal」の使い方と、結果の見方についてまとめました。
自分一人では気付きにくい打牌候補や、打牌選択の損得を定量的に把握できるというのは、無料のツールとしては破格だと思います。
なぜこの打牌が優れているのかは自分で考え続けなければなりませんが、興味がある方はぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
Mortal 牌譜検討ページ
参考リンク(外部)
- Mortal 公式ドキュメント
- Mortal(GitHub)
- Mortalで見る雀魂のプレイヤーレベルまとめ(RED様)
- 無料&簡単!麻雀AIを使って牌譜検討をする方法(うに丸麻雀ちゃんねる)
- Mortal及びAkochanを使った牌譜解析ススメ―関連拡張機能の紹介(はじけない源内)
- 麻雀AI MAKA 概要とランク別集計結果(どら)
- 新AI「MAKA」で自分の対局を分析してみた(マーク2の麻雀ch)
- 『雀魂』AIアシスト牌譜分析ツール“MAKA”をテスト実装(ファミ通.com)
- うに丸麻雀ちゃんねる
- 平澤元気麻雀ch
そのほか、麻雀に関する記事のまとめページです。
打牌の優先順位はある程度信用できますが、数値の大小については信用しない方がいいかと
これらは打牌の絶対的な評価の数値化というわけではありません
FAQにも書かれていますが、このAIは人間の牌譜解析用に作られているわけではなく、AI自身が麻雀を上手く打てるように作られていて、解析はその副産物のようなものです
この数値はMortalが強くなるために使っている手段であって、打牌の正確なスコアを表す目的のものではないのです
故に、第一候補以外の数値はかなり雑になってしまいます
何故こうなのかと言えば、あらゆる選択肢を全部探索して評価を付けていくと時間がかかってしまうからです
なので、ある程度処理を省く必要があるんですね
人間で言うと「有力なのはコレかコレくらいでしょ。後は論外だから考える価値もない」って感じの思考をしているわけです
Mortalにとっては第一候補さえ完璧ならば麻雀が強くなりますので、この仕組みでなんら問題ないのですが、その数字は評価の差を見比べる用途には向いていないのです
あくまでMortal君がダメ出しするかどうかだけを見た方が良いです
実力はakochan対Mortal×3の対局データを見る限り、Mortalの方が天鳳の安定段位で言えば少なくとも0.5以上は高いかと思われます
akochanと比較すると立直率、副露率は低いですが、追っかけ立直は結構するようなので状況次第で後手でも粘る、突っかける感じなのかもしれませんね
ただし、和了、放銃、速度、殆どの指標でakochanより優秀なので、より正確性のある押し引きだと思います
打点はakochanの方が高いので、akochanは守備派というより判断基準が打点寄りなのかもしれませんね
他に見るべき数字はMetadata部分に出力されるratingでしょうか
半荘一回では何の参考にもなりませんが、ある程度の数を調べたときの平均でしたらそれなりに有効なようです
じゃんたまでは大雑把に雀豪で平均79~、雀聖で83~、魂天で87~くらいになるみたいですね
ただしMortalはラス回避麻雀用の採点基準なので、ポイント配分が変わる魂天の牌譜評価は少し怪しいですが
長々と失礼しました
追記ですが、それぞれの打牌のスコアを比較したい場合はakochanの方が向いてます(実力はMortalの方が明確に上ですが)
だからこそakochanは解析に時間を食ってしまうわけですね
コメントありがとうございます。
解析に時間さえかからなければakochanで良いと思うのですが、時間+実力というところでmortalを使用してしまいます。
今後開発が進み、akochanのように使いやすくなるといいなぁと思っております。
あれ、そのコメントの前に長文送っていたのですが送信されてなかったですかね?Mortalの実力についてとかも結構書いてたのですが
一番書きたかったことは、Mortalの作り的にどうしても枝刈りして処理を省いているので打牌ごとに出る数値の差は参考にならない(定量的な評価は出来ない)ってことなんですよね
コレは打つために作られたAIなので第一候補さえ間違えなければ良いって感じで、他の打牌の評価は大雑把なんですよね。「この二つの打牌の価値そんなに変わらないでしょ」って場面で大きく数値上の差が出たりするのはそのせいです
制作者の言葉を借りるなら、あの数値は手段(Mortalが強くなるための道具)であって、目的(打牌の価値を正確に表すこと)ではないということです
申し訳ありません、コメントがスパムに振り分けられていたようです・・・
長コメントありがとうございます。
Mortalは打つために作られたAIとのこと、承知しました。
第1候補を参照するツールとして割り切って参考にした方がよさそうですね。
記事中にもその点について、少し追記させていただこうと思います。
詳しいお話ありがとうございました。